人々の意見が違うことのすばらしさ|科学の碑

文学碑や人物を讃える碑、歴史上の出来事を記した碑など、たくさんの「碑」がありますが「科学の碑」というものがあることをご存知でしょうか。

新潟の湯之谷村の東養寺の敷地の中にそびえ立っています。

本格的な科学教育を目指す仮説実験授業の有志、たしか五十人くらいでお金を出し合って設立した「碑」です。その一人に沖縄からわたしも加わっています。

これがその科学の碑の写真です。
けっこう大きいのですよ。
右側の高い石碑で6mです。

科学の碑
「どうしてお寺に科学の碑が?」と不思議に思うかもしれませんが、もともとの仏教は、あの世とか天国・地獄や霊魂といったものの存在を想定していないので、科学と特に対立するものではないのです。

東養寺の住職「細井心円さん(故人)」とは、科学を共に学ぶ仲間でした。といっても心円(むねまろ)さんが大先輩です。
とても魅力的な人物で、科学の碑に行くというだけでなく、心円さんと語りあうことがたのしくて、お寺に行った時には夜遅くまで語り合っていたものです。
そこで心円さんから教わったことは、沖縄の「たのしい教育研究所」で脈々と息づいています。

お寺の本堂の近くには「科学の碑 記念会館」があります。
宿泊もできるのです。
雪どころですから、冬はあたり真っ白の美しい景色です。こんな時には、ほんの20mほどの科学の碑の元まで行くのに一時間くらいかかります。
いつだったか、講座に参加した時、心円さんに案内してもらって、雪の中を科学の碑に向けて歩いたことがありました。
心円さんの先導がなければ1時間以上かかったとおもいます。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA※科学の碑 記念会館のサイトより

科学の碑には、石に刻まれた「科学の碑 由来記」があります。
その文章がとても感動的です。

科学の碑2

 人類は科学によってはじめて〈人々の意見が違うことのすばらしさ〉を発見することができました。
 いろいろな人がさまざまな意見をもっていてはじめて、思わぬ真実が発見されてきたのです。そこで、科学は民主主義-少数意見の尊重と歩をーにしてきました。

 

うちの研究所の応援団の一人でもある 板倉聖宣(仮説実験授業研究会代表・日本科学史学会会長)が書いた言葉です。

「人々の意見が違うことのすばらしさ」は教育の中で大切に伝えていきたい一つです。
楽しい授業・たのしい教育の骨格でもあり、生き方の骨格でもあるからです。

その意味を込めて、研究所には

意見の違いは新たな発展へのチャンス

という言葉を掲げています!

 

たのしく元気な「たのしい教育研究所」です

 

本当の夢は 夢のままでは 終わらない!

前回書いた「たのしい教育研究所の歴史として」のおかげで、かつてのたのしい想い出がたくさん湧き上がってきました。

その一つ。

かつてNASAに派遣してもらった時、ヒューストンの巨大な施設の中で

Dream is Arvie.

というキーワードをたくさん目にしました。

とても記憶に残っていたので、NASAの話をいろいろなところでさせてもらう時に、その言葉を「夢は存在する」「夢は確かに在る」などなど、どう訳そうかと考えていました。

あまりしっくりいく言葉が見つからないので、自分なりにこう訳しました。そして、そのフレーズを今でも大切にしています。

Dream is Arvie.
本当の夢は

  夢のままでは
   終わらない!

研究所に来てくれる方達の心に届くことを期待して、研究所の玄関にある ウェルカムボードにはりつけようとおもいます。

書くのが上手いわけではありませんが心はいっぱいこもっています。

夢のままではおわらない

※「おわる」のおくり仮名が気になる人もいるかもしれませんが両方ありです

子ども達の夢と先生たちの夢
そして、たのしい教育を求めるたくさんの人たちの夢を
本気で応援する「たのしい教育研究所」です