全員合格してもらう

 教員試験突破で〈いっきゅうoffice〉に学びに来てくれる人たちがいます。コロナ対策で外に出るのが難しくなった方たちに向けて、リモートで問題特訓をしています。もちろん、わたしの前で解き方を学ぶに越したことはないにしても「目の前で受けている様です」という評価感想がいくつも届いているので、十分効果があがると思っています。

 これは湿度を測定する画期的なツール〈乾湿計〉について説明しているところです。

 パソコンの画面には、食い入るように見つめている受講生がいます。

 100均の温度計が2本あれば作ることができる画期的なツールです。
 こういいう表を利用して、おおよその湿度を知ることができます。


 研究所にあるアナログの湿度計は「万円」の価格がついていたものです。クラシックなものなので今でも高いかもしれません。それを手に「こういうものだよ~」と伝えているところです。


 以前から通信指導を受けたいという人がいたので、今回のシステムを今後広げていこうと考えています。

 コロナの混乱はなかなか収まりそうにありませんが、こういう時こそ元気にたのしく、未来を見つめて活動していく必要があります。
 未来を見据えて元気に突破できる人たちをどんどん育てていきたいと思います。

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日本で43万人が死亡するという試算について(つづき)科学的な見方考え方とは

 前回からの続き、今回の新型コロナで〈対策なければ85万人が重篤化し、42万人死亡する〉という数字は信じるに足るものなのか、という話です。※科学的な見方考え方を身に着けるために書いているもので、誰かを傷つける意図はありませんから、この説を出している人物の名前は伏せておきます。

 たくさんのマスコミが見守る中、政府の対策チームの中枢にいる医者から発表された43万人死亡説なので、日本中に衝撃を与えることになりました。

 では42万人死亡するという試算について、具体的にみていきましょう。

 前回の記事に書き抜いてありますが、主張の中心人物は
「試算は新型ウイルスに対して丸腰だった場合の数字」であると語っています。

 丸腰という表現自体、科学的なものではなく文学的表現です。〈丸腰だった場合〉というのは具体的に何を示しているのかわかりません。
 
 そもそも表題の「対策なければ」、の対策とは具体的に何のことをいっているのでしょう。
・マスクをしていない場合 がそれなのでしょうか
・休業する会社や店がない場合 をいうのでしょうか?
・人との接触を絶って、みんなが家から出ないようにしていること なのでしょうか。

 個人の努力によって社会的なものを改善しようというのは、根本的な改善とはいえません。社会全体のシステムとしての取り組みで、世の中は良くなっていくのです。
 この主張の中に「病床を増やす」「検査数を増やす」「人工呼吸器を増やす」という医療的な対策、システムとしての対策は全く入っていないようです、不思議なことです。

 さて、科学的であるかないかを決定づける重要な命題は「反証可能性」です。
 その主張が正しいのか間違っているのかを決定づける基準がないものを〈科学的〉とはいいません。

 つまり「対策をしなければ」という様な漠然としてた主張からして、この発言は科学的なものとはいえないのです。ということは信頼に足るものとはいえないのです。

 仮に「人との接触を8割絶って家から出ない状況にならなければ85万人が重篤化し24万人が死亡する」という主張だと善意で読み取ったとしましょう。
 では〈人との接触を8割断つ〉ことを日本全体でどう測定するのかという問題があります。
 人との接触を8割削減する理解した時にも「いや、これはまだ7割絶っているとしかいえない」とか「すでに8割断つことに成功している」ということを何で測定するのかわかりません。
 会話時間でしょうか? 文字通り〈接触〉でしょうか? それとも半径○○メートルにいる人の数でしょうか。だとすると、公園で散歩する人たちは、その周りにいる人たちをどれくらいカウントすればよいのでしょう。

 私の感覚では、2020年4月24日現在、日本が全体として人との接触を8割絶っている様には見えませんが、4~5割は絶っている様な感じがします。私の知っている学校関係者を見ると、学校で毎日何百人と8時間程度接触していた人たちが、10人程度の接触になり、その接触時間さえ、半減していますから、教育関係者は軽く1/100くらいの接触になっています。板倉聖宣から教わったことですけど、職種でいえば、日本で最も多いのが〈教師〉です。その教師が1/100の接触に激減しているわけです。減っていないという人たちがいても、平均すればかなりの減少になるでしょう。
 しかしその感じさえ、人によって異なります。

 では一歩すすすめて、4~5割減っていると仮定すると42万人の半分〈20万人くらいが死亡する〉と予測して怯えなければいけないのでしようか?

 重箱の隅をつついているのではありません。その主張を正しいとうけとっても、正否をどうジャッジすればよいのかわからないのです。

〈この薬を服用することで咳の症状が8割改善する〉とか〈半分の人が改善した〉というのが科学的な主張です。
 正否の基準を示しているのかどうかが決定的なのです。

 この人物は善意で警告を鳴らそうと思ったのでしょう、しかしこういう論拠のない主張で人々がパニックになることの方がずっとキケンなのです。

 せっかくですから、たのしく賢くなるためにもう少し続けましょう。

応用問題1
 前回の記事内のサイトに
「人と人の接触が8割減れば、15日後に感染者が十分に減少し、1カ月で効果を確認できる」と書かれています。

 この主張は〈科学的なものだといえるかどうか〉考えてみてください。

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 一ヶ月後という経過時間はわかります、しかし「十分に減少し」っていうのは、どのくらいのことなのか、さっぱりわかりません。
 これは文学的な表現であって科学的な表現ではないのです。
 文学は個人的な感覚ですから、自由ですが、それを科学的なものの様に語っては困ります。

 

応用問題2
 同じ記事には「海外の例を基に、1人の感染者がうつす人数を2.5人と仮定した」と、しっかり数字が出ています。
 この話は科学的なものなのか、どうすればわかるでしょう。

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 はっきり数字が出ているものに関しては、自分でその数字の源をたどる必要があります。
 いくつか調べてみましょう。私が調べていくと

新型コロナウイルスに関する一考察(1)
:重要な3つの変数「基本再生産数」「致死率」「今後の死亡者数の月次推移」

という記事にたどり着きました。
医学関係者ではなく経済学の教授が書いた記事だということもあるでしょう、こちらが知りたいことをはっきりわかりやすく書いてくれています。

https://www.rieti.go.jp/jp/columns/a01_0568.html

 「基本再生産数(R0)」は、感染力の強度を示すもので、一人の感染者が(免疫の獲得あるいは死亡で感染力を喪失するまで)平均的に何人に感染させるかを表す値である。

風疹は12~18、天然痘は5~7、通常の季節性インフルエンザは2~3であり、事後に推定結果が変わる可能性もあるが、WHOは新型コロナウイルスの基本再生産数(R0)を1.4~2.5の範囲と推定している。

 43万人死亡説の論拠は文学的な推測である中で、私が目にした唯一の数字は、WHOが出した数字の最高値を用いていました。
 その数字を「海外の例を基に」と語っているので、読む人は「海外ではそうなんだ」とか「平均するとそうなんだ」とカン違いするかもしれません、しかしWHOが想定する最高値を利用しているのです。
「○○の例を基にした」といいながら、その最高値を持ってくるというのはどういうことでしょう。たとえば「隣のクラスの読書冊数を基準にして一月20冊としました」といっておきながら、その数字は隣のクラスで最もたくさん読んでいる子の読書冊数を示しているわけです。隣のクラスを基準にしたというなら、せめてその平均値や標準偏差などで説明する必要があると思うのですけど、どうでしょうか。

 「その最高値」をもってきて、あたかも、海外ではそうなんだと思わせるところも納得いきません。

 ところで、数字の確からしさをたどったおかげで、私が以前からもっていた〈新型コロナはインフルエンザより感染力は低い〉という予想を裏付ける根拠の1つにももたどりつくことができました、「棚からボタもち」です。季節性のインフルエンザの感染率2~3、新型コロナ1.4~2.5です。私はこの新型コロナの数字は、感染者全体の母数が明らかになっていく中で、もっと下がっていくと予想しています。

 いずれにしても、いろいろなニュースに一喜一憂せず、ハブに噛まれてさえ落ち着くことです。
 そして、自分で予想を立てて、科学的に考えてすすめていきましょう。
 そういう力を子どもたちにも身につけてもらう教育、それがたのしい教育です。ますますその意義を強く感じている今日この頃です。
 こういう時だからこそ、一緒に進んでくれる人たちが増えてくれたらと思っています。
 みなさんができることの大きな1つは、「このサイトいいよ」と広めてくれることです。

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対策をしない場合42万人が死亡する、というニュースについて

 先週のメルマガで板倉聖宣が学生時代に書いた「誤謬論/ごびゅうろん」を紹介しました。誤謬というのは〈カン違い〉などの簡単な間違いではなく、論理構造的な間違いのことです。

 「誤謬論」は、人間はどうして〈お祈りすれば病気が治る〉という様なことを信じてしまうのだろう、ということを正面から論じた名作です。
 間違いにおちいらないこと、それは生きていく中でとても大切なことです。社会全体でみると、それはさらに重要度を増していきます。

 さて4月15日にメディアが大々的に報じた

<コロナ緊急事態>対策なければ42万人死亡

という数字があります。

 日本のコロナ対策の中枢部にいる厚労省関係から出され、たくさんの人たが衝撃を受けたようです。

 こういう数字を出すと、大変だ大変だとなってしまう人たちがたくさん出てきます。何しろテレビでいうことは正しいと思ってしまう人たちがいるからです。

 新型コロナは味覚や嗅覚の異常が出てくるのが特徴だというので、某出版社の編集長さんが「アップルパイを食べて苦かったので、これはコロナかもと慌てた」という話をしていた様です。これでは、まずい料理を作ってしまうと、コロナショックに陥る人が出てくるわけです。結局アップルパイに入っていたりんごが、熟す前で、予想していた味ではなかったので、慌てたということだったようです。

「42万人が死亡する」というニュースソースをさらにたどってみると。

人と人との接触を減らすなどの対策を全く取らない場合、国内で約85万人が重篤になるとの試算を公表した。うち約42万人が死亡する恐れがあるという。

https://medical.jiji.com/news/30872

 とあります。

 緊急事態宣言で人との接触を8割減らしましょう、と叫ばれました。その論拠になっているのでしょう。

 前述の記事はこう続いています。

○○教授は「試算は新型ウイルスに対して丸腰だった場合の数字。人の接触を大幅に制限すれば流行を止めることができる」と強調。接触を8割減らせば約1カ月で流行を抑え込めるとの見方を改めて示した上で、現状は制限が不十分だとし、「大変危険だ」と述べた。

 さて、この話はどの程度の確かさをもっていると考えればよいのでしょう。

 こういう時にも予想が決定的に大切です。
 この話に対する皆さんの予想が当たっていても、間違っていても賢くなることができるからです。

 みなさんはこの中からどれを選びますか?

 ア.ほぼ間違いないだろう

 イ.半分くらい正しいと思う

 ウ.かなり間違っていると思う

 エ.その他

  どうしてそう予想しましたか?

 ぜひ皆さんの意見を聞かせてください。

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最新メルマガの紹介

 ブログで有名な人物の言葉として「毎日1万文字綴り続けることがどんなに大変なことか」という話が紹介されていましたが、私いっきゅうはメールや論文ドクター、このサイト、合格スーパーバイズの資料など、毎日1万文字綴っていると思います。書くことは快感で、いくらでも書いていたいので、たとえばメルマガも1万字以内に止めようと思っているのですけど、未だ達成できません。

 さて、最新のメルマガを送りました。
  この時も快感です。

 メニューを紹介しましょう。

 

 今回とりあげた1つ〈ゴミ清掃員の日常〉は、サイトの読者の皆さんにもおすすめです。

 メルマガの文章をほんの少し紹介しましょう。

※ ※

A先生から紹介された一冊を持って公園へ。
 タイトルは〈ゴミ清掃員の日常〉。

 

著者:滝沢秀一 滝沢友紀
発売日:2019年05月
発行所:講談社
価格:1,100円(税込)
ISBNコード:9784065156728

 著者はマシンガンズというお笑いコンビの一人、滝沢秀一さんと奥さんの友紀さん。

 

 私がクラスを持っていたら間違いなく学級文庫の一冊として購入していたと思います。
 読みきりなので、手軽に味わえますよ。
 ちなみに私の学級文庫は貸し出しもしていて、親子でたのしみましたという感謝のたよりも時々来ていました。帰る時に借りて、翌日は持ってきてもらいます。不思議と返却忘れはありませんでした。
 県内の学校で貸し出し冊数を競っていた頃があって、学級文庫の貸し出し冊数も加えてカウントしてよいことになったので、うちのクラスはほぼ一位くらいになっていた記憶があります

 どうしてお笑いの滝沢さんがゴミ清掃員になったのか?
 予想がつく人もいると思いますけど、こういうわけです。

 

 お笑いライブでのギャラが315円・・・
 これは暮らせません。
 滝沢さんはつてをたどってゴミ清掃員として働くことになりました。

まだまだつづく

 

心動いた方は、購読をおすすめします。

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