若い先生たちへのワークショップの日は、わたしのたのしい1日です。今回はその中の一コマを紹介させていただきましょう。
教育の常識の一つに「可能なら実物を使った方がより効果的である」という考え方があります。コメニウスやペスタロッチが提唱した教授法で、150年ほど前に遡ることができます。
辞書的には
書物により言葉や文字を媒介として観念的に物事を教授し学習させるのに対し,具体的な事物,実際の事物を直接観察させたり触れさせたりして教授し学習させる教育方法
です。
ところでそれは本当でしょうか?
そう言われているから正しいとか、正しいに違いないと考えるのではなく、それが正しいのかどうかは実験によって明らかにされなくてはいけません。
もしも周期律表を提示して、その周期律表にある原子の実物を見せたら効果的な授業になるのでしょうか?
虫の勉強をする時にたくさんの虫を見せると効果的な授業になるのでしょうか。
石の勉強ではいろいろな種類の石を、図形の勉強ではいろいろな図形の実物を見せるとよいのでしょうか?
もしも実物をたくさん見せることが教育的にすばらしい効果をうむというなら、いろいろなものがたくさんある家庭の子どもは知的水準がより高く、ものが少ない家で育った子は知的水準が低いことにならないでしょうか。
本当にそういうことが言えるのでしょうか。
そこには決定的にかけているものがあります。
その授業を受ける対象の興味関心です。
さてこれは若い先生たちにイガグリを見せているところです。
沖縄にクリは自生いませんが、イガグリを見たことがある人はたくさんいます。
「触ったことある人?」と質問すると多数の人たちが手をあげました。
「では質問、クリってこうやって手のひらに落とすと痛いの? 痛くないの?」
やにわにざわめきが起こりました。
どうなんだろ~、という表情です。
予想を立ててもらってから手渡しているのがこの写真です。
つまらなさそうにしている先生は一人もいません。
たのしそうにしていたり、おどおどしたり・・・
どっちにしてもムービング、心がしっかり動かされている様子が伝わってきます。
痛いか痛くないか、興味のある方は、ぜひ自分でためしてみてくださいね。
今すぐに試すことは無理でも、いずれ「あ、あの時のいっきゅう先生の質問、ためしてみよう」というチャンスがくるばすです。
予想してから確かめることで人はたのしく賢くなっていくことができます。
それがなくして実物をどんどん見せても教育効果はあまりのぞめない、というのが、長い教育実践の中で私自身が確かめてきたことです。
あわせて「たまご」についても書きましょう・・・・
つづく
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