朝の研究所で一仕事していると突然〈ダイラタンシー〉の新しいアイディアが湧いたので行きつけの100均に行くと、同じスペースにあるスーパーから緊急を知らせる音に続いて〈火災訓練です、火災訓練です〉というアナウンスがありました。
学校に勤めている頃、年に二度ほどの避難訓練の日が大好きで、ついつい用事も無いのにスーパーに向かってしまいました。
今回はその話をしたいと思います。
その前に〈ダイラタンシー〉の話を少し。
二、三年ほど前、沖縄県の高校生を対象とした〈科学チャレンジ〉の企画・推進に関わっていました。その時に優勝したのはY高校の元気な高校生たちで、テーマは〈ダイラタンシー〉でした。〈国際通り〉の歩行者天国でその実験もしてくれましたが、準備から後始末まで結構大変でした。
ダイラタンシーとは何か?
ウィキペディアの文章を引用します。
ダイラタンシー(英: dilatancy)とは、ある種の混合物が示す、遅いせん断刺激には液体のように振る舞い、より速いせん断刺激に対してはあたかも固体のような抵抗力を発揮する性質である。 この現象が起こる物体をダイラタント流体あるいはダイラタンシー流体と言い、非ニュートン流体の一種である。 wikipedia.
こちらも⇨実験
ふつうは、弱い力では、物体はあまり変化せず、強い力を加えると形を変えやすくなっていくのですけど、ダイラタンシー流体は逆で、〈強く力を加えると個体の性質〉〈ゆっくりと力を加えると液体の性質〉というおもしろい性質があるのが〈ダイラタント流体〉です。
キッチンにある〈片栗粉:カタクリコ〉で試すことができるのですけど、準備と片付けはそれなりに大変です。
こういう実験が手をベタベタにしたり洗ったりする作業なくパッとたのしめる教材ができました。
来週の〈たのしい教育cafe〉で、先生たちの評価を見て本格的に教材化するか見たいと思います。
さてメインの話は、スーパーの避難訓練のことです。
非常音に誘われて、警報の鳴るスーパーに行くとほとんど客がいない、わたしを含めて三、四人くらいです。びっくりした早めに買い物を済ませたり、入るのを遠慮しているのでしょう。
スーパーの避難訓練は驚くほどシステム化されていて、店員さん達も落ち着いて行動し、わたしが学校でこれまで経験してきた〈避難訓練〉にもヒントになることがたくさんありました。
始まりから最後まで避難訓練に付き合いましたので、紹介させていただきます。
もちろん固有名詞はあえて伏せさせていただきますし、写真もあえて画像を悪くして利用します。
店内では
「食品売り場で火災が発生しました。お客様は落ち着いて店員の誘導にしたがって避難してください」
というアナウンスが繰り返されています。
通路では実際に店員さんが一列に並び、ハンドライトを持って手避難経路に誘導してくれています。※手前の店員さんの右手で光っているのがハンドライトです。昼でも十分効果的です。
その後
担当は避難持ち出し物を持ち出してください。その時に盗難に注意してください
というアナウンスが繰り返されました。
学校では大抵事務スタッフが担当しています。
しかし担任にも大切な持ち出し文書があります。これまでの経験では出席簿と教務必携を持って出ることが多かったのですけど、担任の〈非常持ち出しセット〉というものも日頃から準備しておいて、アナウンスの中で「担任の先生は〈非常持ち出し物〉を持って、避難経路に従って子ども達の誘導をしてください」と指示するのも必要だと思いました。
スーパー内では来店客の避難が終わったころを見計らって(おそらく3~4分だったと思います)
店内に避難遅れの方がいないか確認をしてください!
というアナウンスが繰り返されました。
学校でもフリーの先生がトイレなどに入っている子がいないかチェックすることになっています。しかしやはりこのスーパーの様に、しっかりアナウンスに挿入するとよいなと思います。
さて、外にいくと、店員の方たちが消化の実技をしています。
みんな真剣そうでした。
なかなかたのしいひとときでした。
そもそも、周りの人たちの命や安全を守ること、自分の命や安全を守ることが、たのしくならないはずはありません。
パニックになってしまう先生もいたり、子どもを怒ってしまう先生たちも出たりするのですけど、知恵と工夫で、もっとたのしく充実した〈避難訓練〉になっていくとよいなと思っています。
用は無かったのですけど、いいものを見せてもらったので、店内を見ていると〈大日本炭酸倶楽部 会長〉として見過ごせないものが目に入りました。
これについては、いずれチャンスがあれば書かせていただきます。一緒に〈たのしい教育〉を広げて賢い笑顔を育てる〈簡単な方法〉があります。ここのクリックでブログ評価に一票入ります!