たのしい教育研究所の会議もたのしい/2018定期総会の様子 会議をたのしくする知恵と工夫②

 前回からの続きです。先日たのしい教育研究所の定期総会が開催されました。総会というと、昨年の予算がこうで昨年度の活動がこうで今年度の予算、仕事の見通しはこうだ、という様なものが中心になることが多いと思います。

 実際、定期総会の流れをweb検索すると、こういった流れの型いくつも出て来ます。

 たのしい教育研究所の定期総会の流れも基本的に、それと大きく違うことはありません。しかしそこで交わされている情報と参加者ののめり込み方は大きく差があります。 

 前回書いた様に、前年度予算に関してはスムーズに流れていきます。予算を数値化して、どの活動に予算をかけたか、かかったかがハッキリわかるようになっているので、研究所の活動目的に沿っているかいないか、すぐにわかります。また研究所の活動目的外の予算執行があれば見える様になっていますし、わずか一円五円でも、研究所のメンバーの複数の人々の厳しい目を通過していきますから、不正なことはできません。そういうわけで、その予算執行に関して承認するかしないか、短時間に結論が出ます。

 これは今年度の重要な議事〈前年度活動報告〉の様子です。

 

 担当者のA先生はこれを文字ではなく写真や動画で準備してくれました。参加者がとてもたのしみにしている時間の一つです。
 A先生が指差して説明してくれているところです。

 たのしい教育研究所が生み出して来た〈笑顔〉の多さ、そして、研究所のメンバー自身の〈笑顔〉の多さ、それがたくさんの写真などから伝わってきます。

 これはわたしがRIDEの過去の実績データをグラフ化したものを元に、今年度の活動について提案しているところ、グラフから見えてくること、そして、その伸びをさらに確かなものにするための具体的な提案が続きます。

 他にも事務的な内容がありますが、それらもヴィジュアル化するなど、工夫されていますから、さっとすすむところはさっとすすみ、みんなが時間をかけたいと考えるところはしっかり時間がかけられる様になっています。

  ところで、〈どうすれば会議がたのしくなるのか〉について、前回の記事のあと、さっそく質問が届いています。

「会社の中で、やる気のない人・意義を感じない人はどうしたらよいか」という相談です。

 いろいろな見方や考え方があると思いますが、私が考えていることのメインは次の二つです。

A.〈やる気のない人〉と簡単に言い切っているけれど、〈会社に、やる気のない人を雇い入れてどうするのか〉ということ、つまり雇い入れた人たちの能力と感覚を問わなくてはいけない、ということ

B.〈やる気がない〉と見られている人も、はじめから〈やる気がなかった〉〈その取り組みに意義を感じていなかった〉というわけではないのではないか? つまり組織がその人のやる気や熱意をそいできた側面はないか、ということ

A.ならそれはその会社・組織のスタート時点の不具合です。採用システムの改革が必要です
B.ならそれはその会社・組織の構造的な不具合ですから、全体的な改革が必要となります

〈やる気がない人の問題であり組織に問題ではない〉と考えていると打つ手は一つ二つですが、その組織・会社の後続を変えていくことで、方法はいくらでも出て来ます。組織のメンバーが〈たのしさや意義〉を感じて取り組む様になる組織づくりに力を入れることが重要だ、というのが私の見方です。
 そしてその組織づくりの根幹は〈予想チャレンジ/仮説⇨実験〉システムです。さらに詳しくティーチして欲しいという方は研究所の個別のスーパーバイズをお申し込みください。

閑話休題

 話し合いが終わると毎回恒例の〈おいしいオードブル〉が準備されています。どうしておいしいかというと、研究所のメンバーの手作りの逸品だからです。研究所には食べ物作りが大好きだという方が何名かいて、その味はプロレベルです。

 さらに学校や家庭で使える〈ゲーム〉をみんなでたのしむ時間もあります。

 〈会議〉は、誰か個人のアイディアや意見を超えて、たくさんの人たちの智慧を集める機会です。その会議がたのしくならないとしたら、組織にとってとても大きな損失です。会議がたのしいかどうかが、その組織の未来を決めるというくらい考えていてもよいかもしれません。

 いろいろな組織の皆さんが、参加者の笑顔があふれる会議を工夫していって欲しいと思っています。

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会議をたのしくする知恵と工夫/たのしい教育研究所の総会もたのしい 2018定期総会の様子 ①

 会議に重苦しい雰囲気を感じるのは教師をしてきたからだというわけではないようです。研究所を立ち上げて公務員以外のたくさんの人たちとの付き合いの中から、それらの会話の中から〈会議そのものがつまらない〉と感じている人たちがたくさんいることを肌で感じています。

 たとえば学校で会議というと、職員会議や学年会、生徒指導委員会をはじめとする種々の部会のほか、保護者会もあります。

 地域でも区民の会議をはじめ、婦人会、老人会、青年会など様々な会議があります。

 家庭でも〈家族会議〉があるでしょう。

 会議を充実させるためにどうしたらよいでしょう?

 そのためのアイディアを拾ってみるとこういう内容が見つかります。参考になることも多いと思います。

・会議の目的を明らかにすることが決定的に大事

・発言する時のルール・マナーが大切

・机の配置がカギを握る

・週明け、週末、昼食前後には設定しない

・資料を事前に読み込んでもらうことで活性化する

・長すぎる会議はNG

・会議の前にもう一度チェックする

etc.

 

 RIDE(ライド/たのしい教育研究所)の会議はそもそもたのしいのですけど、それがどうしてか、それはハッキリしています。

 基本的には二つです。

RIDEの会議

A.意義を感じている人が参加する設定にする

B.明るい見通し、いろいろな人の笑顔が生まれる様な展開を工夫する

 RIDEのメンバーはみんなで夢に向かってすすんでいる情熱集団ですから、これまで〈意義を感じないから出ない〉という人はいません。RIDEの周りのいろいろな人たちに声をかけることがあって、そういう場合に、参加を断りやすい工夫をしているのです。意義を感じないという人が参加するのは、その本人の時間を無駄にするだけでなく、全体としてマイナスが大きいのです。
 また、明るい見通しの持てない様な段階での会議は開かないという覚悟と、そうならない準備も大事です。
 たとえ話し合われるテーマが暗くて重いものであっても『どっちに転んでもシメタ、を本気で探す』ということがRIDEのテーマです、明るい見通しは必ず見つかります。
 たとえばそれが、その組織の解散であってもです。

 そもそも一度作ったものはずっと続ける、ということ自体がおかしなことで、板倉聖宣は〈仮説実験授業研究会〉を作った時すでに、その消滅も想定した会則を真っ先に記しているほどです。

仮説実験授業研究会会則

1. 目的・名称

本会は、科学的な・だれでもが信頼して利用できるような(検証可能な〉科学の教育・授業に関する法則の発見・確認を自的とし,これがために,会員その他の研究の交流・集積をはかるた めに設けられるものであって、当分の間その名称を仮説実験授業研究会とする。将来,会の内外に、科学の教育・授業に関する科学的研究の権威が確立されるようになれば「日本科学教育学会」といったものに吸収されることになるであろう。

 

閑話休題

 たとえ重い、暗い内容であっても明るい見通しが立てられる様なアイディアを出し合うのがRIDEの会議であり、わたしの場合には、そのための選択肢をいくつか準備して会議に臨みます。

 もしもそういうアイディアがない場合には、事前に二人、あるいは三人でアイディアを練りあって置くとよいでしょう。もしもそれもでない場合でも、参加するメンバーが、そういうアイディアを出してもらえる様な場にすると良いのです。

 先日、2018年度のRIDEの定期総会が開催されました。

 これは私が予算について説明しているところです。RIDEの予算に関しては数々の県や市の会計検査を経ていて曇りなしですから、サラリと進む内容の一つで、「一年間、こんな流れでした」という様にスラスラと語っている感じが伝わるかもしれません。メンバーは管理職や経営者もいますから、こういう数字に慣れている人たちも多いのですけど、異議などは一つも出ません。
 

 次回は、総会の様子をもう少し詳しくお届けしましょう。この〈いいねライン〉をクリックすることで〈たのしい教育研究所〉への「応援票」が入ります!

快感としての絵画

 たのしい教育研究所の〈たのしい絵画ワークショップ〉は笑顔にあふれています。先日のワークの様子を紹介しましょう。

 本物のスイカを前に置いて、それを描いているところです。

 まずは三原色を使ってスイカのそれぞれの部分の色をつくるところから始まります。
 その色づくり自体がたのしいのです。ワークショップのはじめの頃は時間がかかっていましたが、最近は、スピードがあがり、描くまでの時間が短縮されてきました。

 これが出来上がった作品です。
 いかがでしょうか、みずみずしい美味しそうなスイカだと思いませんか。

 〈青空〉の絵もたのしみました。

 人物画に挑戦する人もいます。
 はじめに黄色いチョークで人間の体型をプロットしてから絵の具で描いていきます。

 さて、いくつかの作品を見ていただきましたが、たのしい教育研究所が大切にしているのは、作品のグレードの高さより、描いている皆さんの笑顔です。
  このサイトの運営ポリシーとして個人情報に関わるものは極力配慮して掲載することにしているので、表情をそのまま見せてあげることはできませんが、みんなとても素敵ないい顔をしています。

 絵画が苦手だ、そういう方がいたら、ご参加ください。
 ただしこういう実技型のワークショップはごく少人数で実施しているので、あと一名くらいの参加枠です。この〈いいねライン〉をクリックすることで〈たのしい教育研究所〉への「応援票」が入ります!

 

板倉聖宣(仮説実験授業 研究会代表) 納骨の日に想う 科学の碑を訪ねる

 五月某日、新潟の科学の碑を訪ねました。五月後半だというのに気温5℃という寒さ。この日はいよいよ板倉聖宣が科学の碑の下に骨を納める日です。メルマガ最新号に書いた内容の1/3ほどを紹介させていただきます。

 これは科学の碑に至る小道。

 

 そしてこれが科学の碑です。

 大きさのイメージを捉えにくいかもしれません、しかしけっこう大きいのですよ。
 1m70cmと少しの私から見上げても、まだこういう様に見えています。


 〈科学の碑〉の下には納骨の場所があり、すでにたくさんの人たちの骨が納まっています。

 科学の碑の設立当初に建造した一つに設立者の名前を刻んだ石版があって、そこには板倉聖宣の名前が刻まれています。その下にわたしの名前も刻まれています。


 〈科学の碑〉の建設は故 板倉聖宣の「〈科学が人類にもたらした素晴らしさ〉を称えた碑を造ろう」という呼びかけでスタートしました。
 仮説実験授業研究会の会員で新潟の魚沼市の〈東養寺〉の住職であった 故 細井心円(ほそいむねまろ)さんの働きによって、お寺の境内に敷地が確保され、裏山は〈科学の森〉として整えるという流れで大きく話が進んでいきました。
 新潟の仮説関係の皆さんの力も重なり、立派な科学の碑が設立されたのは1990年5月4日のことです。

  碑の横には立派な石版があり、その由来についてこう刻まれています。

 

〈科学の碑〉由来記

 人類は科学によってはじめて,〈人々の意見が違うことのすばらしさ〉を発見することができました。いろいろな人がさまざまな意見をもっていてはじめて,思わぬ真実が発見されてきたのです。そこで,科学は民主主義 --少数意見の尊重と歩をーにしてきました。
 私たち仮説実験授業研究会を中心とする人々は,1963 年以来27年ほどの間,そのような科学をみんなのものとするために,学校や社会の中で努力してきました。そして、〈たのしい科学の伝統〉を日本の学校や社会の一部 によみがえらせることができたと自負しています。
 しかし,日本ではこれまで科学というと,一般の人々には親しみのもてないものと思われてきました。そこで私たちは, これまでの私たちの仕事の成果を記念し,かつ今後の仕事の発展を期して,この〈科学の碑〉を建設 することにしました。そして,その周りの森には〈科学の森〉にふさわしい施設をととのえ,ともすれば誤解されがちな科学の性格を多くの人々に訴えることにしました。

       1990年5月4日設立委員会代表板倉聖宣

 「科学は民主主義--少数意見の尊重と歩を一にして来た」と刻まれた言葉には、とても深いものがあります。

 板倉聖宣の納骨の様子に続きますが、ここまでにしておきましょう。

 諸経費(確か数万円)が必要になりますが、希望すれば誰でもここに骨を埋めることができます。もちろん板倉先生や私のように全くの無神論者だけでなく、いろいろな宗教・宗派の方でも大丈夫です。関心のある方はご相談ください。一緒に〈たのしい教育〉を広げませんか→このクリックで〈応援票〉が入ります!