シロツメクサ(クローバー)の魅力① 合弁花・離弁花の分類

 たのしい教育研究所によく顔を出してくれるT先生から「公園を散歩している時、シロツメクサがたくさん咲いていたのですけど、それが合弁花か離弁花か気になって調べてみました」という興味深いメールが届きました。みなさんはどう思いますか?


 わたしはシロツメクサが〈○○科の植物〉であるということを知っていたので、間違いなく答えることができますが、けっこうおもしろい問題だなと思うので、今回はそれについて書きましょう。

 少し長くなりそうですから、わけて書くことになると思います。「長くても一気に」と感じる皆さんもいると思いますが、小・中学生の皆さんの中にも、このサイトを見てくれている方がいますし、長いと、全体の要点も分散してしまうことになる、ということがあります。お付き合いください。

 合弁花なのか離弁花なのか、という問題は、ふつうに暮らしている中では問題になるものでないと思います。植物をもっと深く分類していこう、〈形的〉な違いを発見していこうという時に、合弁なのか離弁なのかが問題になります。もちろん高校入試でも問われることが多いですし、小学校の教員採用試験や公務員の一般教養としても問われることがあります。

 合弁花・離弁花の意味。
 合弁花・離弁花の分類は、まず植物を〈単子葉植物〉と〈双子葉植物〉に分類して、その中の〈双子葉植物〉をさらに〈合弁花〉〈離弁花〉に分けて見ていく考え方です。

〈花びら〉のことを生物学的には〈花弁〉と呼びます。
 ですから、合弁というのは花びらが一枚ずつに別れず、合わさっているという意味です。たとえばこのキキョウの花がそうです。花占いをする様に一枚ずつとることができず、ぼとりと全部を取ってしまうことになります。くっついている状態だからです。

 離弁花。
 それに対して離弁花は、一枚ずつ取ることができます。

 そうやって双子葉植物の花が合弁なのか離弁なのか分けていく中で、「バラ科の花は全て離弁花」「キク科の花は全て合弁花」という様にわかる様になってきました。
 ですから「これはいかにもキク科の植物の様に見えるけれど、花びらが離弁なので違う種類に違いない」という様に見て行くことができる様になるのです。

 次の質は、先生方にも間違う人が多い問題です。

質問:先ほど〈双子葉植物〉を〈合弁花・離弁花〉という様に分ける考え方だと書きましたが、〈単子葉植物〉には〈合弁花・離弁花〉に別れないのでしょうか?
考えてみてください。

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 単子葉植物の花も〈合弁〉なのか〈離弁〉なのか区別することは可能です。しかし、そうやって分類しないのは、単子葉植物の場合には、同じ科の植物であっても、合弁花であったり離弁花であったりするので、分類しても、その植物を特定(同定)するために役立たないからです。
 たのしい教育研究所のウェルカム・スペースの花を見ながら具体的に説明します。

 たとえば単子葉植物〈ユリ科〉の代表的な植物である〈ユリ〉は、花びらを強引に引き剥がすことはできるとはいうものの、普通の状態だと一つにぴったりとくっついています。研究所のウェルカムスペースのゆりです、ごらんください。 ところがそのユリの左にある、同じ〈ユリ科〉のカサブランカ(サクラ色の花)は、花びらが一枚ずつにわかれる花です。ごらんください。

 単子葉植物の花も〈合弁〉なのか〈離弁〉なのか分類することはできますが、そうやって分けても、何科の植物なのかを同定することに役立たないので、あえて分類することはない、ということです。

 前半の〈合弁花・離弁花〉の区別について、イメージしていただけたでしょうか。次回をおたのしみに。1日一回の「いいね」クリックで〈たのしい教育〉を広げませんか-〈人気ブログ〉いいねクリック⬅︎ジャンプ先のページでもワンクリックお願いします

 

たのしい教育Cafe5月 もりあがる!

 今日は一ヶ月ぶりの〈たのしい教育Cafe〉の日。
 研究所は大にぎわいの日です。
 ずいぶん久しぶりの感じがするのは私だけではなかった様で、多くの人たちが「待ち遠しかったです」と言っていました。

 いつもの様に、かなりボリュームのある内容でした。

 今回は〈たのしい読み語り〉でNさんが、やなせたかしの「やさしいライオン」というお話を読んでくれました。

 参加者の中には、幼い頃〈ミュジカル〉で見て子ども心にも泣いてしまっていた、という話をしてくれる方もいました。みんなしみじみと聞いていました。

 仮説実験授業の授業書「たべものとうんこ」もたのしみました。
 いろいろな意見が飛び交い、笑いの中でも、環境のことを生物の循環の中で考えることができる授業です。

 他にもたくさんの発表があって、それぞれ充実していました。

 また紹介させていただきます。おたのしみに。

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アメリカフウロのとっても楽しい〈タネ飛ばし〉-動画つき-

 アメリカフウロの話を以前書きましたが、その続編として〈とってもたのしいタネ飛ばし〉について紹介しましょう。楽しすぎてついつい時間を忘れてしまうと思います。
 アメリカンフウロはヨモギに似た葉をもつ目立たない小さな花です。

 たの式けんび鏡で覗くと、とても可愛い花だとわかります。

 花が散るとタネができます。アメリカンフウロはとがった鼻の様な形をしています。

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研究所に積んできました。

 このタネがたのしいのですよ。
 子どもだけでなく、大人もたのしむと思います。

 アメリカフウロはまるで〈ダビデとゴリアテ〉の話に出てくる〈石投げ〉の様にしてタネを遠くに飛ばすのですよ。

 くるりと巻いた様になっている部分はタネが飛んでいった後です。

 まだクルリとしていない部分は、タネを飛ばす前です。

 下から爪で軽く押し上げると、ピョンと勢いよく飛んでいきます。乾燥の度合いにもよりますけど、かるく3〜4は飛んでいきます。ただし、とても早いので、どこに飛んでいったのかよくよく注意しないとわかりません。
 これは研究所でたのしんだ時の様子です。
 スロー再生していますけど、飛んでいくスピードがとても早いので、目を凝らして見てくださいね。

 家族でもたのしめると思います。1日1度のここの「いいね」クリックで〈たのしい教育〉を広げませんか➡︎ いいねクリック=人気ブログ!=ジャンプ先でもワンクリックお願いします!

自由研究のテーマにもおすすめ:たのしい教育研究所のたのしいウェルカムスペースは魅力的(後編)

 前回の記事の続きです。まだ読んでいない方は一つ前の記事を読んでから戻って来てくださいね。今回の記事は夏休みの自由研究でもたのしめるテーマになると思いますよ。
 
さてみなさん、写真に何か生き物が写っていましたか? 

 実は、ちゃんと写っていたんです。
 葉の陰に隠れたりしているわけでも、端っこにちょこっと写っているわけでもありません。見たことのない生き物ではなく、野原でけっこう見る虫(昆虫)です。
 もう一度、わたしが朝の花に魅せられて撮った写真を掲げてみましょう。「虫(昆虫)がいるにちがいない」と思って探してみてください。

 少し近付いてみましょう。
 どうでしょうか、何か見えてみましたか?

 さらに近づいてみましょう・・・

 そうです。ユリの花の下にカマキリがいたのです。

 こうやって確認してから、さっきの写真に戻ってみましょう。ホラ、見えるでしょう。

 私は目の前で花を見ていたのに、カマキリに気づかなかったのですね。〈見る〉ということはとても〈能動的〉なものなのです。わたしの脳は〈花の美しさ〉を積極的に見ていて、中心にしっかり存在していたカマキリに気づかなかったのです。それにはもう一つ、昆虫たちの〈保護色〉も大きく作用しています。

 自由研究のテーマとして、今回の記事で私がやった様に〈さて、この写真の中にいる昆虫は何?〉という様なまとめかたをすると、クラスでいろいろな友だちが喜んでくれるものになると思います。興味のある人はやってみませんか。1日一回の「いいね」クリックで〈たのしい教育〉を広げませんか-〈人気ブログ〉いいねクリック⬅︎ジャンプ先のページでもワンクリックお願いします