ビデオテープの長さの実験-あやしい実験隊の活動から-

 数年前にGODACと協力して海底の動画を撮ったデータを探し回っていますが、なかなか見つかりません。しかしおかげでいろいろな懐かしいデータが出てきました。
 15年ほど前、子ども達と〈あやしい実験隊〉を結成して、いろいろな実験をしてたのしんでいた時のものです。〈あやしい実験隊〉というのは、放課後に希望者が集まって来て、いろいろな予想を立てて実験などをたのしむ集団です。ものづくりをしたり、散歩をしたり、海岸で生き物を探したりと、かなり盛り上がっていました。

 その日のテーマは「ビデオテープの長さはどれくらいあるでしょう?」です。
 当然、みんなで予想を立ててから、確かめます。
 今はDVDの時代ですから、もうビデオはほとんどなくなりました。もしかするとビデオを知らない子どももいるかもしれません。
 しかしこの頃は、教室にはビデオ機が必ずありました。カビが出て使えなくなるビデオテープもあって、それらは処分することになります。その一本を使っての実験です。

たのしい実験 ビデオテープの長さ4

この写真のうしろの黒板を見ると・・・

「ビデオテープ(120分)の長さは?」
  ア.10〜15m  3名
  イ.20〜23m  21名
  ウ.30〜35m  4名
  エ.40〜45m  0名
  オ.その他 60〜65m 2名

とあります。
大きな学校ではなかったのですけど、30名くらい参加していたのですね。

みなさんは、120分録画するテープは、どのくらいの長さあると思いますか?
ぜひ予想を立ててみてください。
もちろん私も答えを知らない状態でしたから、子ども達と一緒に予想を立てています。
おそらく「オ その他 60〜65m」と予想した気がします。

⬇︎

予想してからね

⬇︎

予想してからね

⬇︎

 さて、分解してから運動場に出て、トラックに伸ばしていきました。
  が、ざんねんながら、その時の様子は写真に残っていません。
 しかし、この写真を見ているうちに記憶がはっきりしてきました。

 テープを伸ばしていくと、直線の50mのキョリではぜんぜん足りません。
 運動場を一周することにしました。その学校は中学も一緒だったので200mトラックです。
 そこでみんなでそのトラックにテープを伸ばしていきました。
 すると、一周してもまだ余るのです。確か1週と50mくらいだったと思います。

 終わってからの写真は残っていました。
 これです。

たのしい実験 ビデオテープの長さ3  かなりの長さでした。

 追懐の実験もやってみました。
 ビデオテープの注意書きには「磁石に近づけない様にしてください」とあります。
 近づけるとどうなると思いますか?

 

⬇︎

予想してからね

⬇︎

こうなりました。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

磁石についてしまうのです。
画像がおかしくなってしまうハズです。

いろいろなところにたのしさと賢さがいっぱいです。
つまり、たのしい教育の可能性はいたるところにあるといってよいでしょう。

年が明けてもたのしい教育の日々です!

「いいね」クリックで〈たのしい教育〉を広げませんか➡︎ いいねクリック=人気ブログ!=

ジャガイモのたのしく賢くなるお話(2)

 たのしいジャガイモのお話の続きです。たのしいお話は賢くなるお話です。前回のページをまだ読んでいない方は、一つもどって予想を立ててからこのページを読んでください。

「ジャガイモの実の絵を描いてみましょう、というと、みんなこういう絵を描きました」そして、実はそれは実では無い、という話の続きになります。

ジャガイモのたのしい話

 小学生の質問コーナーのサイトに
「どうしてジャガイモは、根のところに実がなるんですか?」
という項目が上がっているのを見たことがあります。
 「食べられるものを実と呼ぶ」というように考えて、そう使っている人たちもいるかもしれません。しかし〈科学のことば〉として整理すると「ジャガイモ」は実ではないのです。

 ミカンの実は、みなさんがスーパーなどで買って食べているミカンです。中にはタネが入っています。

ミカンのタネ

 リンゴにもタネが入っています。リンゴのタネ

 タネというのは、大きさや形のいろいろな違いはありますが、それを土の中に植えると芽が出て、その植物として成長していく粒状のものです。

 ジャガイモを切っても切っても、タネらしいものは見つかりません。 ジャガイモのタネは

 そうすると、いろいろ知っている子は
「先生、でもジャガイモを切ったものを〈タネイモ〉っていって、植えるとそこからジャガイモの芽が出てくるよ」
という話をしてくれることがあると思います。

 また「タネなしリンゴとかあるよ」という子もいるかもしれません。

 そういうところは、とてもたのしい知識にあふれていますから、ぜひ自分でいろいろ調べてみてください。

  今回の話は「タネイモ」や「タネなしリンゴ」などの話ではなく《ジャガイモの実とタネ》の話にしぼっていくことにします。
 「実」というは、花が咲いてあとのところが大きくなってきて、その中にタネが入っているものをいます。

 では次の問題をかんがえてみてください。

 みんなが食べているジャガイモは「実」ではありません。
 では、ジャガイモには「タネ」や、そのタネをつつんでいる「実」はできないのでしょうか?

予想
 ア.ジャガイモにも実ができる
 イ.ジャガイモには実ができない
 ウ.その他

 

 どうしてそう思いましたか?

 

予想してからね

予想してからね

 

お話「ジャガイモの花と実」

 ここのお話は、板倉聖宣著「ジャガイモの花と実」をぜひ読んでいただきたいのですが、残念ながら今は手に入りませんか。もしかすると図書館にはのこっているかもしれません。ある場合は、それを読んでくださいね。

 さて、話をはじめの方にもどします。

 寒いある日、散歩していたわたしがみたもの、その写真をもう一度みてください。

ジャガイモの美はジャガイモではない もしや、と思ってじーっとあるものを探してみました。
 ありました!
 これです。

ジャガイモの美はジャガイモではない3 むらさき色の花が見えると思います。
 種類によっては白い花もありますが、いずれにしても、ちゃんと花が咲くのです。この花が育つと、こういう実がみられることもあります。

※この写真はweb上の記事から

スクリーンショット 2017-01-30 8.23.28

ジャガイモの美はジャガイモではない5

 まるでトマトではないか、と思った人もいるかもしれません。
 ジャガイモとトマトは、いずれも「ナス科」の植物です。似ているわけです。

 いろいろ品種改良もされてきたからでしょう、できた実は落ちやすく実りにくいということがありますが、中にはタネができるまで実ることもあります。

 うまく実って取れたジャガイモのタネの写真があります。

ジャガイモのタネ うまく育つと、トマトそっくりの実の中に1-2mmくらいのタネがたくさん入っています。

 ジャガイモの話から
  植物の「実」とは?
 「タネ」とは?

 そういうことを調べてみたくなるきっかけになった人が出てきてくれたら嬉しいです。

 先ほど紹介した 板倉聖宣の「ジャガイモの花と実(福音館)」という本をかかげておきます。見つかったら、ぜひ読んでみてくださいね。

板倉聖宣 ジャガイモの花と実こちらの「いいね」クリックで〈たのしい教育〉を広げませんか-いいねクリック=人気ブログ!-

ジャガイモの実のたのしく賢くなるお話(1)授業プラン

 寒いある日、散歩をしていると、ジャガイモ畑を見つけました。
 この頃は、みなさんの周りでもジャガイモが生き生きと育っている様子を見ることができると思います。学校でも教材畑に植える定番の一つですから、校内でも見つかるかもしれません。

ジャガイモの美はジャガイモではない
 ジャガイモ畑を見ながら、思い出していたことがあります。
 今はフリーになって、いろいろな学校を飛び回っていますが、以前、小学校に勤めていた時に授業していて、とても評価が高かった授業の一つです。

 こういうお話から入りました。

 ジャガイモを知らない人はほぼいないと思います。カレーや肉じゃが、ポテトチップスなどで、大好きだという人も多いでしょう。

 では問題

 まずジャガイモの実の絵を簡単にかいてください!

四角形

 

 子ども達はいろいろ描いてくれました。

 形や大きさはいろいろ違っても、みんなこういう絵です。

ジャガイモのたのしい話
 ジャガイモというと、この写真にあるように、丸くてゴロゴロとたくさんとれる野菜です。

ジャガイモの美はジャガイモではない2

 みんなの絵を掲示してから、こう言いました。

「みんなの描いてくれた絵はね、ジャガイモの実ではないんだよ」

 それを聞いた子ども達から「え〜」と驚いた声があがりました。

 何でジャガイモがジャイモの実でないのか。先生は冗談を言っているのではないか。なにか引っ掛けようとしているのではないか。そんな気持ちだったと思います。

   みなさんがもし「ジャガイモがジャガイモの実ではない」という話を聞いたら、どう思いますか?

      次回に続く!

こちらの「いいね」クリックで〈たのしい教育〉を広げませんか-いいねクリック=人気ブログ!-

 続く

琉球新報紙面にたのしい教育研究所の授業が取り上げられました

   先日実施した、川崎小学校での授業の様子が、新聞紙面で紹介されました。「学力推進の報告会で特設された授業講演会です。3日前の新聞(2017-01-29日曜 琉球新報)とのこと。

 授業ではガリレオの落下の法則の根本のところをたのしく学んでいただいたのですけど、その後も会議やカウンセリングなどが続いていたので、記者さんとお話する機会を持つ事はできませんでした。
 というより、取材に来てくれていることも知らなかったくらいです。

 記事は「仮説立て実験」という表現になっています。授業・講演の中で「仮説」という言葉は使わなかったので、きっと科学に詳しい方の原稿なのでしょう。なかなかこういう書き方で紹介されたことはありませんから、新鮮です。

川崎小新聞記事2017-01-29 今月もまた中部の小学校で親子向けの授業があります。
 盛り上げようと思います。
 今度は「宇宙」と「海」をテーマにできないかと、わくわくしてアイディアを出しているところです。

「いいね」クリックで〈たのしい教育〉を広げませんか➡︎ いいねクリック=人気ブログ!=