台風に思う 電気の無い暮らし

 台風一過、たのしい教育研究所の第一ラボは今日で4日目の停電が続いています。
 おだやかなろうそくの炎も、その香りもなじんできました。

 夜空の星もキレイです。
 周りの音も静かです。

 アウト・ドア派なのでもともとこういう生活も嫌いではありません。
 夜は、台風で近くに飛んで来てボロボロになっている木材を庭で燃やしてたのしみました。


 しかし先ごろラジオで聞いた様な「今の生活は便利になりすぎている。電気の無い暮らしも大切なのだ」という様なお説教をする人には疑問しか感じません。そう語る人たちの中に復古主義的な怖さも感じます。

 電気のない暮らしは病気療養中で自宅に医療器具が必要な人たちにとって重大な問題です。
 アトピーなどで空気中のホコリを取り去る必要のある子ども達もいます。
 体力が衰えて、室内の気温をコントロールしてあげなくてはいけな方たちもいます。

 成熟した社会、豊かな社会、それはハンディを背負った方たちや病気と闘っている人たち、その家族の方たちにとっても優しい社会だと思います。
 それをぜんぶひっくるめて私たちは「たのしい社会」だと考えています。

 もちろんなるべく電気に頼らない暮らしに目覚めた人たちは、2日に一回電気を灯す様な暮らしをたのしんでいただいて、電気が必要だという人たちには安定供給できるシステムが必需です。

 台風は毎年やって来ます。

 今回の台風は大きかったとはいっても想定外の大きさではないでしょう。

 毎年毎年台風が来て被害が出ます。
 木も倒れますが電柱も倒れます。
 それも想定内です。

 木は地中に埋めてしまうと死んでしまいますが、送電線は地中に埋めた方が永らえます。毎年たくさんの時間と人件費と資材費もろもろをかけて対処していくのではなく、10年計画を立てて送電線を埋めるシステムを作っていくことはとても重要なことだと思うのですが、どうでしょう。

 国土交通省のデータによれば、日本の〈無電柱化〉は先進国の中でとんでもなく低い値です。

    世界の都市の〈無電柱化〉

ロンドン   100%
パリ     100%
ハンブルク  100%
香港     95%
台北     95%
シンガポール 93%
ニューヨーク 83%
ソウル    46%
ジャカルタ  35%
東京23区   8%
大阪     6%

こちら

 沖縄のすばらしい海と空とに線を引く空中の電線より、景観的にもすばらしくなり、観光産業にとってもプラスです。子どもたちも大人たちも、いろいろなところから見ることができる沖縄の大空と海原とに感動する機会も増えるでしょう。

 予算をどうする、工事に取り掛かる際の道路の渋滞をどうするなどなど、たくさんの〈できない理由〉があげられるでしょう。

 しかし研究所に合格特訓に来る先生たちにもなんども語っているのですけど。
「人間は頭が良いから〈できない理由〉を何百でも考え出すことができる。そうしている人たちが、突破できず、そんな言い訳を考えている時間にチャレンジしている人たちが突破していく」のです。

 社会はは少しずつ少しずつ良くしていけるのですし、実際、良くなって来ています。

 はじめからできない理由を考えるのではなく、どうすれば未来の台風の被害を少しでも減らして、支援の必要な人たちも安心して暮らすことができるか、それをたのしく考えていける人たちを育てて行きたいと本気で考えています。
 それと同時に「誰かが良くしてくれればいいのに」という様に漠然とした期待を抱くだけでなく、今の私たちが具体的な物事について、しっかり判断して声を上げていく、アイディアを出していく、そういう草の根的な動きも大切です。

 もう一つ、台風発生時の根本的な対策について考えていることがあるのですけど、長くなりましたし、SF的だと言われる可能性があるので、いずれ何かの機会があれば書くことにしましょう。

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〈見えるから存在する〉という考え方について

 見えたから存在するに違いない、と考える人たちがたくさんいます。たとえば〈幽霊が見えた〉というのもその一つです。
 以前もそういうことについて書いた記憶があるのですけど、最近、中学生から〈霊〉の存在に怯えているというメールが来たので、新たな気持ちで書いてみたいと思います。

誰も住んでいないはずの、あのウチの窓のところにいないはずの男の人がボヤ〜とうつっていた。「あそこには幽霊がいる」と考える人たちはたくさんいると思います。

 ところが〈見えたら存在する〉というのはとても不確かな考え方なのです。

  火星に人面岩があるから〈火星人がいる〉あるいは〈かつて住んでいてその痕跡を残したのだ〉とかいう話が10年ほど前でしたか流行していろいろな本も出版されました。
 それも〈見えたから存在する、存在した〉というわけです。

 みなさんはその考え方についてどう考えますか?

 以前このサイトで紹介したバッタの写真があります。

 私が写した写真です。

 何か見えませんか?

胸のあたりに注目してください。
 笑っているメガネのおじさんの顔が見えて来ませんか。

 特別なバッタだろうと思うかもしれません。
 しかしごく普通のトノサマバッタです。

 こういう目で見ると、たとえばweb上にあるトノサマバッタの胸の写真を見ても、おじさんの顔に見えてきますよ。
 たとえば・・・

 ねっ、おもしろいでしょう。

 これを見て、トノサマバッタにおじさんが乗り移ったとか、おじさんの幽霊が取りついていると考える人はいないと思います。

 このバッタの胸の画像の様に、人間は、脳の中でいろいろなイメージを組立てて、自分の記憶をたぐりよせます。
 そうして、強引に人間の姿や顔だと認識するのです。

 ここに滝の写真があります。
 気味の悪い音楽などをかけておどろおどろしい雰囲気を出すと、この中に怖い幽霊の様な姿を思い浮かべる人が多いでしょう。
 逆にヴィバルディの〈春〉の様な清々しい音楽をBGMにすると、気持ち良いイメージで、そこに恐ろしい姿を見ようとする人はほとんどいないと思います。


 どこをどう見ても太陽は東から登って西に沈む様にしか見えないのに、調べてみると太陽は動いていなくて、私たちの地球の方が動いていた、というのが正しい姿だったのです。

 つまり〈その様に見えるのだから確かにそうに違いない〉とか〈見えるのだから確かに存在する〉というのはとても不確かなことなのです。

 いろいろなことにダマされることは、とても怖いことです。自分も不幸ですけど、周りの人も不幸にしてしまうでしょうあ。「何が正しいのか」は科学的に見る・考える力が必要になってきます。
 たのしく学んで、賢くなっていく中で、次第に「ダマされない人間」「何が正しい姿なのかを慎重に考えていける人間」になっていくと思います。
 たのしい教育研究所の講座、授業で、それを一緒に学んでいく人たち、そしてそういう授業ができる人たちを広げていきたいと思っています。

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台風と暗闇の中で想うこと

 数年振りの強烈な台風を体験して、片付けや被害の対応に追われつつ、電気が復旧しないまま二日目を迎え、このサイトもわずかに駆動するノートパソコンのバッテリーを頼りに綴っています。

 夜、庭に積まれたゴミ袋を移動して、空を見上げるとキレイな星空。

 iphoneで写した画像では確認できないかもしれませんけど、キャンプで夜に眺める星空の様な美しさです。

 もちろんわが家だけでなく周りがそこらじゅう電気が来ていないからこその眺めです。

 なぜか音も静かです。
 みんなひっそりと過ごしているのでしょう。

 アラスカでキャンプしている時は、こういう静けさの中でオオカミの遠吠えなど聞こえてきたものです。

 ある友人が「停電でテレビを見ない生活をしたら、あれもできてこれもできる、こんなに時間があることに驚いた」という話をしていました。

 心静かに眠りにつこうと思います。

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