たのしい教育Cafeでいつか取り上げようと考えているのが〈手品〉です。
これは若い先生たちを前にしてわたしが〈瞬間移動〉という手品をしていることろです。輪が指から指にポンと移動してしまうスタンダードな手品を見せてあと、指にロックをかけてそれをとびこすという、けっこう好評を得ている手品で、研究所のTM先生の得意技です。
今回もオ〜と声が上がりました。
教師にこういう手品芸が必要かというと、そうではありません。しかし、こういうことができると子どもたちとの距離がとても近くなるのでおすすめです。
そしてその上で「手品もすごいけど、これから先生と授業する内容は、手品よりずっと〈深くてたのしいよ〉」と伝えてあげたいのです。
たとえば天体の授業で〈公転〉を取り上げる。
そこで「私たちは時速10万キロmという超高速で飛ぶ乗り物に乗って宇宙空間を飛んでいる」という驚きを伝えたい。
それは手品レベルでは考えられないほどのとんでもないことだからです。
ライフルの弾のスピードはマッハ2くらいです。
世界最速のジェット機がそれを超えてマッハ3くらいというのも驚きですけど、わたしたちが乗っている地球という乗り物は太陽の周りを〈マッハ88〉で飛んでいるのです。
どうして振り落とされないのか、そういうことを一緒に学んでいくことは実は手品より不思議でたのしい知的エンターテインメントとなるでしょう。
空にかかる虹を、水鉄砲で目の前に作り出せることも、手品以上の不思議でたのしい世界になります。
「岩にしみ入る蝉の声」と詠んだ芭蕉の自然感覚は、手品をはるかに超えた深い世界に子どもたちをいざなうことができるはずです。
学校の授業で、子どもたちがワクワクしながらいろいろなことを学んでいく。それがごく普通の姿となる。そして子ども達が「たまには手品もたのしいけど、うちの担任の先生の授業の方がずっとたのしい」と言ってくれる、そういう教育がたのしい教育研究所が広めている授業です。
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