夏には夏の秋には秋の/星野道夫 旅をする木 から

 第三研究所から帰る時、駐車場の前でやわらかな風を感じて立ちどまりました。
 暑い夏の日の盛りはまだまだ続くかもしれません、でもその勢いはゆるやかに降り、秋へ向けて季節がかわりはじめるのでしょう。

 季節の変わり目にはいつも大好きな写真家 星野道夫のエッセイを想います。
 「ページをめくる様にはっきり変化していく」というアラスカの季節感を味わいたくて、リュックを背負いマッキンリーの山に入ったのは、夏から秋に変わる頃のことでした。

 頬を撫でてゆく風の感触も甘く、季節が変わってゆこうとしていることがわかります。
 アラスカに暮らし始めて十五年がたちましたが、ぼくはページをめくるようにはっきりと変化してゆくこの土地の季節感が好きです。
 人間の気持ちとは可笑しいものですね。どうしようもなく些細な日常に左右されている一方で、風の感触や初夏の気配で、こんなにも豊かになれるのですから。
 人の心は、深くて、そして不思議なほど浅いのだと思います。きっと、その浅さで、人は生きてゆけるのでしょう。

      文春文庫『旅をする木』

 私の好きな沖縄は、ページをめくるように季節を変えていくわけではないけれど、小高い場所から、海を見ていると、その美しさに見とれてしまいました。
 夏は夏の美しさを、秋は秋の美しさを感じていたいものです。

 

毎日たのしい教育に全力投球、たのしい教育研究所(RIDE)です。みなさんの応援クリックをお待ちしています➡︎この〈いいねライン〉をクリックすることで〈たのしい教育研究所〉への「応援の1票」が入ります☆いいね➡︎もっと深く学びたい方は〈有料メルマガ〉をどうぞ!

たのしい教育メールマガジンの送信前書きから/台風を消す

 たのしい教育メールマガジンは毎週連続で綴っている渾身の作品です。今週号の表紙はこれです。


 メルマガの配信の時にはメルマガそのものとは別に、ご挨拶の文章を書いています。

 最新号の文章を紹介します。

みなさんこんにちは。

沖縄は台風が過ぎた余波で強い風や雨が続いています。
このまま台風が消えてしまえばよいのに。

こういう時、思うのが、あれだけ大量の兵器・武器・戦闘機などをつくる予算、トップクラスの優秀な人材を、台風を消すための研究につぎ込んでくれたらよいのに、ということ。

台風を弱くすることは可能だと思います。わたしにもアイディアがあります。

人を殺すのではなく人を助けるための研究に予算も人も注ぎ込むのです。

人間はいつかきっと、戦いのスパイラルの愚かさに気づいて、助け合う、救いあう世の中になるでしょう。
そういう日々を早めるのは教育の力だと思っています。

今週も心をたくさん込めて綴りました。
 おとどけします。

 近々、この中の記事の一部を紹介します。
 おたのしみに!

毎日たのしい教育に全力投球、たのしい教育研究所(RIDE)です。みなさんの応援クリックをお待ちしています➡︎この〈いいねライン〉をクリックすることで〈たのしい教育研究所〉への「応援の1票」が入ります☆いいね➡︎もっと深く学びたい方は〈有料メルマガ〉をどうぞ!

 

デザインをたのしむ子ども達/出前児童館の様子

 8月の出前児童館でとりあげたプログラムに〈バランスとんぼ〉があります。

 えんぴつの芯の上にもとまってくれる不思議なとんぼのオブジェで、もとはこういう無地白です。

 それをこどもたちはいろいろなアイディアでオリジナルのバランスとんぼを作ってくれました。

 この子のデザインもみごとです。

 ものづくりの時によく感じるのですけど、子どもたちの多くはデザインするのが大好きです。

 次のプログラムがなければずっとデザインをたのしんでいたい勢いの子どもたちもたくさんいます。

 いちど〈デザインをたのしもう〉というプログラムで出前児童館を構成したいと思っています。

 毎日たのしい教育に全力投球、たのしい教育研究所(RIDE)です。みなさんの応援クリックをお待ちしています➡︎この〈いいねライン〉をクリックすることで〈たのしい教育研究所〉への「応援の1票」が入ります☆いいね➡︎もっと深く学びたい方は〈有料メルマガ〉をどうぞ!

 

授業の力があるとはどういうことか?/力のある先生たちが育つRIDE( ライド:たのしい教育研究所 )で高まる先生たち

 タイトルと違う様に思えるかもしれませんけど繋がる話、「素手の武道・格闘の世界で世界一強いのは誰か?」
 ボクシングの世界チャンピオンか、空手の世界大会チャンピオンか?
 それとも柔道ほか別な格闘技のチャンピオンか。
 どう思いますか?

 私自身、武道家で、長年求道して来た中ではっきり言い切ることができます、いろいろな格闘技のトップの人たちも賛同してくれるに違いありません。

 最も強い人間は、野に出て、たとえばボディーガードや用心棒を生業にしている人の中にいるに違いありません。〈雇い主を逃す・一緒に逃げるボディーガード〉がいるのでしょうけど、ここで想定しているのは、襲ってくる敵と闘う役割としてのボディーガードです。

 与えられたリングの中で、ある考えに基づいた技のみで競い、反則は審判が止める。一定時間ごとに休憩が与えられる、あるいは一定時間で闘いは強制的に終了する、格技・武道のチャンピオンはそういう中で最も強いと認められた人たちです。

 ボディーガード、用心棒を生業にしている人たちは、いつどこでどういう攻撃を受けるかわからない中で、審判もなく、時間制限もないまま、相手を戦闘不能にしなくてはいけません。負けは自らの身体が壊れることであり、職を失うことでもあります。
 そういう人たちの中で勝ち続けていく人が最強です。

 では教師の様に〈授業で勝負する〉という人たちの中で、とても力があると認められるのはどういう人たちか?

 学校の様に〈帰ってはいけない〉〈席に座っていなくてはいけない〉という制限をほとんどの子ども達が守っている、45分という流れが身につき、先生のいうことをしっかり聞きましょうと躾けられた子ども達へ、他にもいろいろなルールで成り立っている中で授業成果をあげる教師というだけではなく、学校という場から外に出ても、いろいろな要望に答え、つまらないなら帰ってもよい状況でも成果が出せる人たち、守られたルールの中で成果を出しているのではなく、野に出て、そこで勝ち続ける人たちです。
 
 おもしろくない、わからないという時には「おもしろくない」「意味がわからない」という声が上がるのが普通の状況で、異年齢の集団での授業でも、時間が15分であっても90分でも、人数が10名でも400人でも、参加者に満足してもらえる教師が力があるのです。それに異論はほとんど出ないと思うのですけど、どうでしょう。

 RIDEで学ぶ先生達には、そういう力、つまり守られた場ではなく、野であっても成果の出せる人たちが着実に育ってきています。もちろん自分の授業力を磨く研修の一貫ですから謝金などは出ないボランティアでの授業です。

 この写真はRIDEの講座などで多彩な講師をつとめているA先生の授業の様子です。少人数ではありません、全体で100人くらいの人たちが受講しています。
 RIDE(ライド)の個人情報保護のしばりで写真は加工してあるのですけど、A先生を見ている子ども達、保護者の皆さんは、とてもニコニコしてたのしそうです

 こういう成果が出せる人は、学校の中でもかなり大きな成果を出すことができます。つまり子ども達の笑顔や賢さをたくさん育ててあげられるわけです。
 そういう授業力を伸ばすにはRIDEは格好の学びの場です。

 学びの場、ブレインミーティングの場から、子ども側にたった先生たちから「その流し方では興味関心があまり続かない」という様な率直な感想・意見をもらうことができます。

 わたしいっきゅうの場合もたとえば「こういう流し方をしてはと考えているのだけど」と授業すると、気になったスタッフからすぐに「それは面白いけれど、200人いる中では後ろ側の人たちに感動が届かないと思います」という意見が出たりします。
「いっきゅう先生、無理です、その一つの実験の教材を配るだけで五分以上かかります」という様な時間的な面を指摘してくれる人たちもいます。
 そうやって参加者全員が感動を味わい、評価感想に〈たのしかった・受講してよかった〉〈内容がわかった〉と記してくれる授業が出来上がっていくのです。

 そういう中で成果を出すことができる先生たちが増えていくことは、間違いなく日本全体の豊かさに繋がります。元気で賢い子どもたちをどんどん育ててくれるからです。

 そして間違いなくそれは教師本人の豊かさ、幸せそのものに直結します。

 RIDEの講座で学んでいった先生たちから「いっきゅう先生、私も講座で講師をしたいです」という要望が出る様になってきました。
 とても嬉しいことです。

 主体的・対話的で深い学びを提供できる人たちをどんどん育てたいと思います。毎日たのしい教育に全力投球、たのしい教育研究所(RIDE)です。みなさんの応援クリックをお待ちしています➡︎この〈いいねライン〉をクリックすることで〈たのしい教育研究所〉への「応援の1票」が入ります☆いいね➡︎もっと深く学びたい方は〈有料メルマガ〉をどうぞ!