教員試験の合格を目指して私のSVを受けにくる先生がいます。売られている参考書や問題集の解説を読んでも、それが自分の頭には浮かんでこなかった、という話でした。
問題はこれです。
1個30円のみかんと1個60円のりんごと1個80円のかきを合計で15個買った。
みかんと りんごの個数の合計はかきの個数の2倍となり. 代金の合計は790円となった。このとき,み かんは何個買ったか,求めなさい。
ちなみにA先生は、私のSVでメキメキ力をつけてきている一人です。
その問題の答えを見ると、ショートカット(短くして解く方法)して書いているので、その方法に気づくことができなかったというのです。
市販の本の解き方の欠点はここです。
スタンダードな骨格ができた人がショートカットバージョンで解いていくのです、親切ではない以前に「どうすれば数学的な見方考え方解き方が身につくか」という視点が欠けていると思えるような解法の例はそれこそたくさんあります。
まずはスタンダードな解き方を身につけるのが大切で、例えば空手で〈顔面への回し蹴り〉ができるようになってから、途中でククッと角度を変えて〈わき腹にスパンと入れる〉という様なこともうまく使える様になるのです。
ということで、スタンダードな解き方を説明してみましょう。
算数数学の見方考え方
この問題の中には〈ミカンの個数〉〈リンゴの個数〉〈かきの個数〉という三つの未知の数があります。三つの未知数を特定するにはそれらに関わる〈三つの方程式〉があれば解ける、この考え方が大切です。
たとえばXとYという二つの未知数があったら
X+2Y=13(①)
3X+Y =14(②)
という二つの方程式があれば解けるんです。
解いてみましょう、
②から Y=14-3X
①へ代入して
X+2(14-3X)=13
X+28-6X=13
15=5X
X=3
①に代入して
3+2Y=13
2Y=10
Y=5
ね!
※もちろん一つの未知数ならその未知数を含む一つの方程式があればその数を特定できます ⇨ 1/2A+8=17 1/2A=17-8=9 (両辺×2) A=18
では当初の問題を見てみましょう、これから三つの方程式を作ればミカン、リンゴ、カキの個数を特定できます。
1個30円のみかんと1個60円のりんごと1個80円のかきを合計で15個買った。
みかんと りんごの個数の合計はかきの個数の2倍となり. 代金の合計は790円となった。このとき,み かんは何個買ったか,求めなさい。
この下線部から方程式を作ることができそうですよ。
① (ミ) +(リ) +(カ)=15
② (ミ)+(リ)=2×(カ)
③ 30 ×(ミ) + 60 ×(リ)+80×(カ)=790
②を①へ
2(カ)+(カ)=15
3(カ)=15
(カ)=5 ④ ※カキは五個だと判明
②へ
(ミ)+(リ)=2×5=10
(リ)=10-(ミ)⑤
④と⑤を③へ
30(ミ)+60[10-(ミ)]+80×5=790
30(ミ)+600-60(ミ)+400=790
-30(ミ)=-210
(ミ)=7個 できた! ※リンゴの個数は出さなくても答えに至る
まずこういうように「X個の未知数はX個の方程式を作れば解ける」という基本で解いていくことを身につけてから、ショートカットする方法に進むと良いでしょう。
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