何で色づけたセッケンでしょう? by みむら

 先日、たのしい教育研究所の癒し系〈さくら先生〉から、写真と一緒にこういうメールが届きました。

「このセッケン、何で色づけしたか分かりますか?」

 研究所にいた先生たちに見せたら

「さくら先生は手作りセッケンのプロフェッショナルなので、わざわざ送ってくるということは〈食紅〉ではないよね」と、いろいろなアイディアが出ました。

・緑はヨモギの汁
   ゴーヤーの汁
・黄色は・・・
 難しいなぁ
 バナナの皮
 レモンの皮 

 

   みなさんは、どう思いますか?

 

なんと野菜・果物です!
緑はきゅうり
黄色はオレンジなんだと話していました。
みごとな鮮やかさに驚いてしまいました。身近なものでトライしていておもしろそう。

その横からいっきゅう先生が
「すりつぶしてセッケンに入れると、しばらくはよくても、日にちが経つうちに変色しないのかなぁ・・・?」
 と言っていました。

 もしもこの色がずっと保てるなら、自由研究の講座で披露するのもよいなと思っているところです。

 是非試してみたいと思います。

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最新メルマガの反響から/映画 マルモイ:ことばから生まれる感動

 毎週水曜日に発行しているメールマガジンは「もっと深く実践的にたのしい教育を学びたい」という方たちが有料で購読しているPDF版の刊行物です。おかげさまで多くの方たちに喜んでもらっています。このサイトの反響と同じくらいメルマガの反響もたくさん来ます。

 今回最も多かったのは、わたしの〈ことばの重み〉について、でした。

 中には「とても感動したので、自分の家族にも読んで聞かせました」という声もありました。
 書いている者として、こんなに嬉しいことはありません。

はじめに〈ことばの重み〉 

 学生の頃、言語学の講義で「人間の思考は言葉を利用する、つまり言語が人間の思考に重大な影響を与えるのだ」と教わった時
「それは二次的に複合してきたことで、本来的にはまず〈そこに暮らす人間の思考や感覚が言語をつくったんだ〉」と思った。
 それらが次第に統一されてきて〈日本語〉という大きな体系になったにしても、成り立ちはそうなのです。
たとえば寒い地方には〈雪〉を用いた表現がたくさんあります。

・雪の中から顔を出すふきのとうの姿をみると春が間近なことを感じる
・淡雪の様に散った想い
・雪灯りに浮かぶ木々
・雪の様に白い肌
・積雪の様なおおきな壁
  etc.

 その感覚を文学作品や映像などで感じることはできるし、冬の寒い地を旅して、ふきのとうが雪の中から顔を出す愛らしさを感じることができるものの、その表現を生み出すことは南の暖かいところに住む私たちはにはできないでしょう、そもそも雪が降らないのですから。
 そこに暮らす人間の思考や感覚が言葉を生み出し、それを受け継いできたわけです。

 だから、その人々の守り育てて来た言語をみれば、その人たちの〈大切にしてきた想い〉を知ることができると、私はずっと考えてきました。
「子は鎹(かすがい)」という言葉があります。
〈家族の中での子どもの大切さ〉を感じる私たち日本人の想いを知ることができる言葉です。


 特に日本人という必要はなく〈どの国でも子どもは大事にしただろう〉と感じる人がいるかもしれません。
 けれど日本人は「建物の骨格をつなぎ止める鋼」だと表現したのです。かすがいがなくなったら、家の構造が崩れ倒れてしまうことすらあります。

 


「別にそれは自分がつくった言葉ではないんだけど」と思う人もいるでしょう、もちろんそうです。
 けれど日本人の多くがその感覚に同感し、その表現を大切に次代に受け継いできたということ、今の私たちもそれを違和感なく受け入れている、それが決定的に大切なことなのです。
 私の生まれ育った琉球にもすてきな言葉がたくさんあります。
 私は子どもの頃、おとなしい子では無かったので、いろいろなことを自分でやっていたのでしょう、もちろん大人の様にできるわけはありませんから、たくさん失敗して叱られたことも多かった様に思います。
 その時に祖父がよく「なんくる ないさ」とかばってくれたことを覚えています。
「しだいに良くなっていくんだから大丈夫だよ」という想いの詰まった言葉です。
 今でもその言葉を聞くと胸がじ~んとしてきます。
 南の島の琉球の人たちが残して来た大切なことばです。
 言葉それは〈文化そのもの〉であるとも言えるでしょう。
 そういうこともあって、私は辞書も大好きです。また旅をすると、おじいちゃんやおばあちゃんたちの話を聞くのが大好きです。

メルマガの読者の方から
 このメルマガの読者のMさんがTVで放映されていた映画作品をDVDに焼いて届けてくれました。
 去年、私がこのメルマガで絶賛した韓国映画「タクシー運転手」を観てMさんも感動してくれて、その脚本を担当したオム・ユナが監督・脚本をつとめた作品だから、きっと私も興味があるだろうと思ったとのこと、嬉しいことです。
 オム・ユナ監督、女性だったのですね、しかも俳優としても十分すぎるルックスです。
 重い歴史を描く重厚な作品からイメージできませんでした。
 ありがたいことに読者の方たちから「おすすめの映画」の情報がいろいろ届き、とても嬉しく思っています。相変わらずの忙しさで全てみるゆとりはありませんけど、生きているうちには必ず挑戦しますね。

マルモイ ことばあつめ
 この作品は、日本軍統治下の朝鮮(現在の韓国+北朝鮮)で、日本語・日本文化を押し付けられた朝鮮の言語界の人たちが自分たちの辞書を編纂して後世に残そうと闘った記録です。

 映画の章は、ここから本筋にきすります、引用はここまでにしておきましょう。

 予算の関係か、この〈マルモイ〉は画像のスケールが小ぶりで、テレビドラマの様なつくりになっています。しかし、そこに描かれているドラマは、感動以外のなにものでもないと思います。

 韓国の人たちが自分たちの大切な想いのつまった言葉を守ろうとした素晴らしさだけでなく、文字を読み書きできる様になることのたのしさ素晴らしさも体感できる秀作です、ぜひごらんください。

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エリック・カールの絵は、たのしく、わくわくさせるような構成「コラージュ」とよばれる技法 by ひな

  エリック・カールさんについて書いているシリーズの3回目です、今回はカールさんの絵の技法について紹介しましょう。

 カールさんの絵って独特ですよね。

 たのしい教育研究所(RIDE)のメンバーから
「普通に筆をふるっているようには思えないんだけど、どうやって描いてるのかなぁ~、貼り絵の様にみえるんだけど」
 という質問がありました。
 みなさんはどう思いますか?

 

 

 エリック・カールさんの来日記念に出版された
「子どもの夢を追って」 ➖エリック・カール自伝➖ (偕成社)
という本があります。
 その中に〈絵本づくりのひみつ〉というインタビューがのっています。

質問 
 あなたの絵は、絵の具や色鉛筆で画用紙などに書かれたものとはずいぶんちがいますが、どうやって描いているのですか?

カール
 たとえば、ピアノをならうとき、何度も何度も同じところを練習しますね。
 私も美術学校で、そうした練習をしました。紙にいろいろな色をぬり、それを切ったりちぎったりして形を作り(抽象的な形が多かったのですが)、それを、楽しく、わくわくさせるような構成にならべるのです。

 それが、コラージュとよばれるものでした。
 私はこのテクニックに、ずっと関心がありました。
 ずいぶんたってから、広告代理店のアートディレクターをしていたとき、このコラージュを使った一連の広告デザインをし、それがビル=マーチン氏の目にとまったのです。

 彼は、自分の本の挿絵を描かないかと誘ってくれました。それは、たいそうおもしろくて、やりがいのある仕事でした。こうして私は、子どもの本を手がけるようになりました。
 最初の本には、色つきの薄紙だけを使いましたが、その後は色をもっとリッチに、感触もおもしろくさせたいと思い、アクリル絵の具をふきつけたり、歯ブラシを使って点画をくふうしたり、指でなぞったこともあります。また、目のあらい麻布やカーペットのきれはしに絵の具をつけ、薄紙にもようをつけたりもするようになりました。
 これらの色紙が、いわばパレットになります。それを切ったり、ちぎったりして、壁紙用ののりでくっつけて絵にしていくのです。

※ビル・マーチン・・・
 1916年アメリカのカンザス生まれ。カンザス州立教員養成大学卒業、ノースウェスタン大学哲学科博士号取得。高校教師・小学校校長・大学の客員教授などを経たのち、読書指導をする教員や図書館員の育成に尽力する。絵本作家・詩人としても活躍し、数々のベストセラーを生み出した。2004年逝去。  ・・・偕成社・・・
「くまさんくまさんなにみてるの?」の作家。絵はエリック・カール

※コラージュ・・・
コラージュ(仏: collage)とは絵画の技法の1つで、フランス語の「糊付け」を意味する言葉である。通常の描画法によってではなく、ありとあらゆる性質とロジックのばらばらの素材(新聞の切り抜き、壁紙、書類、雑多な物体など)を組み合わせることで、例えば壁画のような造形作品を構成する芸術的な創作技法である。作品としての統一性は漸進的な並置を通して形成される。コラージュは絵画と彫刻の境界を消滅させることを可能にした。
・・・ウィキペディアより・・・

 カールさんの主だった作品たちは、画用紙にそのまま絵を描いていくというのではなく、いろいろな彩りの用紙を切り抜いてノリではっていって作られているんです。

 コラージュの技法は学校のこどもたちや家庭でやってもとても楽しそうですよね。

 これは、彩色したペーパーを選ぶエリック・カールさんの姿です。

 では、また。

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クラスで家庭でたのしく〈変換クイズ10番勝負!〉

今日はクイズをたのしんでみましょう。

ことばあつめのクイズ集に「昔の言い方→今の言い方」というページがありました。あまりにも簡単すぎて面白みにかけたのですけど、「それを逆にすると子ども達と一緒にできそうだ」と思いつきました。

「今の言い方→昔の言い方」に変えてやってみたいと思います。

かんたんなものからいきますよ、次第にむずかしくなってくるはずです。

 今の言い方   昔の言い方
 家にあるものシリーズ
①ティッシュ → (      )
②ハンガー  →(      )
③ベスト   →(      ) 
④タートルネック・ハイネック→(     )

 学校で使うものシリーズ
⑤チョーク→(     )
⑥ノート→   (     )

 その他 
⑦イケメン→(     )
⑧タオル →(     )
⑨エプロン→(     )
⑩原付バイク→(     )

いくつできましたか?

答え
①チリ紙・鼻紙
②えもんかけ
③チョッキ
④とっくり
⑤白墨(はくぼく)
⑥帳面
⑦ハンサム
⑧てぬぐい
⑨前かけ
⑩ラッタッタ(ほんとかな?)

大人も子どもも一緒に昔のことばにふれて楽しんでみてはどうでしょう。

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