たのしい管理職試験特訓 テーマ「教師のメンタルヘルス」

「たのしく賢くなる教育=たのしい教育」に賛同する管理職の方はたくさんいます。これまで県内のいろいろな学校、教育委員会を訪ね、教育長さん、校長・教頭先生をはじめ、関係者の方達とお会いして意見交換をさせていただきました。その中で「たのしい教育」についてとても肯定的な感想評価を数々得てきました。
 わたしの授業に参加して後、私の手を握り「これですね、喜友名先生」と深い感動を伝えてくれた教育長さんや校長先生が何人もいます。「喜友名先生の授業を子どもの頃受けてみたかった」という感想を伝えてくれたり、慰労会で「喜友名先生、わたしが退職したらぜひ研究所で一緒に活動させてください」と語ってくださった管理職の方もいます。とても光栄なことです。

たのしく賢く学力向上3 以前も書いたと思いますが、もともと「たのしいことは嫌いだ」という人はいないのです。心をゆさぶれる様な教育、子ども達が学校に早く行きたいと考えてくれる様な教育ができるとしたら、教育者として本望ですし、その思いは、教育を志した人たちに共通する思いでしょう。

 ただし大切なことは、それが目標や理念として独立したものではなく、その目標・理念が実現できる〈具体的な教育内容〉と「一体」になって広まっていくことです。

 私がいろいろなところで「たのしい教育の魅力を語るだけ」の人間だとしたら、この研究所は一年後にはなくなっていたと思います。あるいは逆に、マスコミをターゲットにして引っ張りだこになり、お金を貯めることが目標となったり、人気目当ての空虚な人生になっていたかもしれません。

 理念や目標とした語ることと同時に、いろいろなところで授業し、子ども達や保護者の方達から高い評価を得て、「たのしい教育」を志向してくれる先生たちが着実に増えてきてくれたからこそ、五年目の今も着実な進歩を続けることができるのです。

 理念と実践を一体にして「たのしい教育」を広めていく時、わたし自身がいろいろな学校に足を運んで、たのしい教育を広めることも大切ですが、たのしい教育を実践することができる実力ある先生たちを育てることも大切です。そして、その先生たちを強く支持し、支援してくれる校長先生や教頭先生が増えていくことも、とても重要です。そういった管理職の方達を育てる活動はかなりやりがいのある活動の一つです。

 さて某日、管理職試験を受ける方の〈論文特訓〉を実施しました。
 テーマは、ある担任の先生が、クラスの子ども達、そして保護者の方達とうまくいかなくなり、精神的にかなり参って学校に来なくなってしまった。管理職としてどのように支援していくか、です。

 たのしい教育研究所の論文特訓では「すぐに書き出してはいけない」ことも学んでいただきます。「ブレインノート(下の方に少しだけ写っています)」といって、わたしが開発した構想ノートを作成する手法からすすめていきます。

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 きっとこの方も、たのしい教育派の先生達をあたたかく、そしてしっかりと支え育ててくれる一人になっていくものと思っています。
 ゆっくりではあっても着実にたのしい教育の広がりを感じる冬の日々。
 たのしい教育の活動そのものがたのしくてならない今日この頃です。

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瀬を早み 岩にせかるる 滝川の/古典に親しむ

 たのしい古典・古典に親しむとして少し書かせていただきます。たのしい教育研究所は何しろ「たのしい教育」に関する森羅万象を対象にしていますから、古典も十分にその範疇です。
 研究所に熱心に通うA先生からこういう便りが届きました。

 読解の苦手な私は、以前きゆな先生が「無人島に持って行く一冊なら高校の国語の教科書だ」といっていたのを思い出して、高校の国語の教科書を手に入れました。
 とてもたのしく読んでいます。ゆっくりですけど、以前より苦手意識が薄らいできた感じがしています。

 さて、古典や漢文もこの調子で力を高めたいと思うのですけど、高校の古典や漢文を入手した方がよいですか?

 残念ながら「古典漢文を高校教科書で、というアイディアはNo-Goodです」と答えました。古典・漢文は、その人の苦手度合いがかなり大きく影響するので、その方には、具体的に話を聞きながら、アドバイスしてあげることにしました。

 ところで、かなり苦手な人から、ある程度親しんでいる人たちまで、おすすめの作品があります。本ではありません、DVD作品です。

 映画(DVD)「ちはやふる(上の句・下の句/二本)」です。

 以前、メールマガジンに詳しく綴りましたが、このサイトにも少し書かせていただきます。

 パッケージを見ると、ちゃら系の作品に思えるかもしれません。
 しかし騙されたと思ってレンタルすることをお勧めします。ちなみに私は20年以上前から「1日一本映画マラソン」をスタートさせ、教師を辞職して研究所を立ち上げてからは、さらにその数が増えています。もちろん20年以上まえから映画を観て来ていますから、軽く数えても1万本は下らない数の作品をじっくり観ています。さらりと観た数を入れると、その数はもっと多くなります。その中から「古典に親しむ」というフィルターにかけても、この「ちはやふる」を越す作品は見つかりません。

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 この作品には和歌(百人一首)がいくつも出て来ます。
 その一つが今回のタイトルにある

「瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に 逢むとぞ思ふ」です。

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 でもいつか再び出逢いましょう

 そういう歌です。

 

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〈サ行変格活用〉とか〈係り結びの法則〉とかに惑わされて嫌いになるのではなく、心から湧き出でた思いを表現するには、この言葉しかない、そういう優れた作品たちが長い歴史の試練にも耐えて「古典」として残ったのです。私たちの感動にもきっと重なるものがたくさん見つかるはずなのです。

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板倉聖宣からの宿題(4)たのしい植物入門「サトウキビはどういう植物と同じ仲間でしょう?」

 板倉聖宣からの宿題 サトウキビはどういう植物と同じ仲間でしょう? /たのしい植物入門 の4回目となります。このプランはいずれ一冊にまとめたいと思っていますので、サイトに紹介するのは今回までにします。完成をたのしみにしていてください。この冬の「たのしい教育Cafeスペシャル」に間に合えば、ナイター研修で授業してみたいと思っています。

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 予想してみましたか?
 「どういう植物かわからないから予想できないものがあるよ」というかもしれません。そこで今度は写真をつけてみます。

・(   )  竹

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※節の感じがサトウキビに似ている感じがしますけど、竹の中は空どうですし、葉っぱの感じも違って見えます
あなたの考え[                   ]

・(   ) トウモロコシ

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 あなたの考え[                   ]

・(   ) ススキ

%e3%81%9f%e3%81%ae%e3%81%97%e3%81%84%e6%a4%8d%e7%89%a9-%e3%82%b9%e3%82%b9%e3%82%ad※サトウキビもこういう白い穂ができますが、茎の細さからみると、違う様にも思えます
 あなたの考え[                   ]

 のこりの植物は、説明なしでいきましょう!

・(   ) エノコログサ

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・(   ) 庭のシバフ(芝生)

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 ・(   ) ムギ(麦)%e3%81%9f%e3%81%ae%e3%81%97%e3%81%84%e6%a4%8d%e7%89%a9%e5%85%a5%e9%96%80-%e3%83%a0%e3%82%ad%e3%82%99 あなたの考え[                   ]

 

予想してからね

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予想してからね

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========== お話 サトウキビの仲間たち ==========

 みなさんの予想はどうなったでしょうか。
 写真を見る前と、見て後では違う予想になった人もいるかもしれません。

 らいきくんがなんとなく予想したこれらの植物は、大きさも様々ですし、見た目に違うところもいろいろあります。

 ところが科学者たちは、これらの植物は全て「同じ仲間だ」と分類しています。  サトウキビもトウモロコシも、ススキも芝生も、全て似た仲間たちなのです。
 科学者たちは、それらのグループを「イネ科の植物」とよんでいます。

 そもそも似た植物、違う植物というのは、何を元にしているのでしょう?

 一緒に考えてみましょう。

 人間が植物を今の様にいろいろと分類する前は、植物を大きく「木」と「草」とに分ける考え方がありました。一本一本どっしりとして、かたく大きな植物を「木」と読んで、地面にはう様に生えている植物たちを「草」と呼んでいたのです。
 そのうちに竹の様な、草が大きくかたくなった様な植物が気になりはじめた人たちもいました。それらは木や草とは別に「竹」のグループとして名前をつけました。

 そうやって、今ではとてもたくさんのグループに分けられています。

 植物の分類を世界的に広めたのはリンネさんという植物学者でした。今から300年くらい前に活躍した人です。
 リンネさんは、一見似た様に見えていても、これらの植物は違うグループに分けた方がよい、とか、違う様に見えていても同じグループにした方がよい、ということを、整理して『自然の体系』(Systema Naturae、1735年)という本にまとめました。

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 上が一番大きなグループのまとめ方で、下にいくほど小さなグループになります。

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 この様に、いろいろな段階の分け方があるのですが、私たちが「この植物は似ているね」とか「似ていても違うグループだね」という様に利用するグループ分けで比較的私たちがよく利用しているのが「科」という分類です。動物でいうと「イヌ科」とか「ネコ科」という様な「科」です。

 そしてここで取り上げている「サトウキビや芝生は〈イネ科〉の植物だ」という様な分け方がそれです。

 以下まだ続きますが、公式サイトで見ていただくのはここまでとします。以後はたのCafeなどでの検討会を経て「砂糖に目をつけるといろいろなものが見えてくる」というプランにしたいと思っています。
 ご期待ください。

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板倉聖宣からの宿題(3)サトウキビはどういう植物と同じ仲間でしょう? /たのしい植物入門

 板倉聖宣からの宿題 サトウキビはどういう植物と同じ仲間でしょう? /たのしい植物入門 の3回目となります。このプランはいずれ一冊にまとめたいと思っています。続きをどうぞ。

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 さて小学生のらいきくんも、先生にそう質問されて考えてみました。そして「大きさなどは違っているけど、何となくサトウキビと似ている感じがするなぁ」と思った植物にはこういうものがありました。
 みなさんは、らいきくんの考えについて、どうおもいますか?
 同じ仲間だと思ったら○
 違うと思ったら×
 わからないという場合には△ をつけてみましょう。

「サトウキビと同じ仲間かな? ○×△」
 らいきくんの考え。

・(   )  竹
 なぜその印をつけましたか?
 あなたの考え[                   ]

・(   ) トウモロコシ
 なぜその印をつけましたか?
 あなたの考え[                   ]

・(   ) ススキ
 なぜその印をつけましたか?
 あなたの考え[                   ]

・(   ) エノコログサ
 なぜその印をつけましたか?
 あなたの考え[                   ]

・(   ) 庭のシバフ(芝生)
 なぜその印をつけましたか?
 あなたの考え[                   ]

 ・(   ) ムギ
 なぜその印をつけましたか?
 あなたの考え[                   ]

続く

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