板倉聖宣的発想「好奇心」③

◇ 子どもの好奇心をつぶすとき
子どもが聞いて、返ってくる答えがたのしい答えならば覚えます。
自分が特別知りたくなかった草花の名前をちょっと聞いてみたら、それに名前があり, そのときに変な名前を言ったりすると
「 ヘェーこれ変な名前」
と覚えてしまいます。
だから、質問のときは軽い気持ちであっても, 答えによっては覚えるわけです。
知識というのは答えの出し方, 特にたのしい答えが出てくれば効用を発揮します。

「これ」 というように目の前のものは質問できますが, 目に見えないものは質問できません。
子どもが小さいときには, 例えば「原子ってなーに」 というのはないですね。
けれども本を続むようになって, 本で原子という言葉があれば、
「原子という言葉なーに」
と質問出来ます。
だから, 本を続むようになると, 新しいものが出てきます。
本を続むことでひらける新しい世界, 抽象の世界というのは、今までの世界と違ってきて, 子どもの好奇心を旺盛にします。

「原子ってなーに」
「恐竜ってなーに」
と子ども達が言う時に, お母さん方や先生が守勢になってタジタジになって,自分の無能力をごまかすことのみに戦々恐々になると, 子どもは「大人を質問でいじめるのはかわいそうだ」という教育的配慮がはたらいて質問しなくなります。
!
これでうるさい時期は終わりです。
これは好奇心をつぶすわけです。
また先に言ったように, あの人に質問すればたのしい答えが返ってくるということを知っていれば, 質問しますが, 人によっては
「馬鹿ねー, そんなことも知らないの」
とまず言ってから答えてくれる人もあって
「もうそんな人には質問すまい」
ということになります。

また人によっては、子どもに聞かれたときに
「これ辞書をひいたらどう書いているかな?」 と促す人もいますが、たいがい
「辞書をひきたくて聞いたんじゃないよ」(笑)
ということになってしまいます。

では、 好奇心をなくさないためにはどうするか?

つづく

興味のある方はぜひ板倉聖宣の本を読んでみる事をお勧め致します。今回の「好奇心」について直接触れているわけではありませんが、まずこの本をお勧めいたします。
新哲学入門―楽しく生きるための考え方 (ものの見方考え方シリーズ 1)1日1度のこの「いいね」で一緒に〈たのしい教育〉を広めましょう➡︎いいね=人気ブログ!=ジャンプ先でもサイトをワンクリックするともっと良し!