空港では「歩きながらのスマートフォンの利用は危険ですからおやめください」というアナウンスが頻繁に流れています。ところが、同じ〈歩きながら〉なのに「歩きながらの読書はおやめください」というアナウンスはどこでも聞いたことがありません。
本はスマホより大きいので、周りの状況が見えなくなる危険度はずっと大きいのにね。
親から「うちに帰ってから何していたの?」と聞かれて
「ゲームをしていた」と答えたら「遊んでばっかり」と注意されることがあるけれど
「本を読んでいた」と答えたら、何かしら勉強していたかの様に評価されてしまいます。
読書は優遇されているのです。
私いっきゅうは活字中毒を名乗るほど本好きなので、それはありがたいことですけど、すこし複雑な気持ちになります。
本を読むと〈漢字や語句に詳しくなるから〉ということがあるかもしれません、けれどそれなら〈マンガ〉も同じなのに、「マンガを読んでいた」ということではゲームをしていたことと同じ評価になってしまうでしょう。
間違いなくマンガで漢字や語句に強くなった私いっきゅうは、そのことが不満でなりません。第一級のマンガは文学作品に勝るとも劣らないのにね。
マンガにひっぱられそうなのでいずれ〈おすすめ名作マンガ〉としていくつか紹介することにして話を戻しましょう。
「読書は優遇されている」という話です。
優遇されている読書を引きずり落とす様なことをしてはいけません。
他のものがそこまで高まること、例えばマンガやゲームなどが優遇される様な位置に高まることが、人間の豊かさへの道です。
※
子ども達がゲームなどと同じ様に読書にのめり込んでくれることは、たのしい教育のベクトルの一つです。
どうすれば子どもが本を読む様になるか?
一つの有効な方法はたのしい教育の基本である「予想をもって問いかけること」です。
先生が気に入った本を読んであげる、そして
「このあとどうなると思う?」
と問いかけて、いろいろ予想を出してもらいましょう。
「興味のある人たちはぜひ自分で読んでみてね。でも答えを周りの人に教えるのはNGだよ。映画のラストを教える様な、罪なことだからね。
みんなも、他の人に答えを教えてもらわない様にしてね!」
と言って終わる。
読んだ人は〈家庭学習ノート〉などに感想や自分の考えとの違いなどをまとめてもらうのもおすすめです。
教科書で学んでいない子どもたちなら例えば「もちもちの木」、その途中まで読んで、おじいさんが苦しみ出したところで「どうなると思う?」と問いかけるわけです。
読書にあまり興味のない子どもが多い場合には、短めの作品を選んであげてくださいね。
本好きの子どもが多くても、そういう子どもたちは自分でどんどん読んでくれるでしょう、苦手な子、たのしさを味わっていない子たちを想定して比較的短い作品を紹介してあげるとよいと思います。本好きの子どもたちも読んでいないかもしれませんし、本好きの子どもたちは大抵キャパシティ(受け入れる容量)が大きいですから、それをたのしんでくれると思います。
せっかくですから本好きの子ども達向けの作品を一つ紹介しましょう。
表紙からB級怪獣モノの様に思えるかもしれません、しかしアドベンチャーゲームに勝るとも劣らないたのしい作品です。
長いので、ネコの〈ダレカ〉と語り合うはじめの少しを紹介してあげるだけでもよいとおもいます。
大人でもたのしめますよ。
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