いじめと教師/授業で勝負するとはどういうことか

「月刊たのしい授業」という雑誌があります。
教材や、ものの見方・考え方などが載っている雑誌です。
たのしい授業 2015年 06 月号 [雑誌]

沖縄で「たのしい教育」をひろめる活動は「月刊  たのしい授業」と歩みをともにしていたということができます。

「月刊 たのしい授業」が創刊された1983年は、わたしが「沖縄の学力構造の統計的分析」という論文のまとめに追われていた大学4年の年です。

教員採用試験を受け、無事、現場の教師となった1984年、沖縄に、たのしい教育の最初のサークルができまた。
たった二人の船出でした。

 その頃は「受験戦争」がどんどん問題視され、「いじめ」が社会問題となっていた時でもありました。
そういう中「月刊 たのしい授業」にこういう記事が掲載されました。

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 イジメ事件が起こった時に「教師の責任」が問題になる。
なんだか「子どもを監視していたかどうか」というようなことばかり追求されたりする。
 それだけじゃおかしいですよ。
 もっと根本的に「イジメでない授業をする」というのが教師の責任でしょう
「勉強とはつらいものだ」とか「子どもがかわいいからシゴクのだ」なんていうのが一般に常識みたいになっているから「かなりイイといわれている教師だって、やってることはイジメと同じじゃないか」なんていう問題意識が出てこない。

 板倉聖宣「正義と民主主義の問題としての いじめ 」
月刊たのしい授業1985-5 7p


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 あたまを殴られた思いがしたのをいまでもはっきりと覚えています。
わたしの原点の一つです。そして「たのしい教育研究所」が提唱している授業がそれに対する具体的な答えです。

 子ども達の笑顔、先生方の笑顔、保護者のみなさんの笑顔にまっしぐらの「たのしい教育研究所」です。1日1度のここの「いいね」クリックで〈たのしい教育〉を広げませんか➡︎ いいねクリック=人気ブログ!=

 

科学者ファラデーも普通の人間

教育の世界で有名な板倉聖宣ですが、教育の世界で注目される前から「科学史」で独自の研究をしていました。
現在は「日本科学史学会」の会長もしています。
子ども達向けの本をかなり書いている板倉聖宣の話は、内容が魅力的であるだけでなく、とてもわかりやすいのですよ。

最近、ガリレオやファラデーの文献をあたっているときに、板倉聖宣が「ファラデー」について講演で語った文章を読みました。

ファラデーの収入や健康状態などを読むと、さらにファラデーのことが魅力的に思えてきました。
皆さんも読んでみませんか。
1991年夏「授業科学の方法論研究会(阿蘇)」で語られた内容です。
古いコピーがあったので、それを書き起こしました。読みやすくなる様に喜友名が少しだけ手をいれました。

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ぼくは、学生時代から〈アリストテレスはどうやって生活していたのか〉ということが気になっていました。
何故そんなことが気になったかというと、ぼく自身が、大学を卒業したらどうなってしまうのか心配だったからです。

ぼくは何かをして稼がないと科学者にはなれません。
アリストテレスみたいになるにはどうしたらいいか。
ガリレオみたいになるにはどうしたらいいか。

ガリレオは大学教授になりました。
大学教授になると食べていけると普通は思います。
しかし、大学教授になるのも簡単ではありません。
ファーブルは、師範学校を出て小学校の先生になりました。
しかし,小学校の先生より中学校の先生の方が収入が良いということで、検定試験で中学校の先生になって物理と化学を教えました。
ファーブルは、書いた啓蒙書が当たってたくさん売れました。
それで校長とけんかして、学校をやめて『昆虫記』を書いたのです。

ぼくはファーブルの収入調査もしました。
ヨーロッパでは収入によって人を差別する習慣があるので、日本よりヨーロッパの方が収入調査ができます。

江戸時代でも100万石しか1万石とか5万石とかの大名がいました。
◯◯石だとわかる、というのは収入調査の一種です。
明治時代には、渡辺敏が40円校長だと新聞に出たことがありました。
戦前は校長の月給が新聞に出ていたのです。
市町村の教育委員会が「今度はいい校長をいくらで連れてこよう」という事を決めていました。

ファラデーは面白い事があったから科学をしたのです。
そしてファラデーはお金を稼ぎすぎて体を壊します。
いくら稼いだかというと今のお金で年間に2000万円ぐらい稼いでいます。
2000万円も稼いでいるのですから、これは出世です。
でも体をこわしたので彼はお金を稼ぐことをやめました。
みんなは体をこわしたファラデーを心配して、アルバイトしなくてもお金が稼げるようにいろいろ援助してくれています。

そういう歴史を見ると、人間らしいファラデーが見えてきます。
天才ファラデーではなく「人間ファラデー」です。

ぼくたちも人間です。
ファラデーやえらい人は人間じゃないみたいに思うかもしれませんが、たのしい事が好きで、つまらないことが嫌いです。
みんな同じです。
私もファラデーだし、あなたもファラデー。
みんなファラデーです。

このように「ファラデーは私と同じ人間だ」という事になると研究の仕方がぜんぜん違ってきます。
「彼は天才だから不思議なことが考えられる」と思っていると、ファラデーの書いたものをみてもまともに読まないうちに「やっぱり天才だ」とすぐ言ってしまうでしょう。
「ファラデーは天才だ」と言ったら何考えなくてすみます。
でもファラデーは私と同じだ、としたら「ファラデーってこういう時にどんな事をかんがえるのだろう?」と考えるのです。

板倉聖宣はその後「わたしもファラデー」という本を書きました。
興味のある方は、ぜひどうぞ。
わたしも、その本をまた再度読みたいと思っています。

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宇宙生命体はいつ見つかるか/平林久先生・遠藤純生先生と語らう

電波天文学で世界的に有名な平林久先生と、宇宙教育で全国を飛び回っている遠藤純夫先生が沖縄に来てくれています。
研究所の仲間たちと連れ立って、食事をしながら一緒に語りあってきました。

スクリーンショット 2015-05-31 13.10.58
平林久先生
http://iss.jaxa.jp/utiliz/renshi/message_pop06.html

 

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遠藤純夫先生
https://tanokyo.com/suisen

 

 

平林先生は電波望遠鏡で世界的に有名な方です。
私は光栄にも、沖縄のコズミック・カレッジで一緒にブラックホールの授業をさせていただきました。

平林先生は、最近「宇宙人に会いたい」という本を出しています。

ということで、まずは「宇宙生命体」の話になりました。
居酒屋さんでのトークなので、気軽に受け取ってください。

わたし
「知的生命体っていうのではなく、宇宙の生命体が見つかるのはいつか、って予想しましょうよ。わたしは10年以内」
平林先生
「喜友名先生、10年っていったら、宇宙の研究開発のスパンで考えると短すぎだよ。2倍、3倍かかるんじゃない?」
遠藤先生
「それを持って帰ってこなきゃいけないんだよ。100年レベルはかかるでしょう」
わたし
「映像でいいじゃないですか、遠藤先生」
遠藤
「そんなんじゃねぇ」
わたし
「もう、がんこなんだから」
とたのしい会話はどんどん続きました。

平林先生は剣道の達人です。
わたしは空手を学んでいるので、武道談義にも花が咲き、
遠藤先生の
「道がつくっていうのとつかないのはどういうわけ?」
という一言に、さらに夜がふけていきました。

みんなで並んで遠藤先生・平林先生の宿泊先まで戻る道すがらも話は続き、
駐車場の金網を前に平林先生が
「これがA地点だとする。
 B地点に向かうとしたら、こう直線でとると速いと思うでしょう?
 ところがねぇ…」

と解説。
スクリーンショット 2015-05-31 13.52.16実にたのしいひと時でした。
沖縄の宇宙教育に強くかかわってくださっている心強い方達です。

沖縄のたのしい教育・楽しい授業・たのしい先生方の育成に全力投球の「たのしい教育研究所」です。

 

お茶はカンタン!/ヨモギ茶はおいしい

沖縄が大好きで、うちの研究所にもよく足を運んでくれる神奈川の友人がいます。
毎月というほど沖縄にやって来るのですけど、最近少し体調を崩しているという連絡がありました。

見舞いに沖縄の薬草の代表格「ヨモギ」と「ニガナ」を送ることにしました。
いつも散歩にいく公園に両方とも生えているのですけど、残念なことにヨモギはほとんど刈り取られていました。

近くを歩くと、花畑の横にヨモギがありました。
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タイミングの良いことに、主の方が手入れをしています。
ヨモギをもらってよいか尋ねると、「どうぞ」とのこと。
なんなくいろいろな話になって、ヨモギを送るのだということに触れると、「それならいっぱいもっていってください」と、こんなにくれました。

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友人に送っても、だいぶ余ったので、ヨモギ茶を作ってみることにしました。
不味かったら不味かったで、別なものをためすといいのです。
何しろいっぱいありますから。

洗ったヨモギをボトルにいれて、たてたお湯を注ぐと、いい香りがしてきます。

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カップにいれると、いい色です。

スクリーンショット 2015-05-29 21.19.53味わってみると、とってもおいしい。

お茶っていうのはとてもカンタンなのですね。

研究所に来てくれた方達にも出してみましたが、全員「おいしい」といってくれました。

だいぶ前に、乾燥させた「ヨモギ茶」をたてて飲んだことがあるのですけど、それより美味しく感じてしまいます。が、それは手前味噌なのかもしれません。

結局ハーブ・ティーなのです。
山でキャンプをするときに、ササをあぶってお茶にして味わうことがありますが、それも一緒ですね。

先日紹介した「たのしい環境教育プラン サバイバル入門」では、食べられる野草をとりあげたのですけど、おまけバージョンで〈おいしいお茶〉を載せるのもよいかもしれません。

しばらく、いろいろな野草を味わってみようと思います。

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