三態変化のイメージづくり

 これは、たのしい教育研究所に学びにくる先生たちに「三態変化」のイメージづくりの授業をしているシーンです。わたし自身が子どもの頃「湯気は液体だ」と言う理科の先生の言葉に違和感を持っていたので、ビニールの中にBB弾を入れて、先生たちにみてもらいました。

 熱エネルギーを得て、物質は空気中に飛び出ていきます。その時に、原子分子が、となりとくっつかず、一個で暴れまわっているイメージが〈気体〉です。ビニールの中を飛び回っているBB弾をご覧ください、そのイメージです。ちなみに後ろに大きな分子モデルがかかっていますが、それが水分子です。その水分子が、一個で暴れまわっているわけですね。〈水蒸気〉とも言います。

 熱エネルギーが減っていくと、隣りの水分子とくっつきはじめます。
 湯気というのは、水分子が一個で暴れまわっているのではありません。何十万個・何百万個の水分子がくっついて、やっと〈湯気の白い一点〉を構成しています。それだけくっついていても、比較的軽いので、空気中に浮いていられるのです。

 何となく〈浮いているものは気体だ〉という様にイメージしてしまうことがありますが、水分子一個で飛び回っている〈水蒸気〉と、水分子が何百万個もくっいた状態で浮いている〈湯気〉とは状態を分けて考えています。
 水蒸気は気体で目に見えません。
 湯気はたくさんの水分子の集合体ですから、降ってくる雨がとても小さくなった状態、つまり〈液体〉に分類しています。

 ここのところは、子ども達に押し付けにならない様に、目に見えてくるイメージで伝えるとよいと思います。
 仮説実験授業には「三態変化」という画期的な授業書もありますから、いつかその授業も講座などでとりあげようと思っています。こちらの「いいね」クリックで〈たのしい教育〉を広げませんか-いいねクリック=人気ブログ!-⬅︎ジャンプ後のページに表示された記事もクリック!

たのしい自由研究、たのしい理科のフィールドワーク/キャベツ畑とモンシロチョウ

 子どもの頃、担任の先生に「モンシロチョウの幼虫はキャベツの葉しか食べません。みなさんは好き嫌いせずになんでも食べる子になりましょう」と教わったので、それをずっと信じていました。教師になってしばらくして、キャベツ畑でないところをたくさんのモンシロチョウが飛んでいるのが気になって、子ども達とフィールドワークした時に、実はそうではない、ということを発見しました。その頃やっていた〈サークル〉で発表すると、〈モンシロチョウの幼虫はキャベツしか食べない〉と思っていたのは私ばかりではなかったということを知りました。

 

 さて、某日、トックリキワタの実の採取(➡︎こちら)に行った時のこと、離れたところでモンシロチョウが飛んでいる様子が目に入りました。

 キャベツ畑なのかな、と思いなが行ってみると・・・

  ブロッコリー畑でした。

 モンシロチョウは〈アブラナ科〉の植物が大好きです。

 生活科や理科、総合的な学習などで、

「みんな〜、モンシロチョウの幼虫は何の葉っぱを食べるんだっけ?」

と問いかけて、予想を立ててもらうとよいでしょう。

ア.キャベツしかたべない
イ.何でも食べる
ウ.その他

 沖縄では、学校でもモンシロチョウを目にすることができると思います。たくさん飛んでいたら、その植物の葉にいるアオムシや卵をみつけることができると思います。

 問題意識をもって調べていくと

〈モンシロチョウはアブラナ科の植物が好きだ〉

ということを発見することになるでしょう。なので、ダイコン畑を飛び交うモンシロチョウ達もみつけることができると思います。

 予想を立てるといろいろなことが発見できます。それが〈たのしい自由研究〉につながります。たのしい自由研究こそ、本物の研究です。暖かくなってきた今日この頃、フィールドに出て、たのしいことをいっぱいみつけてください。こちらの「いいね」クリックで〈たのしい教育〉を広げませんか-いいねクリック=人気ブログ!-⬅︎ジャンプ後のページに表示された記事もクリック!

トックリキワタ ワタと散る/たのしくてたまらない自由研究

 「トックリキワタのワタが弾けています」という情報が入り、研究所のメンバーで収穫に出かけました。今回は〈たのしくてたまらない自由研究〉として〈トックリキワタ〉の綿について書いてみましょう。タイトルに〈たのしくてたまらない〉と書いたのは、私や研究所のスタッフが感じていることです。

 以前の記事で〈トックリキワタ〉の〈ワタ〉という言葉は、沖縄の方言の〈お腹〉を表現することばではありません、という話を書きましたが、いろいろな方達から反応が帰ってきていました。〈トックリキワタ〉の〈ワタ〉は「綿」のことです。

 研究所から車で五分ほどの場所にトックリキワタがあります。そこにはたくさんのワタが下がっていました。弾けて綿が膨らみはじめた実や、外の殻の中で綿がぎゅうぎゅうに押し詰められた状態のものや、その殻が落ちて、白い綿が見えているものもあります。

 おそらくここ一週間では、ほとんどなくなってしまうとおもいます。

 webサイトをいろいろ見ても、トックリキワタの実の成長の仕方について詳しく書いているところはありませんでしたから、ここに詳しくのせてみましょう。貴重な資料になるとおもいます。

 ワタが広がっているところが見えますか。
 子どもの頭くらいあります。

 すでに飛び散ってしまったワタもあります。
 近くに落ちたワタがこれです。
 中に、黒い丸が見えるとおもいます。トックリキワタのタネです。

 この状態から次第に前の前の状態(若い状態)に戻って見ていきましょう。いろいろな状態の実・タネを採ってきたので、その写真で紹介します。

 これが、ワタが広がる少し前の状態です。
 羊のようにモコモコしています。もちろん、覆っていた殻は落ちてしまっています。

 その前の状態が、これです。殻は取れて中の白い綿が硬くぎっしり詰まっています。中にはタネがいっぱい入っています。たまたま下に落ちていましたが、普通はもちろん木の枝についています。

 これは、もうあと少しで殻が落ちてしまう状態です。


  殻がもっとしっかり実を包んだ状態です。

    その前は、青い状態です。

 そしてこれが、身ができる前の状態、夏のころのトックリキワタです。

 逆戻りして、ワタになるまでを見てください。
 成長の流れがわかるとおもいます。

 タイミングが良いと、こういういろいろな状態のトックリキワタの実・タネをとることができます。

 ところで、ワタは、とてもふわふわしています。


 風をはらんで、遠くに遠くに飛んでいくためには、その方がよいのです。
   強い風が吹くと、ごっそりと飛んでいってしまいます。
 近くにあったら、ぜひごらんください。1日1度のここの「いいね」クリックで〈たのしい教育〉を広げませんか➡︎ いいねクリック=人気ブログ!=

小さな世界の魅力をさぐる研究会

 たのしい教育研究所の活動に注目してくださる方達は全国に増え、「会ってお話をしたい」という方が各地からやってきます、嬉しいことです。わたしのスケジュールがかなりタイトで、その期待に応えられない場合もあり、申し訳なく思うこともあります。今回は〈北海道〉から沖縄にやってきてくれた方がいました。科学の絵本を出している方ですが、本人の許可をいただいていないので名前は伏せておきます。
 わたしのスケジュールの関係で研究所までご案内できず、那覇市でお会いしました。〈たのしい教育の普及〉にかかわる話と、〈小さな世界をたのしく探る〉をテーマにした研究会を開きました。
  わたしは〈ライトスコープ(ナショナル製)〉や〈たの式けんび鏡〉を持参し、その方が持って来てくれたいろいろな試料の観察をしました。

 顕微鏡の倍率というのは何のことか、というところから始まって、切手の色、コクゾウムシ、コルクの細胞 etc.

 途中で雨が降り出し、喫茶店の中に移動して研究会を続けましたが、小さなテーブルの上に収まらない材料や試料なので、代わる代わるに広げつつ研究会はすすみます。

 これはベニモンアゲハの鱗粉を採取して観察する場面です。

 休憩なしで6時間ぶっ通しでの研究会でした。

 いろんな専門の方からたくさんの教材や専門的知識を得て、それを目の前の子ども達や先生方に、感動するものとして伝えていこうと思います。

 また、こうやって全国の方たちに注目されるようになってきた〈たのしい教育研究所〉という社会的な実験結果を、ますます豊かな活動につなげていきたいと思っています。1日1度のここの「いいね」クリックで〈たのしい教育〉を広げませんか➡︎ いいねクリック=人気ブログ!=
 今回の研究会の内容は来週のたのしい教育Cafeで取り上げてみたいと思っています。ご期待ください。