楽しさは子どもの心に宿る②−Newスライムでたのしむ−

「〈子どもの心〉にこそたのしさが宿る」という話をたくさんの方たちが読んで下さった様です。〈子どもの心〉は子どもだけが持っているわけではありません。年齢は関係ないのです。
 若い先生たちなら〈子どもの心〉を持っているのか?
 それも違う様です。

 残念なことに、若くても子どもの感性が薄らいでしまっていることを感じている人もいるでしょう。しかし〈たのしい教育〉にどっぷりと浸かっていくうちに子どもの感性が戻ってきます。それも〈たのしい教育研究所〉が確かめた実験結果の一つです。

 時には、あまりにも周りの価値判断にしたがって生きていったために、子どもの段階で子どもの感性が薄らいでしまった様に見える子どもたちもいます。そういう子ども達は、周りに合わせるという才能が豊かだったのでしょう。それは良さの一つとして残したまま、子どもの様な感性を大事に育てていくことは可能なのです。

 そういう子どもの感性を残した先生たちが、たのしい教育研究所にはたくさんいます。
 前回〈ビュンビュンごま〉の話を書きましたが、食事を早々と終えると、すぐにまたコマをとってたのしんでいる先生がいました。はじめて〈ビュンビュンごま〉を回せたのが嬉しくてならない様子です。顔は真剣! これくらい熱中できるものがあるのは素敵なことです。

 食事が済むとA先生が〈たのしい教育研究所:RIDE〉で教材化を進めている〈Newスライム〉を紹介し始めました。次の〈夏休みの親子講座〉で取り上げようという話になっている教材です。

A先生「みてぇ~、これ」
B先生、C先生「いい香り~」「なんかフワフワ」「触りたい~」
とまるで子どもたちの様な会話がかわされています。
 

 何も言わないのに、I先生は、2つのNewスライムを混ぜ合わせてしまっています。

 何と、マーブル模様になりました。地層の学習でも利用できそうな感じです。


 そのうちにI先生がこんなことをしてしまいました。

I先生「題して〈ハサミのかくれんぼ〉」
 なぜか笑ってしまいました。

 たのしいんでいるうちに、Newスライムのいろいろなたのしい使い方が出てきました。
 学校で先生によく注意される子どもたちがいます。しかし、そういう子どもたちの中から、新しいアイディアが生まれたり、発見や発明も出てくる可能性があるのです。
 決められたことだけ、許されたことばかりをやる中からも、教師が意図した程度のたのしさは生まれるでしょう。
 しかし、周りの人たちを巻き込んでいく様なたのしさ、新しい時代を切り開いて行くようなたのしさは、決められたことばかり、周りの人たちが〈やってよい〉といったことばかりをやっている中からはほとんど生まれないと思うのですが、どうでしょうか。
 事実、社会を動かすほどの発明や発見は、周りの人たちと同じことをやっていた中から生まれたのではありません。時には〈やめなさい〉と言われてもやめられない様な没頭した行動の中から生まれてきたのです。

 子どもは本来、親や教師の予測を超えたことができる、可能性あふれる生命体です。
 それが実は私たち人間がここまで成長できた大きな理由の一つでもあるでしょう。

 子ども様な感性を大人も持ち続けたい。
 教育にたずさわる人たちは特にそれを大切にしていきたい。
 そういう子どもの様な感性を守り育てることも〈たのしい教育研究所:RIDE〉の大きな活動の一つです。
 子どもの様な感性を持った人たちにぜひきて頂きたいですし、そういう気持ちが無くなってきた気がする、という人たちにもぜひきてもらいたいと思っています。このリンククリックで〈学ぶ笑顔と賢さ〉を育てる活動を応援してください!

沖縄で大西宇宙飛行士の講演会があります(2/8申込み〆切)

 大西卓哉 宇宙飛行士の講演や月面ローバー試験モデルの実演など、沖縄で宇宙に親しむイベントがあります。沖縄宇宙通信所開設50周年の記念イベントです。
 期日は2/17(土)ですが、申込み〆切が2/8(木)です。〆切が迫っていますので興味ある方は早めにお申し込みください!

沖縄宇宙通信所50周年記念行事 概要
日 時:2018年2月17日(土)12:00~16:30
場 所:恩納村ふれあい体験学習センター 
沖縄県国頭郡恩納村字恩納5973
内 容:・記念講演会 13:00~15:20 @ゆうなホール 
・子供たちと宇宙の未来絵画展 12:00~16:30 @展示室前廊下
・沖縄宇宙通信所 懐古写真展 12:00~16:30 @物販・展示室
・月面ローバ試験モデル実演 12:00~16:30 @ふれあい教室
※イベント毎に時間が異なります
申込先:Webフォーム
問い合わせ先:国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 沖縄宇宙通信所
TEL:098-967-8211(平日9:30~12:15、13:00~17:45)
その他
宇宙飛行士講演は、訓練等の事情により中止となる場合がございますので、あらかじめご了承下さい。
講演会へのご入場者には、記念行事限定「沖縄宇宙通信所レトロ・アンテナカード」をお一人様に1枚ずつ配布いたします。なお、在庫がなくなり次第、終了とさせていただきます。http://fanfun.jaxa.jp/event/detail/11324.html

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楽しさは子どもの心に宿る① −3人びゅんびゅんごま−

 たのしい教育研究所の講座「別れと出会いの春もたのしく2/25」の準備で研究所のメンバーと卒業生たちとで遅くまでたのしく準備をすすめていた時のこと、来週の〈地域出前授業〉の一コマ「びゅんびゅんゴマ」をたのしんでみました。

 〈びゅんびゅんゴマ〉はヒモに通した円や四角の重りを引っ張ったり緩めたりしながら、ビュンビュンと回転させてたのしむ昔から伝わるおもちゃです。
 これは私の好きな絵本〈びゅんびゅんごまがまわったら〉で、少し がんこな校長先生が、びゅんびゅんごまを見せている様子。

 

 若い先生たちは、それで遊んだことの無い人たちも多い様で、はじめはコツがつかめなかったようですけど、何度か練習すると上手になって、何度もたのしんでいました。

 

 たのしい教育研究所に足を運ぶメンバーには共通点があります。

 みんな〈子どもの感性〉を失っていない人たちです。

 講座の準備もたのしんで進めていますし、ビュンビュンごまもたのしんでいます。

 そのうちに〈二人で回せないかな〉というアイディアが出ました。

 やってみると、すぐに回せる様になりました。

 すると3人で回せないかということになり、ためしてくれました。

 すぐに回せる様になりました。

 

 人が変わっても大丈夫。
 ビュンビュンと勢いよく回っています。

「これは世界初のたのしみかただね!」という声もあって、もっと数を増やそうということになりましたが、残念なことにびゅんびゅんコマは3つしかなく、講座の準備をなおざりにはできないので、また後のおたのしみということになりました。

 こういうアイディアがどんどん飛び出していくことは〈たのしい教育研究所〉で普通に起こることです。

 どうしてか?

 特別な才能をもった人たちが集まって来た、ということが考えられるかもしれません。
 しかし私には〈子どもみたいな人たちが集まっているから〉に違いないと考えています。
 そしてそれは〈たのしい教育〉で〈子どもの感性〉を取り戻したということでもあるでしょう。

 最近研究所で研究が始まった〈Newスライム〉を作ったA先生は「これはまずい、たのしすぎる」とつぶやき。それを伝授されたB先生は「やばい、心奪われそう!」とつぶやく。その周りでは〈すごい〉〈たのしい〉〈この手触りがたまらない〉と騒いでいる何人もの人たち。
「学校でこんなかんじだと叱られてるよね」の声が上がるほど、夜なのに盛り上がっています。

 この話はカンタンに終わることができないようです。続きをおたのしみに!
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〈学ぶことがたのしいからやめられない〉そういう姿はなんて幸せなことだろう/師的川泰宣から学んだこと、板倉聖宣が語ったこと

〈たのしい教育の普及〉に全力を投じている姿に、昨日もある方から「寝ていますか」と心配するメールが届きました。現場の教師をしていた頃は休みもあったのですけど、〈たのしい教育研究所:RIDE〉を設立してからは、五年間休み無しですから、楽しくなくてはとても続けて行けません。
 わたしの場合には取り巻く環境に恵まれて、スムーズにこの活動に進むことができたのですけど、こういうことを〈いやいや〉やっていたら大変です。もしも〈起きている間はずっと同じ事を続けなさい〉となったら、大抵の刑罰はその前にひれ伏すでしょう。

 こういうことが普通にできる様になったのは、わたしの師の姿も大きく影響しています。宇宙教育を直接教えて頂いた 的川泰宣先生、日本の〈宇宙教育〉の第一人者です。そして仮説実験授業を創った板倉聖宣先生、空手の師 仲里周五郎先生。全員、その道に全力を投じた方たちです。

 的川先生は一緒にアメリカに授業しに行ったときの事、私たちが外を歩く合間にも、著書の原稿の校正をしていた程、さらに沖縄で私がいろいろなところを案内していたときには、日々のたくさんの仕事をこなしていたからでしょう、車内では寝ながら私の話に受け答えしていました。〈寝ているのに返事ができる〉つまり寝ているときもそれに全力投球している・・・

 ちょうど板倉先生が、ある事に全力を投じるという事について話をしています。メールマガジンで紹介した板倉聖宣の講演の一部を切り取って紹介しましょう。1991年に広島で語った内容を私が読みやすく編集し直したものです。

板倉聖宣、仮説実験授業研究会

 

 科学と芸術をいやいやながら作った人はいません。

 科学とか芸術とかいうものは、もともとたのしくできたものだからです。

 

 科学と芸術というものは全部たのしくやってきたものだから、全部たのしくできるはずなんです。

 

 もう1つ大切なことがあります。

 科学と芸術なんていうのは贅沢ものだから、知らなくたっていいということです。

〈知らなくてもいい〉という前提のもとで「たのしくやりましょう。たのしくできなかったらやめましょう」と、それでよかったんです。

 

 今は、みんなたのしくやってないということがわかるでしょう。

 

 みんながたのしくやってたら、それを見ている人たちは自分もやりたくなりますよ。

 

 私は科学の歴史が専門ですけれども、科学の歴史を見ていっても〈誰が何をがんばって研究しました〉という本が大部分で、〈科学者がどんなにたのしそうに研究したか〉ということは、はっきりしないことが少なくないと思います。

 

 芸術の本でも、芸術家がどんなに厳しい訓練をしたかということを一生懸命強調しているおかしな本があったりします。

 外から見たら厳しい訓練をしているように見えるかもしれません。しかしそうではない。

 

 私の仕事も、外から見たら厳しい様に見えるかもしれません。だって、たのしくてやめられなくなっちゃって夜も寝なくなっちゃうんだから。

 夜中に起きてやりたくなっちゃったら、睡眠不足になってくたばっちゃったりするでしょう。

 これをたのしくないのにやったら大変です。

 頑張り精神でやっているのか?

 そうじゃないんです。

 

 たのしいと、ついつい体のことを無視してまでやっちゃうんですね。

 外から見ると厳しい中で歯を食いしばっている様に見えるかもしれないけど、そうではないのです。

 

 ガリレオは真理を追求するために頑張りました。そして、真理を主張するために体を張ってやりました。

 何か厳しい生活をしたみたいなんですけれども、ガリレオという人は研究がおもしろかったから、自分の研究成果をみんなに知らせることが好きでしょうがなかったから〈地動説〉なんて言うと〈身の危険〉があることを知ってたんだけれども〈たのしさ〉には勝てなかった。

 それで身の破滅になっちゃった。

 しかし幽閉されてもたのしいことがやめられなくて、また本を書いた。

 本当はそうだと思います。

 わたしも、こういう人たちの元で学びましたから、なにしろ〈たのしく〉やっています。日本の南、沖縄の地で〈たのしい教育〉が広がって、日本一元気な県になる。そしていろいろなところから沖縄に教育を学びに来る。〈たのしい教育立県〉※立県:たのしい教育で〈県〉を立てる そういうことも幾つかの目標の一つです。

 今日も一人、明日も一人という様に、興味関心を持ってくれる方が増えていくことをたのしみにしています。1日一回の「いいね」クリックで〈たのしい教育〉を広げませんか-〈人気ブログ〉いいねクリック