たのしいメールマガジン最新号から〈うっかりさん〉向けの役立つ実験/カピカピのスティックのり

 最新のたのしい教育メールマガジンで紹介したミニ実験を紹介しましょう、メルマガの読者の皆さんから高評価でしたから、きっとこのサイトの読者の皆さんにも役立つと思います、うっかり置きっ放しにしてカピカピになった〈スティックのり〉の実験です。あわせて他のメニューもご覧ください。

 発想法の「他人の喜びを自分の喜びにできることを発見したらやめられなくなる」はまさにRIDE(ライド)の活動そのものを示した言葉です。

 映画「US」もおすすめです、怖いですけど。

〈スティックのり〉の実験成功
 授業の章に書くほどではないのですけど伝えたい発見があります。
 RIDEでは〈ステッックのり〉をよく使います。合格WSの解法ノートも切り張りノリ付けしますし、教材づくりでの切りはりもあります。

 このスティックのりって、何時間か空気にさらしていると縮んでカピカピになります、すると硬くなってノリとして利用することができません。

 これを元に戻せないかなと思って実験してみました。写真はありませんが、硬くなって太さが2/3くらいになってしまったスティックのりです。

 カピカピになるというのは〈スティックのり〉の中の〈水/H2O〉が空気中に飛んで行ってしまうからです。
 それなら水につけておけばよいではないか、と何となく考えていたのですけど、なかなか確かめようという状況が整いませんでした。

 そもそもそんな単純なことでは戻らないかもしれません。
 何しろノリの中心部からも〈水/H2O〉が逃げてしまっているので単純に水につけてもどうにもならない、ということになるかもしれませんし、プラスチックの様に硬くなったのりは、そんなことでも戻らないかもしれません。〈湯〉とか〈薬剤〉にということでやっと戻るということも考えられます。
 しかに何しろ大切なのは「予想チャレンジ」です、まずは、水につけて様子をみましょう。

 

1.カピカピのスティックのりを本体から上に出し、水を入れたフィルムケースに入れてみました。

 

2.何時間かして取り出してみると・・・
 戻りすぎるほど元の状態に戻っていました。もう少し早めに取り出した方がよかったな。

 それにしてもあまりにも簡単に使える様になりました。

 空気に触れていくうちに膨らみすぎた部分からH2Oがまたとんでいきさらに使いやすくなりました。

 私のような〈うっかりさん〉でない人たちには無用な知識かもしれませんけど、子ども達の中には私の様に同じような失敗をする人たちもいると思います、この方法、ぜひ広めてください。

 

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たのしい確率の話③/宝くじに当たる確率と交通事故にあう確率

 前回の「宝くじで1等が当たる確率より年間に交通事故で死亡する確率の方が、約300倍高い」という話のどこが基本的に間違っているのか、という話に、いろいろな返事がきています、うれしいことです。
 何がどう間違っているか、謎解きをしましょう。

 宝くじに当たる確率は確かに低いので、それを誇張したいためにこういう比較を出しているのでしょう。しかし基本的な間違いがあります。

 前回紹介したサイトでは、この二つを比較していますね。他のサイトでも実際こういう数字で比較しているものをいっぱい目にすると思います。

a.宝くじを1枚買って一等が当たる確率は、0.0000001(=0.00001%)

b.日本の人口は1億2675万5千人です(総務省統計局ホームページより)。年間の死者数を日本の人口で割ると、交通事故の年間死者数日本の人口=3,694126,755,000=0.00002914=0.002914%

C.従って宝くじの1等に当たるのは交通死亡事故の1/300というほど低い

というわけですね。

ところがよく見てください、宝くじ(a)は〈1枚買った時の確率〉、交通事故死(b)は〈一年間〉ですよ。
 まずこれが決定的な間違いです。

 多くの人はほぼ毎日(365日)、家から出て道路を利用しているはずです。会社の中で働いている人も行きと帰りの二回は道路に出ている。これを宝くじ的にみれば〈宝くじを1日に二回買っている〉という考え方もできます。
 ドライバーとして仕事をしている人は、毎日何時間もずっと車を走らせているわけですから、1日何枚も宝くじを買い続けているという言い方もできる。
 しかも交通事故の統計(b)は一年間のうちに交通事故で死亡している人の数ですよ、いったい何回、危険な道路に出て行ったことかわからないくらい多い。
 もしも比較するとしたら最低でも300日(回)危険な行為(道路に出た)をしたということで、それをかけなくてはいけないことになるはずです。
 もろちん私が見落としている大きな変数が存在している可能性もあります。

 逆にみると、宝くじを一年間毎日買い続けて1等に当たる確率を出して比較すれば、いくらか本当の数(比較に耐えうる数)に近づくことになります。これも宝くじを何十枚も買う人と、10枚のみの人などいろいろあります。一枚だけ買うという人はあまりいないでしょうから、毎日10枚くらい買い続けるとすると、(a)の数を300×10=3000倍くらいして、やや比較してよいかもしれない数に近づいていく。

 それでも〈宝くじの1等に当たる確率は交通死亡事故に会う確率の何百分の1だ〉という様な確からしい数でいえるわけがないのです。

「違うものを比較することはできない」といっているわけではありません。
 たとえばサイコロで偶数が出る確率とコインの表が出る確率は同じだということができます。
・サイコロで偶数が出る確率  3/6=1/2
・コインの表が出る確率 1/2

ところが〈d.サイコロで偶数が出る確率〉と〈e.コインをなげてカラスに当たる確率〉とを強引に計算して、cがdの確率より◯◯倍高いという様に数字で表現することはとても難しいのです。そもそもコインを投げてカラスに当たる確率の計算自体、何を分母にすればよいのか深く考えていかなくてはいけません。
 難しいとはいえ、条件が統一できれば計算は不可能ではありません。

〈フェルミ推計〉といって、一見すると推計できない様なものでも「これはこうだと想定して、次にこうだとすると・・・」という様にしておおよその数字にしていくおもしろい考え方があります。そうやって条件が近くなる様にすり合わせていくことで「だいたいこうだといえるかもしれない」という説明は可能になるでしょう。
 それでも不完全な想定ですから、数字としてはっきり◯倍という様な計算ではありません。

 少しやってみましょう。
 ジャンボ宝くじでいえば1等は1000万枚に一枚ですから一枚買ってそれが1等である確率は〈1/1000万〉です。
 1日の交通死者数は10名くらいいます、悲しいことです。日本人の人口は1億2000万人くらいですから、1日の中で交通死亡事故にあう確率は〈10/1億2千万〉=〈1/1200万〉、宝くじで1等と交通死亡事故とはほとんど同じくらいの数に見えてきます。※ただし1日の交通事故と、1枚の宝くじを比較することはできないということは頭に置いていてくださいね

 話を戻しましょう。
 何が根本的な間違いなのか、それははじめに指摘した様に
「宝くじは1枚買った時、交通死亡事故は一年間」という、条件が途方もなく違うもの、そもそも統計的な比較が成り立つのかも不明なものを計算して〈宝くじに当たる確率は低いですよ〉といっていることです。
 私は宝くじに夢を見るタイプではありませんけど、だからといって、宝くじの当たる確率を必要以上に低くしてはいけません。強引に比較しても、交通事故で死ぬ確率より高いはずです。
 このサイトを読んで〈宝くじ協会〉がRIDEを応援してくれるとよいな ´ー`)

 確率的な見方考え方は、人生のいろいろな問題を考える時の突破口になります。
 確率の見方・考え方は確実に〈たのしい教育プラン〉になると思っています。チャンスがあれば手掛けようと思っています。
 もちろんその時には、教科書的なものではなく、人生の問題を解いてみたくなる様なものにしたいと考えています。

 今回の3つの話で興味を持った方は、ぜひ自分でもいろいろ学んでくださいね。

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たのしい算数・数学「確率」の話/たのしく学ぶことは人生に役立つ(2)

〈宝くじの話と確率の学習〉を関連して書いたので、もう少し続けてみましょう。

 これは私がkindle(電子書籍)で目にした文章です、出典も載せておきます。

 誰もが一生に一度は当たってみたいと思う、「宝くじ」の1等。2018(平成30)年の年末ジャンボ宝くじの1等当選金額は前後賞を合わせ10億円。

 1等が当たる確率は、2000万分の1だ。

 2014年、米国のテュレーン大学地球科学部教授スティーブン・A・ネルソン氏が衝撃的な論文を発表した。

それによると、人が一生の間に自動車事故にあう確率は90分の1、火事にあう確率は250分の1、竜巻は6万分の1、落雷は13万5000分の1、サメに襲われる確率は800万分の1で、米国の宝くじ・パワーボールに当たる確率は、1億9500万分の1になるという。さらに、局地的な隕石、小惑星、彗星の衝突で死ぬ確率は160万分の1。宝くじに当たる確率よりも、隕石に当たって死亡する確率のほうが100倍以上高いという結果が出たそうだ。

—雑学総研. 大人の最強雑学1500 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.6039). Kindle 版.—

 〈年末宝くじの1等に当たる〉より〈隕石に当たって死ぬ確率が高い〉というのです。

 そんなバカな・・・、隕石に当たる確率という様な、何を分母に持ってきて、どういう変数を積算していくのか、変動幅の大きすぎるものを比較に持ってきてはいけません。いったいこれまで隕石に当たって死んだ人が世界中に何人いるというのでしょう。それと比較して宝くじの一等に当たった人たちは世界中に◯万人といるでしょう。

 こういうトンデモ話は別にしても、私たちの周りにはたとえば下の様な説明がたくさんあります。
 交通事故で死亡する確率との比較です。
 みなさんはこの中の、細かい数字の違いなどではなく、〈基本的な考え方の間違い〉に気づくでしょうか? ※先ほどの話はお金を出して買った電子書籍からでした。これは極普通のwebサイトなので、中傷になってはいけませんから、出典の明記は避けます

宝くじの当たる確率を例えて、イメージできるようにしよう

「宝くじが当たって、億万長者になりたいですか?」

と100人に聞いたとき、ほとんど全員が「なりたい!」と答えるのではないでしょうか?

しかし、「実際に宝くじを買っていますか?」

という質問になると、「はい」と答える人はかなり少なくなります。

その理由は、誰もが、宝くじが当たる確率なんて相当低い。買っても当たらないよ!

ということがわかっているからです。これはその通りなのですが、では実際にどのくらい低いのでしょうか?

それは、

1枚買って一等が当たる確率は、0.0000001(=0.00001%)

です。って、数字で言われてもいまいちイメージできないですよね。

具体的にイメージするには、宝くじの当たる確率を身近な確率に例えて考えてみるのがよいでしょう。

宝くじの当たる確率を面白おかしく例えたものはたくさんあります。

その中には「なんやそれは!(笑)」笑ってしまうものや「なるほどなぁ~、そう例えてきたか~」と感心するものも多くあり、そのような例えをまとめてみました。

そして、わたし自身でも宝くじの当たる確率を色々な確率と比べてみたので紹介したいと思います。

 

交通事故で死ぬ確率の1/300

ちょっと過激な例えですが、宝くじの1等が当たる確率は交通事故で死ぬ確率の約1/300だと言われています。

交通事故に遭うだけではダメですよ。死なないとダメです。

平成29年度、交通事故の年間死者数は約3,694人です(警視庁ホームページより)。日本の人口は1億2675万5千人です(総務省統計局ホームページより)。

よって、年間の死者数を日本の人口で割ると、

交通事故の年間死者数日本の人口
 =3,694126,755,000=0.00002914=0.002914%

これが一回死亡する確率ですね。まだまだ宝くじ1等が当たる確率(0.00001%)には届きません。

宝くじが当たる確率で交通事故で死亡する確率を割ると、

0.0029140.00001=291.4

となります。よって、宝くじで1等が当たる確率より年間に交通事故で死亡する確率の方が、約300倍高いということです。

 どうでしょう。
 web上にたくさんあるこういった比較、おそらくいろいろな本にもこういう比較がたくさんあることと思います。

 ところがこの確率は基本的な間違いを犯しているのです。

 どういう間違いなのか、一度かんがえてみませんか。

 続きは明日この場所で!

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たのしい算数・数学/宝くじに当たる確率の話

 〈確率〉についての講義をする時のこと、先生たちに「宝くじの当たりやすい販売所があるらしいんだけど・・・」と問うと、すぐに「あ、マックスバリューの宝くじ屋さんですね」という声が返ってきました。

 それがつまり学校で学んでいることが単にテストの点数を取るくらいの〈お勉強〉レベルにしかなっていない、生きる知恵となっていないことを表しています。

 たとえばサイコロを振ると、1の目が出る確率と4の目が出る確率は同じです。全ての目が同じなのです。
 もしも4の目が出やすいとしたら、それはサイコロに細工されているか、その目が出やすい様な別な細工をしていることになります。

 もしも当たりくじが出やすい販売所があるとしたら、それは何か細工されているということなのです。だとしたらイカサマ、インチキだということになります。それは考えられません。
 つまり宝くじというのはどこで買っても当たる確率は同じなのだという話。

 しかし確率の問題を解くことはできても、実生活ではその基本中の基本をすっとばしてしまう人たちが驚くほど多いのです。

 ネット上ではこういうサイトがたくさんあります。


 算数・数学を教える先生たちの中に、そういう問題意識つまり「テストの計算問題を解くことができるかどうか」を超えた〈生きて働く力・人生に役立つ力〉を育てようという問題意識が大切です。
 子ども達が確率の見方・考え方に感動してくれる様な教育、もっと学びたいと要求してくれる様な教育、それが決定的で、その力はを育てるには「たのしい教育」が一番です。

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