春が来る頃にも寒さ振り返しているある日、たのしい教育研究所の玄関に大きな袋が置かれていました。開けてみると丸々としたジャガイモがたくさん入っています。今年になってジャガイモの美味しさを発見した私にとってとてもうれしいプレゼントになりました。
さっそくスライスして油で炒め、塩コショウをかるくふって味わってみました。
実においしいジャガイモです。
たのしい教育Cafewで、みんなにご馳走しようと思います。
ジャガイモといえば、以前「ジャガイモは根ではなく茎だといってよいのか」について板倉聖宣の文章を掲載しました➡︎こちら
それを読んでくれた中学生から、さらに質問が来た時に、こういうメールを送りました。
Aくんへ
Aくんも言う様に、ジャガイモもサツマイモも土に埋まっている部分なので〈根っこ〉だという見方や考え方は、ごく自然なことです。
それをはなから否定しても納得いかないでしょう?
私自身もそうでした。板倉聖宣もそうだったんです。辞書を調べると、こうあります。
〖根〗 コン・ね
1.草木のね。地中にあって、水分や養分を吸収する働きをするところ。また、ねもと。物のつけね。「草根木皮・大根・舌根・球根・発根」
〈草木のね。地中にあって〉という書き出しですよね。
しかし科学者たちが詳しく調べていくうちに「〈土の中にあるかないか〉が〈根〉かどうかの決定的な説明とはならない」ということがわかってきました。
ちなみに〈科学者〉というのは、Aくんやわたしたちと別な存在ではなく〈納得がいかない〉〈もしかすると、こうなんじゃないかな〉ということがたくさんあって、それを予想しながら確かめていった人たち、確かめている人たちです。
つまりAくんや私たちの味方なんです。
科学者たちが、いろいろ調べていくうちに、根っことはいっても、土の中ではなく、空気中に出ている〈根〉があることもわかってきました。
そうやって調べていくうちに、同じ〈いも〉と呼ばれていても、ジャガイモもサツマイモも、味や栄養以外に大きな違いがあることがわかってきました。
その一つが、太陽にあてた時のジャガイモとサツマイモの違いです。
サツマイモは、太陽にあてて干しているうちに美味しくなっていくというので〈天日干し〉をすることもあります。その時に特に表面の色が変わることはありません。
しかしジャガイモは違います。
左が太陽にあてていないジャガイモで、右は太陽にあてたジャガイモです。
色が大きく違っています。
こういうところからも「同じ〈地中〉にあるものでも、どうも違いがあるようだ」ということに気づいていった人たちが出てくるでしょう。
こうやって、ジャガイモは地下にある〈茎:くき〉で、サツマイモは地下にある〈根:ね〉なのだということもわかってきたのです。
「テストに出るから覚えておこう」的な知識ではなく、科学の歴史を丁寧にたどっていくうちに、こういうことも、腑に落ちていくことがあると思います。自分でもいろいろ関心をもって調べていってくださいね。
いっきゆう
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