たのしく賢く親子レク 新聞に登場

 先日実施したPTAの「たのしく賢く親子レク」の様子が沖縄タイムスに掲載されました。

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 子ども達の声から、〈人間もドライアイスも原子でできている〉という内容が出ていたり、保護者の方から〈子どもたちの五感をすべて刺激する実験内容で、とても素晴らしかった〉という評価を載せてくれています。
 うれしい言葉です。

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 たのしい教育全力投球のたのしい日々です。

沖縄県 教育の成果を全国へ
「たのしい教育研究所」です

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校長のリーダーシップとは/論文試験で勝つ〈ものの見方・考え方入門〉

 たのしい教育研究所で特訓を受け教員として本採用される方達もたくさん出て来ましたが、ゆっくりと管理職試験の合格を勝ち取った方達も出て来ています。まだ多数の方たちにコーチするほどのゆとりはありませんが、個別の面接指導や論文指導は実施していますので、たのしい学校づくりをテーマにして管理職を目指している方はご相談ください。力添えできるとおもいます。

 さて最近のこと、校長試験の論文のテーマとして出題し添削したところ「こういう視点はありませんでした。とても勉強になりました」という評価・感想がありましたので、今回はそれに触れて書かせていただきます。%e6%a0%a1%e9%95%b7%e3%81%ae%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%82%bf%e3%82%99%e3%83%bc%e3%82%b7%e3%83%83%e3%83%95%e3%82%9a まず管理職試験特訓の中で、ある県で実際に出題されたテーマで書いていただきました。こういう内容です。

論文テーマ
「あなたは学校を運営するにあたって、校長としてどのようにリーダーシップを発揮していくか、具体的にのべなさい」

 

 提出された論文は具体的にまとめられ、読みやすい内容でしたが、たのしい教育研究所の論文特訓は「多くの人が書きそうなことを書いても王手にならない」ということ、そして採点する方達が「他の人を置いても、この人物に学校運営を任せたい」と思ってくれるかどうかを基準にします。

 まずリーダーシップの辞書的な意味はこうです。

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 本県の教育課題の解決に向けて、具体的にどのようにリーダーシップを発揮するか、どんどん書くことが出てきます。提出させれた論文にも、それらがいくつも記載されていましたから、合格線上にはあるでしょう。それらに「⭕️」印をつけつつ、後半に加えたいこととしてこういう趣旨のメモを記しました。

「リーダーシップを発揮する、という視点で見た時、たとえば〈こういうリーダーの元では働きたくない〉と職員が感じたら、それはリーダーシップを発揮していることになるでしょうか?
 あなたの元で教育課題に取り組んでいけることを、職員が〈喜び〉として受け止めてもらえるとしたら、それは大いなるリーダーシップとなるのではないでしょうか。

 リーダーシップを技巧的に捉え、いかに統率するか、という視点で見ていくことも大事かもしれません。しかしそれに勝るとも劣らないことは、魅力あるリーダーとなるために自分を高めていくことだと思います」

 特訓を受けた方は、文章力も磨かれてきたので、この調子でいけば、きっと合格を勝ち取ることでしょう。

 教育の未来は、明るくたのしい世界であってほしいと思う日々です。
 ますます元気なたのしい教育研究所です。

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沖縄県 教育委員会 「インクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育」に至る特別支援教育の歴史的変遷を整理してみる:ノーマライゼーション・インテグレーション教育 ・インクルーシブ教育

 インクルーシブ教育について若い先生方に話をしたところ「うまく整理できました」という評価・感想がいくつもあったので、少し書いてみます。時代が進むにつれて教育現場には「高機能自閉症」「アスペルガー症候群」「自閉症スペクトラム」などいろいろな言葉も増えています。そういう言葉を理解する時に、歴史的変遷や、その言葉本来がもつイメージを把握しておくことも大切なことです。今回の記事は沖縄県 教育委員会「インクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育」も併せてお読みください。教員採用試験でも狙われる内容だと思います。

 いろいろなところで語っていることですけど、わたしが日本語の中で最もといってよいほど嫌いな言葉が「障害」という言葉です。ですから教育用語の解説の時に最小限で使うくらいです。「知的に少しハンディがある」「運動するにはハンディが大きい」など「ハンディ」という言葉で表現できますから、わたしの様な言語感覚の方はそれを用いるといいと思います。

 ところがかつて特別支援教育の歴史の中では、〈障害〉という言葉より驚くべきことばが使われた時代がありました。ハンディのある子ども達をなんとかしたいという意図はあったと思いますが、それを〈廃人教育〉という言葉で表していたのです。明治期のことで、文科省のサイト「特殊教育の発展」にもしっかりと出ています。それ以前は、家の奥座敷から出さない様にしていたこともあったといいますから、それからみると大いなる進歩です。そして現在、そういう言葉が克服されたことは教育の大きな成果の一つでもあると思います。ただしいくら良い意図でも、相手を傷つけることがあることを知る意味でも、〈廃人〉という言葉がまかり通っていた時代があったのだということを、わたしたち教育者は知っていてもよいとおもいます。

 そして未来においては「〈障害者〉という言葉を使っていた時代さえあったのだ」と言われる様なこともあるのだろうとおもいます。話は裾野を広げてしまいますが、かつて知人から「協力」を要請され、そのネーミングをどうにか変えられるなら一緒にやりましょう、と答えたことがありました。具体的な活動の名称は控えますが「性同一性障害者の差別をなくそう」という取り組みでした。性同一性を《障害》と呼んでいる時点でわたしは引いてしまいます。その様な方達を〈障害者〉と呼んだ時点で、わたしの様に差別を感じてしまう人もいるのです。「差別をなくそう」という人たちは、せめてそういう言葉からくるイメージを大切にしてもらえたらという気がしてしまいます。といっても、これはおそらくたくさんの人間の中でわたしくらいが感じていることなのでしょう。しかし未来的にはゆっくりとこのイメージが広がっていくという気がしています。

 話を戻しましょう。
 かつて呼ばれていた〈廃人教育〉という言葉はなくなり、それが特殊教育となり、特別支援教育と呼ばれる様になりました。

 そして現在の特別支援教育の中ではいろいろなコンセプト(概念)が提唱されてきました。特徴的なものがこの三つです。

・ノーマライゼーション 
・インテグレーション教育
・インクルーシブ教育

それらについて説明してみましょう。

a.ノーマライゼーションについて
 ノーマルとは〈標準的〉とか〈普通〉という言葉ですから、ノーマライズするというのは〈標準的にする〉〈普通の状態にする〉というイメージの言葉です。ですから、ノーマライゼーションという言葉は、教育とは別のところで普通に使われています。
 たとえばわたしも授業や講演で利用するために動画編集することがありますが、音量を均一化する処理です。大きい音や小さい音を、ある範囲の中に納めて、音割れを防いだり、聞こえない音を上げたりする処理を〈ノーマライゼーション〉と呼びます。

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b.インテグレーション教育とは
 インテグレーションは〈統合〉という意味で、いろいろなものを併せていって完全な状態にするというイメージを持った言葉です。インテグレーションという言葉もごく普通に使われています。数学の「積分」のことです。数学史上の画期的アイディアの一つで、無限に小さい変数を扱う「微分/ディファレンシャル」と、極限まで分割したものを積み上げていく計算が「インテグレーション/積分」です。ちなみに車好きの人は知っている人も多いと思いますがHONDAがかつてインテグラという車を生産していたことがあります。インテグレーション(統合)という言葉の造語ですが、車のもつ良さを統合してより完全なものに、というコンセプトをもった車でした。

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c.統合(インテグレーション)から包み込む(インクルーシブ)教育へ
 統合(インテグレーション)というよりも、いろいろな子ども達を包み込んで(インクルーシブ)教育することが大切である、ということで提唱されたのがインクルーシブ教育です。インクルーシブ教育・インクルージョン教育、両方とも全体を包み込むというイメージの言葉です。
 ハンディのある無しで異なる教育を実施するのではなく、両者が一緒になっても、より豊かな教育が保証される様な教育を理念としています。ですから、かなりハードルが高い教育システムだということができるでしょう。
 板倉聖宣(仮説実験授業研究会代表・日本科学史学会会長)がかつて沖縄で「頭がよいとか、そうでないとかいうことで結果に差がでる様なものではなく、どういう子ども達でも感動できる様な教育内容として仮説実験授業ができあがった」ということを語ってくれました。たとえば仮説実験授業の授業書「じしゃく」で、ハンディのある子ども達も普通学級の子ども達も一緒に授業したことがありましたが、どの子も感動してくれました。そして知識内容の定着も高いものがありました。そういうかなり上質な教育内容が伴ってはじめて可能となる教育だと思います。

 インクルーシブ教育について沖縄県 教育委員会がまとめた「インクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育」にもありますが、そのシステム的なものとして〈合理的配慮〉と〈基礎的環境整備〉とが重要なキーワードとして提示されています。※もちろん文科省の指針の元に作成されていますから沖縄県独自のものというわけではありません。

 〈基礎的環境整備〉についてはいろいろと具体的なものが示されていますが、残念ながら〈合理的配慮〉についてはあまり具体的ではありません。そもそも〈配慮〉と言わず〈合理的配慮〉という言葉になっていること自体、「学校でその配慮をすることが合理的だと言えるのか」という価値判断を委ねたものなので、難しいものがあるのでしょう。

 

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システム構築のための特別支援教育」より

  少し長くなりました。
 今回はここまでにしましょう。

頭と身体とこころが喜ぶ教育 それが〈たのしい教育〉です。
たのしい教育を実践できる力のある先生たちを育てる活動にも全力を尽くしています。
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映画「この世界の片隅に」友人たちには〈年休もらってでも行った方がよい〉と伝えています。学校の校内研修、企業・団体の研修でもお勧めします

 映画「この世界の片隅に」はずっと注目してきた作品です。前のメルマガで少し触れ、今週執筆する内容としてしっかり書き込もうと考えているところです。この公式サイトのトップページに「あたま と からだ と 心が喜ぶ教育が たのしい教育 です」と記してありますが、映画「この世界の片隅に」を見てあと、まさに「あたまとからだと心」とが大きくゆさぶられるだろうと思います。そしてしばらく経つと「観てよかった」「この作品を観ずに人生を終えていたらどれほどもったいないことだっただろう」と感じるだろうと思います。学校の先生たちにも保護者の皆さんにもたくさんの方達に観てもらいたい気持ちがしています。沖縄県 教育委員会が推薦指定してくれると、校内研修などでも行きやすくなるのですけど、指定されたから行くというのも悲しいものがありますね。ぜひ皆さん個人や組織の主体的研修として組み込めたらよいなという気がします。

 原作は「こうの史代」のマンガです。こうのさんの作品はいくつか読んでいますが、読後の余韻がとても大きく「夕凪の街 桜の国」もなど名作を生み出している作家です。「この世界の片隅に」はテレビドラマ化もされたらしいのですけど、幸い私は観たことがありません。今回公開されたアニメーションを前にして、「アニメーションの新たなる可能性」と相対して「実写はこれでよいのか」という反省もなされるのではないかという気がしています。それほどまでに完成度の高いアニメーション作品だからです。

%e3%81%93%e3%81%ae%e4%b8%96%e7%95%8c%e3%81%ae%e7%89%87%e9%9a%85%e3%81%ab 作品は戦火の迫る広島で暮らす主人公「すずさん」の暮らしを描いています。あまりにも人のよい、そして抜けている すずさん は、今の学校教育の中では特別支援教育の対象になるのではないかという気もするほどで、L.D.だA.D.H.D.だ、高機能自閉症だ、アスペルガーだといろいろなレッテルがどんどん増えて、子どもたちが分割されていくこの流れに疑問を持っている私は、複雑な気持ちにもなります。 アニメーションの描く世界は、隅々まで監督片渕須直さんが丹念に調べ尽くした映像に満ちています。この映画でやっと〈戦争と当時の人々の暮らし〉が〈今の私たちの暮らし〉とぜんぜん切れていない、ということがわかった気持ちになりました。

%e3%81%93%e3%81%ae%e4%b8%96%e7%95%8c%e3%81%ae%e7%89%87%e9%9a%85%e3%81%ab2 愛らしいすずさんは、食べるものがどんどん減っていく中でも明るく微笑ましいのです。戦争の時の人々の暮らしが肌感覚として伝わってくると思います。

%e3%81%93%e3%81%ae%e4%b8%96%e7%95%8c%e3%81%ae%e7%89%87%e9%9a%85%e3%81%ab4 プライベート・ライアンやプラトーンなど、戦争の残虐さ醜さをたくさんの作品で観て来た私ですけど、この作品ではじめて戦争の持つ本質的な恐ろしさに震えた気がします。

 この作品を私たちに生み出してくれた片渕須直監督は現在56歳。のりにのった時期です。

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