猫と一緒に散歩をたのしむ/計画していないことが起きるのが〈暮らし〉で、それをたのしみにかえていけるのが〈人間〉

 たのしい教育研究所のウェルカム担当ア~ルは外が大好きで、朝、研究所の窓を開けると、こうやって外を眺めるのが日課です。そしてその後、散歩することも欠かせなくなってきています。

 ア~ルと歩くと、外にはいろいろなにおいに満ちていることがわかります。
 少し歩いては鼻を近づけ、また少し歩いては鼻を近づけ・・・
 ア~ルは数メートル歩くまでにこの動作を何度も繰り返します。


 いろいろな音に囲まれていることにも気づかされます。

 鳥のさえずり
 セミの鳴き声
 風のそよぎ
 木の葉の落ちる音
 犬の遠吠え
 車のタイヤの音
 最近は選挙の宣伝カーが発する大きな声もよく耳にします

 ア~ルはその音に歩みを止めたり、顔をあげたり、身体を伏せたり・・・
 一つ一つの音に敏感です。


 はじめの頃は音や人や他の生き物にとても驚いて走り出してしまうこともあったのですけど、最近は慣れて来て、わたしは本を読みながら歩くこともできる様になりました。


 慣れたあかしかもしれません、動きがないなと思ってア~ルを見ると、木などにのぼって私を眺めていることもあります。


 ア~ルは二ヶ月前、危ないところをうちの家族に保護されてやってきました。そのままだと命を落としていたでしょうから、とてもよかったと思います。

 突然やって来たにもかかわらず、ア~ルのおかげで、研究所にはこれまでなかった様な〈たのしさ〉も広がっています。
 研究所によく顔を出してくれる人たちは、ア~ルの顔を見にくるのもたのしみにしてくれています。
 ア~ルは訪ねて来た人をウェルカムスペースまで迎えに行ってくれますし、教材づくりなども、ア~ルがいろいろな素材で遊びまわるので賑やかです。
 忙しさが加速するうちに、ほとんど散歩に行くことができなくなっていた散歩も、ア~ルのおかげで復活。

 わたしは歩くのがとても早いので、ア~ルの進み方でゆっくり自然を感じながら歩くことは少ないのですけど、それが普通になりました。

 研究所に戻ってわたしはまたたくさんの仕事をこなす。
 ア~ルとは私の足元にある専用のベッドで寝ています。
 阿波踊りの様な姿勢ですけど、背伸びとかアクビをしているわけではなく、この状態で何時間もすやすや寝ています。

 もともとの計画になかった様なことが起こるのが、私たちの暮らしです。そして予期しないことが起きても、それをたのしみにかえていけるのが人間なのです。

 今日は、あと二つほど仕事をこなしたら、また散歩に出ようと思います。

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たのしい教育の発想〈正義より真理を〉 板倉聖宣「自分が正しいと思うことは主張すべき」という質問に対して

 久しぶりに〈たのしい教育の発想法〉をお届けします。板倉聖宣が「自分の生き方については正しい事を主張しなくてはならないのではないか」という質問に対して語った言葉です。1987年の仮説実験授業入門講座のナイター講演会での一コマです。
 随分以前の私いっきゅうのレポートで紹介した内容です。

 この写真は2010年に沖縄で開催された仮説実験授業研究会の全国大会でのナイター講演の時、板倉先生が〈何か話して欲しいことがあれば手をあげて遠慮なく出してください〉と語りかけた時の写真です。

板倉聖宣-講演の最後に-
 今回の私の話、かなりわからないことがあったと思うので、ご意見とかご質問とか反論とかあれば、お願いします。

 

質問
自分の生き方につながって来た時には、やっぱり正しい事を主張しなければならないとおもうんですが

[板倉]
 主張するのはいいね。
 と同時に「自分の正しいと思っている事が怪しい」って事も分かっていないと怖いね。
 例えば、戦争なんて全部「正義」から起こるんであってね、だから正義を主張する事は素晴らしいと同時におっかない事だと分かってないいと怖い。
 ボクは正義派です。正義はというのは硬直化してます。だから闘えるでしょう。けれどボクは、正義の怖さも知っています。
 自分が正義だと思うから主張する。それはは結構だけども、同時に正義派ほど怖いものはない、ということを知っておきたい。

 ボクは数年前から主張しているんだけども、最近、外国でも気がついたようで、「正義論の系譜」なんていう本が出たんです。「世の中を悪くしたのは正義だ」というんです。

 だいたい〈宗教っていうのは素晴らしいもんだ〉っていう考えがあるでしょ。でも宗教があるから戦争が起こるんでしょ。
 カソリックのアイルランド問題とか、カソリックとプロテスタントとか、すごい争いだよね。
 アラブでね、またイランとイラクがやっているでしょ。
 大変なんですよ、両方とも正義を主張しているから。

「正義を主張する若さが欲しい」ということにボクは全面的に支持なんです。けれど〈その正義は非常に危ないのだ〉という事も同時に伝えたい。

 自分が正義だと思ったら、その人は対外他人にそれを押し付けてしまう。これほど怖い事はないんです。

 自分が正義だと思ったら、すごくセーブする心をもって欲しい。

 だから〈正義より真理〉を持ってほしい
 真理は絶対に押し付ける必要はない。押し付けてわからせるようなら、それは真理じゃない。

 だからボクは正義が嫌いなんです。
 真理でいって欲しい。

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たのしい教育cafe9月は来週9/12 Open!

 月に一度RIDE( ライド:たのしい教育研究所 )が一般の方たち向けにオープン講座を開催しています、それが「たのしい教育Cafe」です。その名の通り美味しい珈琲もあります。学校の先生たちだけでなく、地域での教育を考えている方、将来教育関係の仕事を目指している方、家族でたのしみたい方など、高校生以上なら参加可能です。
 10名くらいの少人数なうえに、たのしい教育研究所に来る人たちは、みんなたのしいことが好きな子どもの感性をもっているので、一人で参加しても寂しい思いをすることはありません。何より、そこで紹介される授業、ものづくり、読み語りなどがたのしいので、すぐに周りの人たちと打ち解けてしまうと思います。

 毎月のはじめの頃に、担当のI先生から、それまでの講座に参加した方たちを中心に案内が送られてくるのですけど、1日2日で八割方が埋まってしまいます。興味のある方は、早めにお申し込みください。

たのしい教育研究所よりご案内のおたよりです。

みなさんお元気でしょうか。
日中はまだまだ暑いですが、朝夕はだんだんと涼しくなり、過ごしやすくなってきましたね。

学校も始まり、元気いっぱいの子どもとの日々、たのしんでいきましょう^ ^
保護者の皆さんは、いつもの生活にもどったという感じかもしれませんね。
 
さて、毎月一回の〈たのしい教育Cafe〉をご存知でしょうか。
たのしい教育研究所の講座を小規模にした様なたのしい集まりです
もちろん美味しいコーヒーや簡単な食べ物も準備しています。
 
学校や地域ですぐに使うことができる様なたのしい教育の教材を本に構成して、生徒になって体験してもらっています。
「たのしい教育を実践したい」と考えている方(高校生以上)なら誰でも受講可能です。
10名程度のフレンドリーな規模で実施しています。人数に達するとお断りすることになりますので、希望する方は早めにお申し込みください。
 
 
9月たのcafé(予定)
① たのしい授業プラン(Tera先生)
②「たのしい教育の発想法」 (いっきゅう先生)
③「たのしい国語」(Miyu 先生)
④ わくわく読み語り (Mie 先生)
⑤  うまくいった、うまくいかなかったコーナー
★プラス 自由発表
 
日時:9月12日(水)
          OPEN 18:30 〜21:30(片付けまで)
場所:たのしい教育研究所第三ラボ(登川マクドナルド近く)
  わからない方は事前にお問い合わせください
参加費:1,350円(飲食費、教材費込み)
 
参加ご希望の方は、こちらのメールに返信のうえ、お名前のご記載をお願いいたします。
講師の先生の準備もありますので 9月9日(日)までに連絡をお願いします。
 申し込み人数によっては、期日前に定員に達し、おことわりする場合もあります、ご了承ください。
申し込みこちら
 
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研究所のたのしい教育で育った子ども達/アシスタント候補のAくん

 私いっきゅうは、講座などではスタッフのサポートが入りますが、海外、県外、県内離島など、離れたところでは、わたし一人で授業しています。
 わたしは長年、学校で教師をしていました。
 教師にはアシスタント(助手)はいませんから、それはある意味、普通のことです。

 教師がアシスタントが欲しい時にどうするか?
 子どもにアシストをたのみます。

 教師をたとえば〈炎を使う実験〉の時

わたし

「YくんUくん、万が一、火が何かにうつった時のためにバケツに水汲んでいつでもかけられる様に、消防士の役、お願い」
YくんUくん

 「ラジャー」

という感じです。
 そのうちに子ども達から「先生、消防隊を作ろうよ」という話が出て係活動になり、いちいち頼むこともなくなりました。

 研究所への依頼授業で遠くに出かけていき、一人で授業しなくてはいけない状況でも同じです。
 必要な時には、参加してくれた方に
「これ持っていてくれませんか」
という様に頼むのが普通です。

 たとえばこの写真。
 左から二番目が私、その向かいにいる参加者の方にヘルプをたのんでいるシーンです。


 アシスタントといえば、最近こういうことがありました。
 たのしい教育研究所には先生や保護者の方に連れられて、子どもたちもやって来ます。
 Aくんはこれまで研究所のたくさんの講座を受けてくれた子です。
 科学的に考えることだけでなくスポーツが大好きで、県の大会で優勝する様な子です。
 Aくんに「これまでたくさんの講座を受けているので、そろそろいっきゅう先生の助手として働くのはどう?」という話をしたら
「やりたい」とのこと。

 さっそく助手用のコスチュームを着てもらったら、けっこう似合っていました。なにやらポーズを決めていますけど、私には何のポーズかわかりません。


 この姿をみたスタッフのYさんが
「いっきゅう先生もAくんも探し物が得意じゃないから、授業の時に二人で〈あれがない、これもない〉と探し回ってばかりで授業にならなかったりして」
 とつぶやくと、みんな大笑いでした。

 まあしかし、いつか研究所の授業でデビューするかもしれません。
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