たのしいジャガイモのお話の続きです。たのしいお話は賢くなるお話です。前回のページをまだ読んでいない方は、一つもどって予想を立ててからこのページを読んでください。
「ジャガイモの実の絵を描いてみましょう、というと、みんなこういう絵を描きました」そして、実はそれは実では無い、という話の続きになります。
小学生の質問コーナーのサイトに
「どうしてジャガイモは、根のところに実がなるんですか?」
という項目が上がっているのを見たことがあります。
「食べられるものを実と呼ぶ」というように考えて、そう使っている人たちもいるかもしれません。しかし〈科学のことば〉として整理すると「ジャガイモ」は実ではないのです。
ミカンの実は、みなさんがスーパーなどで買って食べているミカンです。中にはタネが入っています。
タネというのは、大きさや形のいろいろな違いはありますが、それを土の中に植えると芽が出て、その植物として成長していく粒状のものです。
ジャガイモを切っても切っても、タネらしいものは見つかりません。
そうすると、いろいろ知っている子は
「先生、でもジャガイモを切ったものを〈タネイモ〉っていって、植えるとそこからジャガイモの芽が出てくるよ」
という話をしてくれることがあると思います。
また「タネなしリンゴとかあるよ」という子もいるかもしれません。
そういうところは、とてもたのしい知識にあふれていますから、ぜひ自分でいろいろ調べてみてください。
今回の話は「タネイモ」や「タネなしリンゴ」などの話ではなく《ジャガイモの実とタネ》の話にしぼっていくことにします。
「実」というは、花が咲いてあとのところが大きくなってきて、その中にタネが入っているものをいます。
では次の問題をかんがえてみてください。
みんなが食べているジャガイモは「実」ではありません。
では、ジャガイモには「タネ」や、そのタネをつつんでいる「実」はできないのでしょうか?予想
ア.ジャガイモにも実ができる
イ.ジャガイモには実ができない
ウ.その他
どうしてそう思いましたか?
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予想してからね
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予想してからね
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お話「ジャガイモの花と実」
ここのお話は、板倉聖宣著「ジャガイモの花と実」をぜひ読んでいただきたいのですが、残念ながら今は手に入りませんか。もしかすると図書館にはのこっているかもしれません。ある場合は、それを読んでくださいね。
さて、話をはじめの方にもどします。
寒いある日、散歩していたわたしがみたもの、その写真をもう一度みてください。
もしや、と思ってじーっとあるものを探してみました。
ありました!
これです。
むらさき色の花が見えると思います。
種類によっては白い花もありますが、いずれにしても、ちゃんと花が咲くのです。この花が育つと、こういう実がみられることもあります。
※この写真はweb上の記事から
まるでトマトではないか、と思った人もいるかもしれません。
ジャガイモとトマトは、いずれも「ナス科」の植物です。似ているわけです。
いろいろ品種改良もされてきたからでしょう、できた実は落ちやすく実りにくいということがありますが、中にはタネができるまで実ることもあります。
うまく実って取れたジャガイモのタネの写真があります。
うまく育つと、トマトそっくりの実の中に1-2mmくらいのタネがたくさん入っています。
ジャガイモの話から
植物の「実」とは?
「タネ」とは?
そういうことを調べてみたくなるきっかけになった人が出てきてくれたら嬉しいです。
先ほど紹介した 板倉聖宣の「ジャガイモの花と実(福音館)」という本をかかげておきます。見つかったら、ぜひ読んでみてくださいね。