私の空手の師である仲里周五郎先生(小林流小林舘協会/沖縄県無形文化財保持者)が2016年8月26日(金) 九十七年の生涯を閉じました。 空手一筋で生き抜いた偉大な人物です。
師範クラスが集まった月一度の実技指導では、前に立ち、自ら号令と気合をかけ、私もそこで周五郎先生からとてもたくさんのことを教えていただきました。
肩と手の筋肉をさすりながら
「きゆなくん、今の技は上半身に力がかかりすぎておるんだ。少しだけ力を抜いてみなさい」
「そう、それでいいんだ」
という様に、琉球空手の一つ一つの技を、とても丁寧に指導してくださったことを、身体の感覚として今でもしっかりと覚えています。
この写真は、実技指導が終わって、範士全員が車座になっている時の一枚です。 全員に語りかける表情も言葉もいつも穏やかでした。 わたしは2012年、教師を早期退職し「たのしい教育研究所」の活動に全力を投じた為、月に一度の研究会に顔を出すことができなくなりましたが、偶然にも同じ時に周五郎先生は協会の会長を退き、私たちへの指導を終えました。わたしは周五郎先生の最後の時まで指導して頂いたことになります。 九七年という齢(よわい)は誇らしいものですが、きっと私たちに、もっとたくさんのことを伝えたかったに違いありません。 周五郎先生から頂いた七段という段位と師範免許状を大切に育てていきたいと思っています。 そしていつか琉球空手の奥義を「たのしい教育研究所」の中で伝えることができたらと思っているところです。