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日常のたのしい研究のすすめ-ベートーベンスケール[後編]

「ベートーベン・スケール」に興味関心を抱いてくださっている方たちがけっこう多いので喜んでいます。
後編をお届けします。

研究というのは、どこかの実験室でやるものではありません。
日常がつまり実験場です。
「賢くなる方法がありますhttps://tanokyo.com/archives/5402」
にも書きましたが「予想を立ててそれを丁寧に確かめる過程」そのものが研究です。
スクリーンショット 2015-05-16 8.45.07

ですから、日頃、みなさんが
「これを確かめてみたい」とか「これが不思議なんだよ」というようなテーマについて
『予想をもって問いかける」
その予想は、正否がはっきりとわかるような予想でなくてはいけません。
それを丁寧に確かめるのです。

今回のわたしの
「ベートーベンが味わっていた珈琲はどういうものだったのか」
という興味関心を、はっきりと確かめていく過程です。

では「日常のたのしい研究のすすめ-ベートーベンスケール[後編]」、
いきましょう。

ベートーベンは豆60粒をきっちりと計って味わっていました。
わたしが味わってみたところ、この量はけっこういい感じなのです。
その豆の量でわたしのいつものマグカップの大きさで味わったり、エスプレッソレベルの濃さにしてミルクたっぷりで味わったりと、いろいろたのしめそうです。

さて問題は、ベートーベンの様に毎回60粒を数えているのは大変だな、ということです。

わたしは1日にマグでかなりの珈琲を呑んでいます。
研究所にくる方たちに珈琲をたててあげることもあります。
ですから、たとえば1日10回珈琲をたてるとして、そのたびに60粒数えていたり、4人分の珈琲で240粒数えるとなったら大変です。

お気づきの方もいるかと思いますが、それで珈琲のいっぱい様の「計量スプーン」が開発されたのですね。
人間って賢いのですよね。

計量スプーンが、ほぼ60粒測り取れるということなら、これはラッキーです。

これが研究所でよく利用している計量スプーンです。
使い込んでいる感じが伝わると思います。スクリーンショット 2015-05-16 8.50.14予想を立ててみました。
はっきりと正否がわかる様に選択肢は必需です。

もんだい
もしかすると計量スプーンというのはベートーベンが味わった60粒の豆を基準に作られているかもしれない

ア.ほぼ60粒でいっぱいになる…ベートーベンが味わった濃さくらい
イ.少ない粒(40〜50粒など)でいっぱいになる
…ベートーベンが味わった濃さより薄い味わい
ウ.もっとたくさんの粒を入れないといっぱいにならない
…ベートーベンが味わった濃さより濃い味わい
エ.その他

みなさんはどう思いますか?
そして、なぜそう思いましたか?

わたしは個人的に「ベートーベンが数えた60粒の豆が珈琲計量スプーンになっていたら嬉しい」ということで、アを選びました。

しかし、「音楽」で世界に影響を与えたベートーベンが、「珈琲の世界」にの基準になるほどの足跡を残したということは考えづらいかもしれません。
また、昔の人たちは濃い珈琲を飲んでいたとか、貴重だったので薄く作っていたということを考えると、イやウが正しい様にも思えます。

みなさんはどうでしょう。
しっかりと「予想」をたてたら、実験です。

 

実験
 研究所には3種類の珈琲計量スプーンがあります。
珈琲豆60粒を計ってみましょう。

スクリーンショット 2015-05-16 8.33.12
最近買った新しい計量スプーンで計るとけっこう余ります。
イです。
スクリーンショット 2015-05-16 8.33.31使い込んだ計量スプーンで計るとどうでしょうか。
押し込んでもしっかり余ってしまいます。
イです。
スクリーンショット 2015-05-16 14.52.29もう一つ、珈琲のパックを止めるストッパーと一緒になった計量スプーンがあります。
やってみると…
スクリーンショット 2015-05-16 14.52.37山盛りにしてもけっこうあります。

三つ試した結果。
今普通で入手できる珈琲計量スプーンを3つ使ってみると、ベートーベンが味わっていた60粒よりも、ずっと少量でいっぱいになります。

適当に3つくらい試してみたらある程度結論付けてよいだろうと思います。

つまり今の私たちの飲む珈琲の量は、ベートーベンよりも薄めの珈琲をたてる様になっているです。

じゃあ、どうすればよいのか?

一つは「重さ」を図るということです。
けれど、準備面倒な上に、すっきり合わせることがなかなか難しい。
やはり簡単な計量器がほしい。

そこで思いついたのが、ミルクなどを図るために買っておいたミニの計量器です。
100均で売っています。
スクリーンショット 2015-05-16 15.12.44これに入れて線を引いてしまえばよいのです。
ということでやってみましょう。

スクリーンショット 2015-05-16 8.34.03
出来上がりました。
これが珈琲をたてるの時の「ベートーベンスケール」です。スクリーンショット 2015-05-16 8.34.10
いかがでしょうか。

こういうメジャーを使うのではなく、小さな透明の入れ物があれば、それを利用して線を引けば出来上がります。
興味のある方はぜひどうぞ!

おわりに
たまたまわたしは珈琲好きなので、こういう研究をしてみたのですけど、いろいろな人がいろいろな興味関心で研究をすすめていくと、個人としてのたのしみや豊かさだけでなく、周りの人たちも笑顔や豊かさがどんどん広がっていくと思います。

以上

2015年5月16日 日常のたのしい研究のすすめ-ベートーベンスケール[後編] はコメントを受け付けていません たのしい教育の哲学 発想法