沖縄県 教育事情 教員採用試験に関連しての質問から

 沖縄県 教育事情というテーマでは、いろいろな質問がやってきます。中にはマスコミに類するところからの質問で、批判まじりに「テストの得点は上がっているといいますが、本当に沖縄県の子ども達の学力は高まっていると考えていますか?」という様な質問がくることがあります。たのしい教育%e3%81%8a%e3%81%99%e3%81%99%e3%82%81%e3%82%a2%e3%83%95%e3%82%9a%e3%83%aa-%e5%86%99%e7%9c%9f%e3%82%92%e7%b5%b5%e7%94%bb%e3%81%ab研究所は「感動と学ぶことが一体となった教育」を《提唱する組織》です。批判や中傷に類するものは丁寧に避けています。逆に「たのしい教育活動に関わる」ということなら、たとえば沖縄県の教員採用試験に関わることにも、分かる範囲で丁寧に答えさせていただいています。もちろん公的に沖縄県 教育 委員会の提示する内容ですから、必ずそのサイトを案内しています。こちら ⇨ 沖縄県 教育委員会

 さて某日、県外の方から「沖縄県の教師になりたいです」ということで質問が来ました。
 このサイトを見に来てくれる方達はどんどん増えていますが、そのほとんどが「たのしい教育」に興味関心を持ってくれている人たちだと思います。たのしい教育を推進する方達が増え、沖縄県の教育が日本一に育つステップの一つとして、少し詳しく書かせていただきまました。その内容の骨子をここにまとめす。
 もちろんいつもの様に個人情報に関しては伏せています。

質問の要旨は

1.沖縄の小学校の教師を目指しているのですが、沖縄の教員採用試験では県外の人を採用する傾向はあるのでしょうか?

2.合格した場合、慶良間諸島など、離島を希望することはできるのでしょうか?

でした。

以前、2と似た質問で
・沖縄県 教師として採用になると必ず離島に行かなくてはいけないのでしょうか?
という質問が来たこともありました。
 その答えにもなると思います。

 沖縄県の数ある有人離島の約八割を回って授業してきた経験上言わせていただくと、沖縄の離島には(もちろん本島にも)とにかく魅力に満ちた場所に溢れています。
 この写真、左は座間味島で私が中学の頃仲間たちと初めてキャンプに行った記念する処です。右は阿嘉島です。現在は沖縄島から高速船クイーン座間味の直行でほんの50分ほどです。わずかそれくらい移動すると、もう本島ではみることができない美しい島々の姿に触れることができます。沖縄はしみじみと、いい処だと思います。

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 その年で採用条件が異なったり、わたしが小学校の教師として勤務していた時、毎年校長先生から説明を受けていた〈沖縄県 人事異動方針〉がありました。毎年変わるものではありませんが、数年ごとに見直しもあります。もしもそれがweb上で見つかれば、それを一番の拠り所にしたほうがよいと思います。わたしが見た限りでは公開されていませんでした。

 これから書くことは私の記憶によるものですし、年々異なっている可能性もありますから、あくまで「参考」として読んでください。

 教員の採用や人事異動に関わる項目の中に
・本務の教師は同一学校5年勤務を標準として、三年勤務後は希望により移動が可能
・沖縄県公立学校の教師として採用された者は三年後は移動してもらい、その際、離島で勤務することもありうる

という趣旨の説明を受けていました。
 たとえば「来年この学校に初任の先生が来る可能性もありますが、その先生は皆さんの様に5年配属ではなく、3年で他の学校に移動することになります。その際、離島勤務の可能性も多々あります」ということです。

 たのしい教育研究所には、教材が欲しい、という方や、相談がある、スーパーバイズして欲しい、アドバイスをいただきたい、という様に、たくさんの先生方が来所します。その方達から聞いた話によると、かなり特殊な事情がない限り、採用されて3年後は移動しています。ただし需要と供給の関係があり、初任三年後に全員が離島にいく、ということは現状としてありません。離島を希望していたのに行けなかった、という方もいますし、逆の方達もいます。

 また、宮古島や八重山など大きな離島ではじめから採用される初任者もいます。たとえばこれは宮古島で採用された小中学校の初任者の方達の研修記事です。

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 1番目の質問に戻ります。
「沖縄の小学校の教師を目指しているのですが、沖縄の教員採用試験では県外の人を採用する傾向はあるのでしょうか?」

についてです。

 このサイト内にもどこかにも書いたことがありますが、教員の採用は選考によるものとする、と教育公務員特例法に記載されています。

第三条 学長及び部局長の採用(現に当該学長の職以外の職に任命されている者を当該学長の職に任命する場合及び現に当該部局長の職以外の職に任命されている者を当該部局長の職に任命する場合を含む。次項から第四項までにおいて同じ。)並びに教員の採用(現に当該教員の職が置かれる部局に置かれる教員の職以外の職に任命されている者を当該部局に置かれる教員の職に任命する場合を含む。以下この項及び第五項において同じ。)及び昇任(採用に該当するものを除く。同項において同じ。)は、選考によるものとする。

これは「選考以外は認めない」という強い規定です。

 ですから、単に点数による採用ではなく、たとえば地域の自然や文化に優れた者を数名程度採用するという様なことも可能です。
 しかし現状として沖縄県の少なくとも一次試験では「点数の上位から採る」ということですすめられています。つまり県内の人材だから、県外から来ているから、ということでの差は生じません。

 2次試験は「その人材を見極める」わけですから、県外から沖縄を受験した方もそこで、なぜ沖縄を選んだのか、あなたのアピールが届く様に全力をつくせば合格に至るでしょう。

 このサイトには先生を目指す人たち向けの内容もいろいろ書いてあります。サイト内検索の窓に「採用試験」と打ち込んで検索してみるといいと思います。

たとえば⇨こちら
「沖縄県 教育:沖縄県教育委員会作成の「沖縄県の学校の先生になろう」より

いろいろ書きましたが、「参考」としてお読み下さい。

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たのしい教育メールマガジン 最新号から

 たのしい教育メールマガジン最新号の内容を紹介させていただきます。
 メールマガジンは〈0.たのしい教育の今日この頃〉〈1.Let’s Enjoy the たのしい授業〉〈2.Let’s Enjoy the Movie〉〈3.たのしい教育の発想法〉の4本で構成されています。

1.Let’s Enjoy the たのしい授業 は、科学劇の台本をとりあげました。学芸会などで利用できる教材です。

2.Let’s Enjoy the Movie は名作「この世界の片隅に」をとりあげました。メルマガを読んで、すでにいろいろな方達が映画館に足を運んでくれたようです。

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 3.たのしい教育の発想法 は仮説実験授業研究会代表 板倉聖宣(日本科学史学会会長)の「教師が自分の頭で考えて行動する大切さ」という迫力ある内容を文字起こししました。20年前に語った内容ですけど、書き起こしながら、その力強さに圧倒されていました。「教師自身が自分の頭でしっかり考えて、子ども達が学校を嫌いになる様な授業から脱却しなくてはならない」という話です。たくさんの方達に読んでいただきたい内容の一つです。

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たのしい道徳・楽しい道徳の授業プラン「わたしの心」 お勧めします。たのしい教育Cafe冬のスペシャルでも実施します

「道徳の授業で子ども達が喜んでくれる授業をしたいです。たのしい道徳のプランはありませんか?」 そういう要望にお応えできる教材はたくさんあります。このサイトにもいくつか紹介してきました。今回はその中から「わたしの心」というプランを紹介させていただきます。二週間ほど前の秋の講座でM先生がゲームで紹介してくれた教材です。

%e3%82%8f%e3%81%9f%e3%81%97%e3%81%ae%e5%bf%83  プラン「わたしの心」の前半はゲームでも利用できますが、後半もセットにすると道徳の授業や学級指導の時間でお勧めです。
 秋の講座を受講した方が学校でそれを実施したところ「子ども達の心にとても響いたようです」という感謝の言葉が届きました。わたしもM先生の授業を〈たのしい教育Cafe〉と〈秋の講座〉とで二回受けました。毎回ドキッとして、心の大切な部分が震える気持ちがしました。頭と身体と心が震える授業です。

 こういう流れの授業です。

前半
1.まずハート形の紙に「自分が大好きなこと」を幾つでもよいので書いていきます

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 これだけでけっこういい雰囲気になります。
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 この1、2、3で終わっても良いのですが、道徳として利用する時には続きがあります。

4.今度は逆に、心が痛む、心がちぎれる場面がテーマです。

%e3%81%9f%e3%81%ae%e3%81%97%e3%81%84%e9%81%93%e5%be%b3 今月29日(木)に開催される「たのしい教育Cafe年末スペシャル」で、リクエスト授業でM先生が実施してくれます。興味のある方はお申込みください。

 

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五味太郎 らくがき絵本 たのしい図工・たのしい家庭学習

 秋の講座の一コマとしてM先生ペアが協力して「図工でたのしめる絵本シリーズ」を紹介してくれました。何冊も取り上げてくれたのですけど、この写真で紹介しているのが、五味太郎「らくがき絵本」です。

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 教師をしている時は
・図画工作の時間
・家庭学習で
・お休みした先生の補充の時
・先生たちとのおたのしみ会
・理科で〈アイディアの出し方入門〉として
など、いろいろな時に利用していましたが、子ども達からの提案で〈学級活動のお楽しみ会〉の時にも利用したことがありました。

 どういう絵本かというと、五味さんが、お題(絵のテーマ)と、絵を描いてくれているのですが、その絵が途中で終わっているのです。何も描いてなくて言葉だけ、というページもあります。子ども達がそれぞれのアイディアを駆使して絵を完成させる、という絵本です。
 絵本のサブに「五味太郎50パーセント」という様なフレーズがありますが、M先生が出版社に電話して確認したところ「五味太郎が50パーセントは描いておきました」という意味だそうです。慣れないうちの子ども達だとそうかもしれませんが、しだいに子ども達が盛り上がってくると、子どもたちの描き込みが圧倒してきて「五味さんは10パーセントも描いていないな」という作品もたくさん出てくると思います。

 テーマのひとつをみてみましょう。
 たとえば「みちをかきましょう」というテーマにこういう絵があります。子どもたちがこのあとをどんどん描いていくわけです。

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「ギャォー!」という文字から浮かんだアイディアを子どもたちが描き込んでくれたものです。元はカラーでしたが、モノクロ印刷版しか残っていません。残念なことですが、アイディアそのものは伝わるとおもいます。わたしは、みんなの判定で勝ち抜き戦方式でたのしんでいました。チャンピオンが決まるのですけど、その時のベスト3です。

第三位

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第二位

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一位
その時のチャンピオンは、ある女の子が描いたこの作品でした。
子ども達から「笑い声」や「おー」という声が上がったことを今でも覚えています。
絵もそうですけど、何と言ってもアイディアの勝ちです。

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五味太郎 らくがき絵本 ブロンズ新書 お勧めいたします。
前回、ローレンツさんのお話を書いた時に「注文出来るコーナーがあると助かります」というメールもありました。五味さんの本が欲しい方は下からジャンプできます。二冊出ています。

欲しい方は⇨らくがき絵本 五味太郎(Part 1)

欲しい方は⇨らくがき絵本五味太郎 (Part 2)

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