桜の写真とどく/1月9日現在みなさんの周りでも桜が咲いていませんか

 たのしい教育を学んでいる人たちからたのしいメールが届きます、それを読むのはとても気持ちのよい時間です。先日乗せた〈一番桜が咲きました〉の記事に驚いたという話も多かったのですけど「もしやと思って学校で子どもたちと調べてみたら、こちらでも咲いていました」という便りがありました。
 嬉しいことに写真も添えられています。

 ある有名な随筆家が「桜が愛されるのはしっかり咲いてしっかり散るからだ」というようなことを書いてありました、いったい今の時代にそういうことを感じて桜が好きだという人がなん人くらいいるのでしょう。冬の季節の中、蕾を膨らませていき、寒い中で私たちに美しい彩りをたっぷりと見せてくれるから好きなのです、少なくとも私は。

 以前このサイトにも書いたのだろうか、桜の季節にニューヨークに行ったことがあって、花の大きさに驚いた。満開のソメイヨシノの比ではない。

 それはみごとでたのしませてもらったのだけど、慣れ親しんだ沖縄の桜は、格別な想いが重なる。きっとニューヨークの人たちはニューヨークの桜に同じような想いを重ねているのだろうな。

 みなさんの周りの桜はいつ咲くのでしょう、ぜひ近くの桜の蕾の様子を眺めてみてください、もしかすると開いている花が見つかるかもしれませんよ。毎日たのしい教育に
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ユヴァル・ノア・ハラリが教育を語る「情報を詰め込むことではなく、大量の情報の断片を結びつけて世の中の状況を幅広く捉える能力を」

 現代知識人の最高峰にいる一人だと、世界中で注目されているのがイスラエル出身の歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリです。新年号のメルマガの〈たのしい教育の哲学・発想法〉の章では、ハラリの最近作「21レッスンズ」を紹介しました。これはメルマガに折り込まれたその著書です。

 さっそくいくつも反響が届いています、現代最高峰の頭脳を持つ一人だといわれるハラリが教育についてどう語っているか、メルマガの一部を紹介しましょう。下線は私いっきゅうです。

 ハラリが語った教育の課題は〈たのしい教育研究所〉の問題意識と重なります。

 今から1000年前の1018年には、人々は未来についてわからないことはたくさんあったが、それでも人間社会の基本的特徴が変わることはないと確信していた。
 もしあなたが1018年に中国に住んでいたら、1050年までに宋王朝が崩壊したり、契丹が北から侵入してきたり、疫病で何百万もの人が亡くなったりしうることは承知していた。とはいえ、1050年にもほとんどの人が依然として農民や織工として働き、支配者たちが依然として軍隊や官僚制を人間で賄い、男性が依然として女性の上に立ち、平均寿命が依然としておよそ40年で、人間の体はまったく同じままであるだろうことは明白だった。
 したがって、1018年には中国の貧しい親は、子どもたちに田植えの仕方や絹織物の織り方を教え、豊かな親は、息子たちに儒教の古典の読み方や、書道、馬に乗っての戦い方を、娘たちには慎みのある従順な家庭婦人になることを教えた。こうした技能が1050年にも必要とされることは明らかだった。
 それに対して今日私たちは、2050年に中国や世界のその他の国々がどうなっているか、想像もつかない。人々が何をして暮らしを立てているかも、軍隊や官僚制がどのように機能するかも、ジェンダ-関係がどうなっているかも、まったくわからない。
 今よりもはるかに長く生きる人もおそらくいるだろうし、生物工学や、脳とコンピューターを直接つなぐブレイン・コンピューター・インターフェイスのおかげで、人間の体そのものが空前の革命を経ているかもしれない。
 したがって、今日子どもたちが学ぶことの多くは、2050年までに時代後れになっている可能性が高い。

現在、情報を詰め込むことに重点を置いている学校が多過ぎる
 過去にはそれは道理に適っていた。
 なぜなら、情報は乏しかったし、既存の情報の緩慢でか細い流れさえ、検閲によって繰り返し堰き止められたからだ。
 たとえばあなたが1800年にメキシコの田舎の小さな町に住んでいたら、広い世界について多くを知ることは難しかっただろう。ラジオもテレビも日刊紙も公共図書館もなかったからだ。
 仮にあなたは字が読め、個人の書庫に出入りできたとしても、小説と宗教の小冊子以外には、ほとんど読むものはなかっただろう。
 スペイン帝国は、各地で印刷される文書はすべて厳しく検閲し、外部からは念入りに検査した出版物がわずかに持ち込まれるのを許すだけだった。

 あなたがロシアやインド、トルコ、中国の田舎町に暮らしていても、状況はほとんど同じだった。近代的な学校が設立され、子どもたち全員に読み書きを教え、地理や歴史や生物学の基本的事実を知らせるようになったのは、途方もない進歩だった。それに対して21世紀の今、私たちは厖大な量の情報にさらされ、検閲官たちでさえそれを遮断しようとはしない。むしろ彼らは、せっせと偽情報を広めたり、無関係な情報で私たちの気を散らしたりしている。
 どんな政府も、気に入らない情報をすべて隠すことは望めない。その一方で、相容れない報道や、人の気を逸らす情報を世間に氾濫させるのは、驚くほど易しい。
 世界中の人が1回マウスをクリックするだけで、シリアのアレッポの爆撃や、北極圏の氷の融解について、最新情報を手に入れられるが、矛盾する話があまりに多いため、何を信じていいか困ってしまう。

 そのうえ、たった1回クリックするだけでアクセスできるものは他にも無数にあるので、的を絞るのが難しく、政治や科学があまりに複雑に見えるときには、愉快な猫の動画や、有名人のゴシップや、ポルノに、ついつい切り替えたくもなる。

 そのような世界では、教師が生徒にさらに情報を与えることほど無用な行為はない。生徒はすでに、とんでもないほどの情報を持っているからだ。人々が必要としているのは、情報ではなく、情報の意味を理解したり、重要なものとそうでないものを見分けたりする能力、そして何より、大量の情報の断片を結びつけて、世の中の状況を幅広く捉える能力だ

 実際には、それはこれまで何世紀にもわたって西洋の自由主義教育の理想だったが、今に至るまで西洋の多くの学校でさえ、その実現を怠ってきた。
 教師は生徒の頭にデータを詰め込んでおいて、「自分で考えるように」生徒を促すばかりで良しとしてきた。
 自由主義の学校は権威主義に陥るのを恐れていたので、単一の価値観に基づく包括的な「大きな物語」を特別に恐ろしがっていた。教師たちは、生徒に多くのデータと少しばかりの自由を与えておきさえすれば、生徒は自分なりの世界観を創り出すだろうし、たとえこの世代が、すべてのデータを総合して、この世界についての首尾一貫した有意義な物語に仕立て上げられなかったとしても、将来、真っ当な総合的物語を構築する時間はたっぷりあるだろうと思い込んでいた
 ところが今や、私たちはその時間を使い果たしてしまった。これからの数十年間に私たちが下す決定は、生命そのものの将来を方向づけるだろうが、そうした決定は、現在の世界観にだけ基づいて下すしかない。もしこの世代が、森羅万象の包括的な見方を持っていなければ、生命の将来はランダムに決まってしまうだろう。

 

 ハラリはおそらく「本質的な教育はたのしく、その具体的な方法がいくつも準備されている」ということを知らないと思います。それを知れば「だからこそこれからはたのしい教育なのだ」といってくれるだろうと感じられてなりません。ハラリのところまで〈たのしい教育の思想・哲学・方法〉が届くのはいつだろう。がんばらなくてはいけません。

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沖縄の一番桜発見!2020年1月6日(月)

 1月6日(月)いつものように〈蕾見〉をたのしんでいると、丸々とした蕾を発見。

 これはもしやと注意深くみていると、中に花びらの赤を見せている蕾もありました、これはおそらく・・・

 周りの樹々を見るとまさに花を開く間際の桜。

 

 近くで〈一番ザクラ〉を発見!

 

 一つ見つけると、目が慣れてけっこうみつかります、今年のRIDEの周りはめでたさも早い様です。

 新年1回目のワークショップはこの一番桜の樹の下で、桜見乾杯からスタートしたいと考えはじめています。

 気持ちの良い冬の日々です。
 

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冬に虫は探せるの? 東京と沖縄の違い/昆虫は恒温か変温か(その3:沖縄編)-自由研究にもおすすめ-

 前二回で大都会東京の公園の虫たちの様子をお届けしました。まさか、あれほど見つからないとは思いもよらず、私自身がその結果に驚きました。

 今回は同じ頃の沖縄の虫たちの様子です。

 東京よりずっと暖かい沖縄の昼下がり。
 どれくらい暖かいかというと・・・

○ 2020年1月4日 沖縄は晴れ、気温は 最高21.9℃ 最低15℃ 
○ 前2回の東京の1月1日の東京の最高気温は10.2℃ 最低3.2℃ 

 沖縄の公園で虫たちを探すと東京とどれくらい違うのでしょう、たくさん見つかるのか、少し見つかるのか、東京のようにほとんど見つからないのか、どう思いますか。

 虫好きのいっきゅう先生が、研究所の近くの公園で〈アリたち〉を15分くらい真剣に探してみます、見つかるでしょうか?
 たのしい教育研究所(RIDE)は沖縄本島の真ん中くらいにあります。

 予想 

 ア.探すのはそう難しくない/何十匹も見つかった

 イ.10匹くらいならさがせる

 ウ.見つかっても1~2匹

 エ.全く見つからない

 オ.その他

 

どうしてそう予想しましたか。

予想してからね

 

さぁ実験開始!

 虫さんたちを探す前にさっそく目に入ったのは草花です。

 これはオニタビラコなんだろうな。

 

 スミレも咲いていました。

リュウキュウコスミレ

 1月とはいえ春のような野原です。

 虫たちもすぐに見つかりそうな感じがします。
 さっそく探してみましょう。

 木の枝を見ると、朽ち始めた部分に穴があって、中の木のクズを外に出している様子。木が弱るので、中を探るのはやめてしばらく観ていました。しかし、タイミングよく出てくることはありませんでしたが、中に生き物がいることは間違いないでしょう。

 

 少し歩いて枯葉の下をみてみましょう。
 この枯葉をよけてみると。

 

 ごらんください。

 驚いたアリたちがたくさん動き回っています、ごめんなさい。

 石をよけると、とても小さな生き物がウネウネしていました、1cmくらいミミズの赤ちゃんなんだろうか?

 突然、光があたって驚いています、ごめんなさい。

 

 別なところを探してみましょう。

 ここにも生き物がいます、見えるでしょうか?

 真ん中上ほど、落ちた円筒形の葉の後ろ側です。

 素早く逃げるのでスコップで枯葉を起こして逃げ道をふさいでみましょう。

 ダンゴムシです。

 公園にはビロウが何本も植えられています。

 幹の方にも何か生き物がいる気がします、探してみましょう。

 

 いますよ、見えますか? 

 

 かなへびでした、鮮やかな色をしています。

 その足元をさぐると、ここにもアリさんたちがいっぱいいました。

    
  その間わずか10分ほど。

 昆虫は変温動物です。
 周りの気温が下がると、自分の体温も下がって行き、動けなくなってしまいます。

 だから冬には虫たちの姿がみられなくなるのです。

 だとすると、虫たちは冬は活動できないのか?
 そうではありません。暖かい沖縄では、冬でも虫たちがたくさん活動しています。

 このサイトの読者は沖縄だけではなく全国に広がっています、それだけではなく海外で閲覧してくれている方たちもいます。
 読者の皆さんの周りで、冬のこの時期にどういう虫たちがみられるのか、予想を立てて調べてみませんか。

 小・中学生のみなさんは、夏の自由研究のときに、冬の今と夏の頃とを写真で比べて、植物や生き物たちの様子をまとめてみるのもよいですね。

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 今回の3回シリーズで、教科書的な知識ではなく、腑に落ちるように理解していただけたら幸いです。