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  • ミックスされることで進化する

     前回の〈沖縄のミックス文化のすばらしさ〉の話を書きながら、師の板倉聖宣が語った話を思い出していました。
     板倉聖宣は歴史の中で物事の流れを読み解いていくことがとても得意です。実はもともと科学史の専門家なのです。

     古代原子論が広がっていくことについて、この様に話しています。

     普通に考えるよりも,日本人は外国から早く知識を入れています。
     例えば「古代原子論」です。
     古代の原子論は仏教を通じて日本に入って参りました。
    「空」という概念です。

     古代ギリシャのものが,インドのものになり、それが仏教の世界に入って「空」の世界となった。
     古代インド人はギリシャ人よりもさらに「空」の概念が好きです。

     古代ギリシャ人は〈真空〉という概念だけであきらめましたけれども,古代インドの仏教哲学者たちは「〈空〉っていのはおもしろい。〈空〉というのは悟りがいがある」ということで,古代のお坊さんたちは空海なんて名前を付けたり,吾空という名前を付けたりしたのです。

     古代のインド人は,空という概念が好きだから,これを元に算用数字ができたんですね。
     「0」の記号ができた。
     仏教思想の空の概念と無の概念、そういうものを扱うようになった。
     世界の文化は行ったり来たりしているのです。

     古代の原子論も、近代になって入って来た,あるいは,せいぜい蘭学と一緒に来たという様な気がするけれども,古く、仏教とともに入っている。

     ちょっと,信じがたいくらいにいろんな文化は交流して来ているのです。

     世界史というのは最近に始まったことではなくてうんと古いのですね。
     それで,世界の文化は広がってきたんです。

    1994年6月11日大阪

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