論文ワークショップの力-管理職になってからさらに花ひらく

 学校管理職試験も二ヶ月後に迫り〈論文ワークショップ〉も熱をおびて来ています。論文ワークは、本番で狙われるテーマに特化して、関連する法規や基礎知識に関することをおさえていきます。

 たとえば「インクルーシブ教育」の本質は何か?
 実のところはっきり掴んでいない教育関係者はとてもたくさんいます。

 すでにインクルーシブ教育がスタートしているかの様に考えている人たちもいますが、文科省が提示している表題は〈共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進〉です。 

 つまり『インクルーシブ教育システムの構築に向けて特別支援教育の取組をすすめましょう』というわけですから、インクルーシブ教育は道半ばどころか、やっとそこに向かって少しずつ態勢づくりをすすめていきましょうという段階であることがわかると思います。

 インクルーシブ教育はまだまだ〈未来の姿かたち〉なのです。

 そういう教育の骨格を学ぶ中で、管理職として〈先生方の笑顔を育てるため〉にどういうことができるか、という視点もベースにしなくてはいけません。

 論文ワークショップも管理職試験二ヶ月前に迫り、ますます熱を帯びてきています。

 この画像には〈時間が勝負を決める〉と書いたわたしのメモが写っていますが、教員採用試験に向けて学びにくる人たちにも伝えているのですけど〈力はスピードの形〉です。


 どれだけ要点を抑え、実力の伝わる文章を綴ることができても、それに何時間もかけていては、合格することができません。

 構想をまとめ、それをスピードをもって書きまとめる。
   その力は、かなり特訓を重ねていかなくては難しいのです。

 たのしい教育研究所は〈子ども達の学ぶ笑顔、賢さ、たのしさ〉を育てたいという熱意のある方達を支援しています。関心のある皆さんは、お問い合わせください。この〈いいねライン〉をクリックすることで〈たのしい教育研究所〉への「応援票」が入ります!

とても久しぶりに映画の話を おすすめ〈ペンタゴン・ペーパーズ〉

 すごくたまに映画の話を書いていますが、たまにしか映画を観ないわけではなく、わたしは〈映画ライター〉になりたいくらい映画好きです。週刊の「たのしい教育メールマガジン(有料)」には、毎回、映画の紹介を書いていて、それが結構人気です。

 最新号にはスピルバーグの〈ペンタゴン・ペーパーズ〉を紹介しました。

 

 傑作です。

 この記事を書いている日は、最新メルマガの発行前なので、詳しくはかけませんから、はじまりの部分を少しだけ紹介します。

 わたしはメリル・ストリープが苦手なのですけど、この作品の彼女はよかった。

 名優トム・ハンクスはスピルバーグとの前作〈ブリッジズ・オブ・スパイ〉の時の様に、いい演技をしてくれています。

 スピルバーグは50日でこの作品を撮りきりました。
 71歳、年を増してますます円熟さとスピード感・集中力が増している様です。
 

 

〈アメリカの新聞人の気骨〉と新聞で紹介されていましたが、まさにその通りです。いろいろな社会的な問題が起こる日々、こういう人物たちの活躍があったことはわたしたちの誇りです。

 たくさんの人たちに観てもらいたい一作です。

 

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たのしい星空の授業づくり-DNAに刻まれた感覚を

 たのしい教育研究所で星空の教材づくりをはじめています。
 星に詳しい方たちと、時間の合間をぬって、お話を聞き訪ねているのですけど、「天体望遠鏡を貸してあげましょう」と、提供してくれる方がいました。
 うれしいことです。
 というわけで研究所には今、天体望遠鏡があります。


 壁の地球に向けているのがわかるでしょうか。
 もちろん近すぎて見えません。

 みなさんは、最近、星空を眺めたことがあるでしょうか。

 どの程度の規模のアンケートだったのか覚えていませんが「〈一年以上前〉という答えがもっとも多かった」という結果だったということを覚えています。

 夜空を眺める、それはとても豊かな時間です。

「この広い野原いっぱい咲く星」と表現した歌や「星が森に帰る様に」と詠った歌があります。素晴らしい表現形だと思います。

 万葉、飛鳥の歌人、柿本人麻呂は
   天の海に 雲の波たち 月の船 星の林に 漕ぎ隠る見ゆ
という歌を残しました。

 〈天の海〉とはわたしたちの銀河、天の川のことです。
 月の船というのですから、三日月が浮かんでいたのでしょうか。

 夜空をたのしむ時に「宇宙は膨張している」とか「ダークマターに満ちている」とか、科学上の新しい知識は必要ありません。
 今の様に光の無い時代の私たちの祖先が、危険な夜の状況の中にあっても、星に見とれていた、その感覚はわたしたちのDNAの中にしっかりと刻まれているに違いありません。

 こんな感じで、夜空を眺める人たち、家族が少しずつ増えてくるとよいなと思っています。一緒に〈たのしい教育〉を広げませんか→このクリックで〈応援票〉が入ります!

 

 

〈子どもの学力は低下している〉という批判は正しいのか? ②

 「近頃の子ども達は、こんなことも知らない、あんなことも知らない」「学力が低下している」という意見について考えてみる続きの話です。嬉しいことに、さっそくいろいろな方たちから「早く読みたい」というメールが届いています。嬉しいことです。最近は「記事のラストにある〈応援票クリック〉を押しましたよ」というメールも届き始めました。こういう頼りはこれまでにあまりなかったことで、それもとても嬉しい便りです。
 そういえば〈学校で紹介しています〉という方からのメールもありました。ますますこの記事に力を注ごうと思っています。

 さて、日本の物理学者を育てた長岡半太郎でさえ、その諸先輩達から「学力がない」と批判されていた、という話の続きになります。まだの方は一つ前に戻って読んでから、ここに戻ってください。

 東京の読者の方から「長岡半太郎がすごい科学者であることは切手になっていることからもわかりますよ」という便りがありました。調べてみると確かに切手にもなっています。

 その長岡半太郎でさえ諸先輩達から「学力がない」と批判された、というのです。
 誰でも初めは学力がないのがあたりまえだから、それで批判されたというのでしょうか?
 違います。

長岡半太郎さんの時代、東大の授業は英語です。

 教科書も英語だし、教師の大部分は外国人です。だから英語はペラペラしゃべれたりもしました。

 明治の初めにあって抜群の学力があったことになります。

しかし、その長岡さんでさえ「学力が低下した」と、みんなから言われたのです。 

 

 なぜか?

 

 江戸時代の人からすると、手紙は筆で候文で書きます。

それが書けないというのです。

 

 そりゃそうですね。

 

 英語での対話が十分出来るように勉強したのですから、普通の手紙でも危ないかもしれないのに、候文で、しかも筆で書くなんてことは出来なくて当然です。

 

 もし、そんなことが出来たとしたら、英語の勉強はおろそかになっていたかもしれないし、物理学の勉強も怪しいかもしれないのです。

 だから〈新しい時代には、新しい学力がある〉ということになります。

 ところが年寄りは〈新しい学力〉なんて一切考えないで、自分たちの知っている知識を、今の若者たちの知識の量と比べて「今の若者たちはこんなことも知らない」とか、「あんなことも知らない」とか言っているのです。

 

 とくに最近なんかは、漢字で「こんな漢字の諺も知らない。あんな諺も知らない」と言っていますが、あれは大変極端な例を出して、広告も出ているので皆さんも「子どもたちの身になって考えることが出来る」と思いますが、おそらくは皆さんも知らないような言葉を「知らない」と言って、若者たちは攻撃されているのです。

 

 すごく古いセンスで古い時代を守ろうとしているのです。

 

 「新しい時代を切り開く」としたら、それにとって重要とはいえない古い時代の知識は「知らない」と言うことが勲章であります。

 

 若者たちは、そういう年配者たちに特別に反撃はしませんね。

 けれども「今の若者たちはこんなことも知らない。あんなことも知らない」という人たちは、おそらくパソコンは使えないのです。そして携帯電話も持っていないのです。

 若者たちを批判する年配の人たちは、そういう文化が自分たちのものになっていないのです。

 新しい時代にはついていけないのです。

 まだ続きますが、刺激の強い話もたくさん出てくるので、サイトではここまでにしておきましょう。

 わたしたち大人は、特に自分の子どもの教育や、広くいろいろな人たちの教育に携わる人たちにとって〈とても重要な視点〉だと思うのですが、どうでしょうか。

 たのしい教育メールマガジン(週刊・有料)には〈たのしい教育の発想法〉といって、なかなか自分では思い至らなかった見方や考え方を学ぶページもあります。興味のある方はお申し込みください。
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