決められた道を言われた通り歩む子ども達ではなく〈自ら道を切り開く子ども〉を育てる《たのしい教育》 板倉聖宣

 毎日いろいろな教材の研究や開発をし、学校の先生達へ授業をし、子ども達との関係についての相談にのり〈1日がせめて36時間くらいあるとよいのに〉と思う日々です。
 たくさんというわけではありませんが、時おり、研究所の授業を受けた子どもたちや、このサイトを熱心に読んでくれている子ども達からのメールも届きます。


 その中には、何かの模倣ではなく、自分でたのしみながら学んでいる姿がたくさん映し出されています。

 たのしい教育は〈決められた道を言われた通り歩む子どもたち〉を育てる教育ではなく〈自ら道を切り開く力のある子どもたち〉を育てる教育です。
 今の指導要領にもある様な〈主体的・対話的で深い学び〉を実現するのも《たのしい教育》です。

 かつて「月間たのしい授業」の創刊号に板倉聖宣がこういう文章を載せています。

 

 一本道をまっしぐらに走るのなら,そこには序列がつきます。そして先頭の人も迷わずみんなをひきつれて走ることができます。

 しかし道がなくなったらどうしたらよいのでしょう。

 自分たちで道を開くのです。銘々、各自のいいと思う方向に道を開いていくのです。

 

 「いばらの道」といい,「ほとんど先が見えない」というと,その道を開く仕事はとても苦しいだけのように思えるかも知れません。しかし,そこには開拓者の喜びがあり,創造のたのしみがあることを見落してはなりません。

 その道を開く意欲は,創造のたのしみ,開拓者の喜びを知っているものだけが抱き得るのです。

 

 きめられた一本道をつっぱしる教育,それは「できる授業」「わかる授業」だけでもすみます。しかし,自ら道を開くための教育となったら,道を開くたのしみを教える「たのしい授業」以外にはありません。

 

 こういうと「そういうたのしい授業が必要なのは大学か大学院でのエリート教育だけで,小中学校などはいままでどおりのかけっこ教育でいいのではないか」という人がいるかも知れません。しかし,その考えが間違っていることは,いまの日本の教育界の混乱をみてもわかります。

 

 一本道をまっしぐらに走ることになれてきただけの人は,いきなり「ここから自分で道を開け」といわれても,ただとまどうより他ないからです。

 すでに人の開いてきた道をすすむにも,たのしみながらすすむことができてはじめて,新しい道をみずから切り開く喜びもわいてくるのです。

 夏は、たのしい教育研究所がとても忙しくなってくる時期です。すでにいくつかお断りせざるを得ない講座の要請も出てきました。ご希望のみなさんは、早めにお問い合わせください。このサイトの右側に要請フォームがあります。未確定の部分は未確定のままで結構ですので、早めに出しておくことをおすすめします。この〈いいねライン〉をクリックすることで〈たのしい教育研究所〉を応援することができます !

〈高い理念×実践的〉それがRIDE(たのしい教育研究所)の講座です/親子一緒に〈たのしい教育〉でもりあがる-講座受講者からの元気でたのしいメール

 RIDE(ライド)はたのしい教育研究所の略称です、覚えてくださいね。これはRIDEの講座のはじまりの様子です。こういうシーンからは巷で行われているいろいろな講座と違いない様な感じもあるかもしれません。しかし参加者のもりあがり、評価・感想、その後の参加者の皆さんからの便りなどを含めて、主催者として満足できる内容を毎回提供していると考えています。

 何ごともそうですが、理念だけで目的を達成することができません。

 わたしは長年〈格技〉をやっている人間ですから、時々こういうたとえ話をしています。

「強くなりたいという気持ちは出発点でありパワフルなエンジンになる。しかし滝に打たれながら〈強くなりたい〉と何十年 願っていても強くならない。〈願い〉プラス相手の蹴りをどうかわして突きを入れるか、〈その技〉が身についてこその強さだ」

 子どもたちが〈もっと学びたいという笑顔〉と〈時代を切り開いていく知恵〉を身につけていく、そのために親として教師として、どういう内容を提供していけるのか、たのしい教育研究書の多くの講座は、そのデザインの元で構成されています。

 これは私いっきゅうの実技の様子です。

 古くからの仲間、そして研究所で育った先生たちの中には、インストラクターを務めることができるメンバーがいっぱいで、あれもやりたいこれもやりたいという様に、講座のアイディアがどんどん湧き上がります。

 そういえば最近〈LEAPカウンセラー認定コース〉の問い合わせも来ています。仕事を整理して、早く講座を開きたいと思っています。しばらくお待ちください。

 

 最近の講座を受講した先生から、うれしい便りが届きました。

〈たのしく漢字の力を高めよう〉というテーマで紹介した『漢字もくもく』がとてももりあがっていて、授業参観の日に親子一緒にたのしんだということでした。

 RIDEの講座で学んだことは、それを家庭で、学校ですぐに試すことができる、つまり〈本当に子どもたちの賢い笑顔をうみだすことができるか〉を実験することができます。今回のたよりも、その実験結果の一つです。

 写真がいくつもありましたから少し加工しておとどけしましょう。
 この子が黒板に漢字を書いています。もしかすると、どういう漢字を書き込めばよいのか、仲間たちとアイディアを出し合っているところかもしれません。

 

 これが親子で漢字ゲームをたのしんでいる様子です。

 次回〈漢字モクモク〉のたのしみ方を紹介しましょう。
 少しの空き時間で簡単にたのしめると思います。

 問い合わせが届いているたのしい教育研究所の大人気プログラム〈たのしい教育Cafe〉は来月、6月24日(日)の午前中「うるま市 ユラテク」で実施します。〈理念と方法〉〈願いと技〉それを気軽にたのしむことができる講座です。近々、リーフをUPします、たのしみにしていてください。

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野草を食べるたのしみ③ 桜の葉の味、オオタニワタリの味 他

 野草を食べるたのしみシリーズの区切りの記事です。さっそくいろいろな方達がためしてみた様です。意外な美味しさです、健康的だという評価など、うれしい便りがたくさん届きました。うれしいことです。

 さて桜の若葉の天ぷらはどうだったでしょうか。
 今回は、はじめて天ぷらにした葉っぱを中心に紹介しましょう。

 これが桜の若葉。沖縄では花はとっくに散って葉が茂っています。若葉も出ています。
 小麦粉をつけて熱した油に入れましょう。

 葉が他のものより硬めなので、時間を長くとりました。
 少し焦げめがついてしまいました。

 

オオタニワタリの新芽。
茹でて味噌和えにしたりして、料理屋さんで高級料理として出されている食材です。

小麦粉につけて・・・

熱した油に入れましょう。


厚みがあるので、これも少し長めの時間揚げてみました。

 

 二ガナは、生ではとても苦くて食べることができません。
 わたしは子どもの頃、風邪をひくと、二ガナの汁を飲みなさいといわれて、その苦さに苦戦したことがあります。青汁より十倍くらい飲みづらいと思います。
 さて、これも今回初ちょうせんです。

 二ガナはとても強い植物で、他の植物では生えてこないような、崖の石の間からも成長します。


小麦粉をからめて・・・

 これが二ガナの天ぷらです。

 

ということで、何種類もの野草の天ぷらが出来上がりました。

たんぽぽやセンダングサ、オニタビラコなどはこれまでなんども食べていますから、美味しく食べることはわかっています。

新しく食べてみた野草たちはどうだったか・・・

1.桜の若葉
おいしかった

2.オオタニワタリの新芽
おいしかった
・・・生味が軽く残っていたので、子どもたちには好まれないと思います

3.二ガナ
とってもおいしい!

 ほとんどの植物には外敵から身を守るために、アルカリ性の物質や酸性の物質が含まれていることがあって、それらをまとめて〈アク〉と呼ぶことがあります。アクを大量にとると人間の体にもよくありませんから、気になる食材を料理をする時には〈アク抜き〉という処理をします。アク抜きの方法⇨こちら

 テンプラ料理では、それらのアクが高熱で植物から出て行くので、ふきのとうなど、アクの強いものも、天ぷらにするならアク抜きは必要ないといわれています⇨たとえばこちら

 ですから、二ガナの様な苦味・えぐみ(アルカリ性の味)の味が強い植物も、天ぷらにすると食べやすくなります。

 ただし、アジサイやキョウチクトウなど「毒性」の強い植物もあります。また〈食べられる◯◯という植物〉だと思って摘んだら〈別な植物だった〉ということが起こることもあります。
 野草料理をする場合には、食べられる植物を同定できる人と一緒に始めてください。
 教育の場で安全対策は基本中の基本、たのしい教育も安全あってこそ成り立ちます。この〈いいねライン〉をクリックすることで〈たのしい教育研究所〉を応援することができます !

野草を食べる楽しみ②-調理は簡単

 野草を食べる授業は、子どもたちにも大好評です。ある学校では、わたしが〈野草を食べる授業〉をしているといううわさがPTAにも広まって、夏休みのPTA行事として海岸で実施したこともありました。たのしかったなぁ。

 さて、洗った野草たちを準備してからの続きです。

 小麦粉を水で溶きます。わたしは軽く塩と七味を入れるのが好きですけど、それは無しでもかまいません。

 

 いろいろな野草を一度に入れずに、一つの種類ごとに入れましょう。野草によって、油で揚がる時間が異なるので、一緒に入れると、ある野草はまだ生っぽくて、ある野草は焦げてしまう、ということがあるからです。

 

油を1cmくらい入れて中火で熱したナベに入れます。

 茶色に変わる前に取り出します。ハシで持つと、カリッとした感じがなんとなくわかりますから、シナっとしていたら、もう一度ナベにもどすとよいですね。

 油の温度にもよりますが、若い野草は15秒程度ではできあがります。この写真はナベから出したばかりで、キッチンペーパーが油を吸い取る前なので、見た目では伝わらないかもしれませんが、カリッとしています。

 ひと種類揚げたら、火を止めておくのがよいでしょう。
 衣に入れて、まぜて入れるまでにどんどん熱くなってしまい、すぐに焦げてしまうことも多いからです。

 私が大好きで、子どもたちも「こんな草が食べられるの?」とたいてい驚いてしまうのがセンダングサ。
 こんな野草です。
 草はらを歩くとズボンやスカートにセンダングサのトゲトゲ(タネ)がつくことがありますから、知っている人も多いでしょう。


洗ったセンダングサの葉っぱに衣をつけて・・・

 

熱した油で揚げましょう。

すぐにカラッと揚がります。

これが油であがった野草たちです。

 

 

 食べる時には〈めんつゆを薄めたもの〉か〈塩〉がおすすめです。
 子どもたちはつけすぎてしまうことがあるので、めんつゆのみにするとよいでしょう。
 ある子の提案で〈マヨネーズ〉を準備したことがありました。それも美味しかったです。ただし、野草のほんのりした味わいが消されてしまう感じもするので、わたしは個人的には利用しません。

 
 ところでこの記事を読んだ方達からいろいろな便りが届いています。

〈野草料理の本より美味しそうです〉という様なメール、〈桜の葉って本当に食べられるのですか?〉という様なメールなどいろいろあります。

 次回、それらの味わいも含めて、お届けします。この〈いいねライン〉をクリックすることで〈たのしい教育研究所〉を応援することができます !