わからないことを楽しむ

 これから書くのはメルマガの発想法の章に書こうと思いながら、なかなか手がけられずにいるテーマの一つです。そして最近わたしに届いた悩みに対する答えでもあります。このサイトに書いて反応をみつつ、頃合いをみてメルマガにじっくり書くこともあるので、まず気軽に書き始めたいと思います。

 不思議なことなのですけど、よく考えてみると不思議でも何でもない、という話から。

 ある事を学んでいくと、それが分からなかった頃より明らかに知識は増え理解は深まっているはずなのに、分からないことが増え広がっていることに気づきます、おかしい・・・

 皆さんはそういう経験はありませんか?
 だんだん自分が無知になっていく様な感覚。

 私は合格SVなどでたくさんの受験生の相談を受けてきたこともありますし、かなり高度な科学の内容を〈たのしい教育プラン〉にして授業してきた中で、次第に「あれはどうなのだろう、これはどうなのだろう、わからない」という様に感じていく方たちの思いを受け止めてきたこともあります。
 そして私自身がそういう感覚を何度も味わってきました。

 「かけ算九九」を学びはじめて〈二の段〉を覚えた、知識量は増えて、残りは〈三~九の段〉になる。今度は三から五の段まで覚えた、すると残りは六~九の段。
 着実に知識は増えていくわけですから、未知の部分は減っています。

 それなのに学べば学ぶほどに「あれも分からないこれも分からない」という様に自分の未熟さを突きつけられていく・・・
 変ですよね。

 けれどそれは変でも何でもなく〈当たり前〉のことなのです。

 たとえば生まれたての赤ちゃんが産科の病棟からはじめて自宅にいく。
 これまで赤ちゃんの世界は病院のベッドから見えている世界、そして時々やってくる看護婦さんやお医者さん、母親そして身近な家族だけだったのに、家にはいろいろなものがある。次第にハイハイできるようになると、向こうの部屋はどうなっているのか、時々いい香りが漂ってきて、パチパチとかジョワ~と音がする暖かいあの部屋は何なのか、未知の世界が広がっていきます。
 ハイハイから立ち上がって歩くようになり、時々家族と外に出かけるようになると、ますます未知のものが増えてきます。
 チチチチ~と鳴きながら空を飛んでいるあれは何なのか?

 たくさんの大きな物体がブ~と音を立てて臭いガスを出しながら次々と走り抜けていく、あれは何なのか?

 そもそもどうして外は明るかったり暗かったり暖かかったり寒かったり、時には上から水が落ちてくる・・・、何なんだ?

 世界が広がると未知のものが増えていくのはあたりまえのことなのです。

 いやそれは物質世界のものだからであって知識理解はそうではないだろう、と思う人がいるかもしれませんね。 

 でも同じです。

 かつて人間は原子・分子のことなど知りませんでした。

 それが「明らかにこの宇宙の全ては原子分子からできている」ということが分かってくると、その原子分子の不思議なふるまいによって起こるいろいろな現象が分からなくなってきました。


 熱いとは何なのか 寒いとは何なのか?
 原子・分子など知らない時には「火は熱い、火に当てたものを触るとやけどする」くらいの知識で済んだのに、原子分子の存在が分かってくると、熱いとは何なのか冷たいとは何なのか、原子分子のふるまいで説明できないか考えるようになります。
 難しい問題です。
 いろいろな予想実験を経て、熱い冷たいということ、つまり温度というものは実は〈原子分子の運動スピード〉だということが分かりました。
 原子分子の運動スピードが速ければ速いほど温度が高いのです。普通の水でやけどすることはないけれど、ハイスピードで動きまわる〈水〉に触れると、その運動で皮膚が痛めつけられボロボロになります、〈やけど〉というのがそうです。目に見えないくらいの小さな原子分子がおそるべき早さで皮膚に当たって傷つけていったわけです。

 原子分子のことが分かっていくと、今度はその原子分子は何でできているかという未知の領域が増えていきました。
 そして、原子分子を形作る〈量子〉というものたちは、私たちの感覚的なものでは理解不明な振る舞いをすることも分かってきました。
 ハイゼンベルグが〈不確定性原理〉として明らかにした様に、量子の動きは不確定という意味不明な世界に入っていくことになります。

 いろいろなことが分かってくるにしたがって、そこからさらに何本も何十本も広がる未知の領域が出てくるのです。

 私の好きな落語のまくらに
「昔は病気なんて〈腹いた〉と〈頭いた〉くらいしかなかったのに、最近は胃が悪いとか痛風とかいって病気がどんどん増えてきて大変だ」
という話があります、似ています。

 なぜか?
 私たちをとりかこむ世界は〈かけ算九九〉の様な有限(限りあるもの)の世界ではなく無限に広がる世界だからです。

 もしかしていろいろなことを学んでいるのに、どんどん分からないことが増えていく様に感じて、〈自分の力が落ちているのではないか〉と不安になったりする時、それは自分が無知蒙昧(むちもうまい)になってきたのではなく、実は自分の世界が広がってきたから、力が高まってきたから感じているのです。

 そして「あれも分からない、これも分からない」ということは〈たのしみがどんどん広がってきた〉ということでもあります。
 赤ちゃんが産科から自分の家に行き未知の世界がゆっくり広がっていく。
 その未知の世界をゆっくりひもといていくことは赤ん坊にとって喜び以外の何ものでもありません。
 この宇宙の森羅万象(しんらばんしょう)を前にした私たちは赤ん坊と同じだといってもよいでしょう。
 一生たのしんで暮らせますね(´ー`

毎日たのしい教育に全力投球、たのしい教育研究所(RIDE)です。みなさんの応援クリックが元気のバネです➡︎一緒に〈たのしい教育〉を広げませんか。簡単な方法があります。ここのクリックで〈応援している〉の一票入ります!

 

元日もたのしく散歩/2021年の〈つぼみ見〉スタート

 2021年の始まりの日も例年通り〈つぼみ見散歩〉をすることができました。

 離れたところから見るサクラはこうです。
 葉は落ちてしまったことはわかりますけど、つぼみが膨らんで開花の準備をしているのかどうかわかりません。

 でも近づくとはっきりわかります(太陽の光は薄かったのでやや暗めに映っています)。

 

 ちなみに去年の同じ場所で撮ったつぼみはこうでした。
 青空で陽の光もたっぷりの暖かい日でした。

 鮮やかさクッキリ感の違いで去年が膨らんでいる様に思えるかもしれませんけど、長年〈つぼみ見〉をしてきた感覚でいうと、ほとんどおなじくらいです。

 今後の寒暖の具合も影響しますけど、今の状況でみれば開花の時期はあまりかわらないでしょう。
 桜の花をみつけたら例年通り「一番ザクラ祭り」です。

 またサクラの下でみんなの笑顔をみることができるのがとてもたのしみです。

 みなさんも身近な植物たちの変化の様子を味わってみませんか。たのしさを見つけたらRIDEに写真を送っていただけたら幸いです。

毎日たのしい教育に全力投球、たのしい教育研究所(RIDE)です。みなさんの応援クリックが元気のバネです➡︎一緒に〈たのしい教育〉を広げませんか。簡単な方法があります。ここのクリックで〈応援している〉の一票入ります!

寒い風の中でも熱い想いを

〈あっという間の一年〉という使い古された言葉があるけれど、たとえば今日という日さえあっという間に感じることはありません。ほんとうにたくさんのことをしてきました、それが365日、とても密度の濃い一年でした。

 たのしさという方向に伸びていくたのしい教育研究所(RIDE)のメンバーはおかげさまで今年も元気にたくさんの活動を進めることができました。
 暴れまわるコロナも、私たちのたのしさを妨げることはありませんでした。

 RIDEの〈たのしさ〉は、自分一人だけがたのしいと感じる様なものではなく、社会的なものです。いろいろな人たちがたのしいと感じるものごと、そしていろいろな人が周りの人たちの笑顔を見ることによってたのしくなっていくもの、そういうものが対象です。感染症対策もたのしい教育の重要な対象です。そうやって日々、いろいろな活動を重ねてきた一年でした。

 やむなくサイトをストップして引っ越し作業に2~3ヶ月費やしましたけど、こうやってまたみなさんに気軽に読んでいただけることも嬉しい一つです。

 2021年は2020年の続きということではなく、新たな展開を考えつつたのしく活動していきたいと考えています、ご期待ください。

 さてたのしい教育研究所(RIDE)の第三研究所に掲げていた、いろいろな人達の2020年の願いを寒い夜、雨と雨の合間に〈原子分子〉にして夜空に舞上げ灰を土のなかにしみたらせました。

 全て叶うわけではありませんけど、だいたい7割以上の確率で願いは成就しています。

 炎を見ていると、寒い冬の中でも熱いものがこみあげてきます。

 今年もお世話になりました。
 2021年も応援よろしくお願いいたします。

毎日たのしい教育に全力投球、たのしい教育研究所(RIDE)です。みなさんの応援クリックが元気のバネです➡︎一緒に〈たのしい教育〉を広げませんか。簡単な方法があります。ここのクリックで〈応援している〉の一票入ります!

はやぶさ2の快挙

 私いっきゅうは石マニアで、石や砂を〈地球のかけら〉とよんで大切にしています。今まで旅したところキャンプしたところの石はたいてい大切に保管しています。またいろいろな人たちが石をプレゼントしてくれるので、コレクションはかなりたくさんあります。

 地球外から来た石もあるんですよ、そう〈隕石〉です。隕石コレクションも20以上にのぼると思います。
 RIDEの廊下に展示してありますから、興味のある方は自分で手にしてみるとよいですよ。

 さてさて〈はやぶさ2〉の快挙が続いています。2014年12月3日に地球から飛び立って〈小惑星りゅうぐう〉に降り立ち、収集した岩石をカプセルに納めて今月2020年12月5日にそのカプセルを地球に送り届けてくれました。

 前回の〈はやぶさ〉はこな粒ほどの岩石サンプルだったのですけど、その〈はやぶさ〉での実績が功を奏して〈はやぶさ2〉では小石くらいのサンプルがゴロゴロ入ったカプセルを届けてくれました。一個研究所にもらえないかな。

 前回の〈はやぶさ〉はカプセルを届けるとほぼ同時に燃え尽きたのですけど、今回〈はやぶさ2〉はそのまま飛び続け、何と次の小惑星に向かったというのも驚きです。

 経済にしろ政治にしろ暗く重い話が続く日本で、これだけのことができる日本人チームがいることは誇りです。

 ちなみにたのしい教育研究所(RIDE)は「はやぶさプロジェクト」とけっこう関わりがあります。

 RIDE応援団のメンバーには前回・今回とはやぶさチームと強く関わっている的川泰宣先生がいます。わたしはTVと離れた暮らしをしているので直接は観ていないのですけど、今回もテレビに映っていたといいます、観た方から〈元気そうでしたよ〉という嬉しい言葉もありました。

的川泰宣(まとがわやすのり)先生のこと

〈はやぶさ〉チームでカプセル回収をリードした並木道義さんも重要な応援団の一人です。オーストラリアでカプセルを回収した時の話など、ドキドキたのしい話がいっぱいです。コロナがあけたら、いつか少人数で、その時の話をしていただきたいと思っているところです。

応援団 並木道義先生からのメッセージ

〈はやぶさ〉のチームリーダー川口淳一郎さんが沖縄に来てくださった時にはトークの相手を勤めさせていただいたこともありました。

川口淳一郎さんと/はやぶさの魅力を伝える本

 沖縄でのはやぶさのカプセル展示のイベントにもかかわらせてもらったこともありました、とすると沖縄で〈はやぶさプロジェクト〉と最も関わりの大きな集団がたのしい教育研究所(RIDE)かもしれませんね。

 お世話になった方たちに書いた年賀状には「RIDEの2020年は驚いたことにコロナ以前とほとんど同じ元気でたのしい日々でした」と書いたのですけど、2021年は〈はやぶさ2〉を見習って、さらに元気に活動をすすめていきたいと思っています。

 

毎日たのしい教育に全力投球、たのしい教育研究所(RIDE)です。みなさんの応援クリックが元気のバネです➡︎一緒に〈たのしい教育〉を広げませんか。簡単な方法があります。ここのクリックで〈応援している〉の一票入ります!