植物のオスメス|散歩で科学

たのしい教育研究所の周りはわたしの散歩コースです。
少しだけ和らいできた日差しをぬって、散歩をしています。
ブーゲンビレアの彩りは不思議な立体感をみせてくれるので、ついつい立ち止まります。

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ゴーヤーもまだまだ元気に実っています。

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ゴーヤーには雄花と雌花があることを知っている方も多いと思います。

赤ちゃんのゴーヤーも私の被写体です。
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花の黄色に目がいくと気づきませんが、よくみると、とても可愛いゴーヤーが花の後ろにかくれています。
それがメスの花で、もう一つオスの花があります。それには赤ちゃんゴーヤーは見えません。

ところで、人間が「植物にもオスメスがあること」に気づいたのはいつ頃のことでしょうか?
そしてそれはどこの国の人だったでしょう?

予想してみてください。

予想1
人間が植物にもオス・メスがあることに気づいたのは
ア.つい最近のこと(50年くらい前)
イ.150年くらい前
ウ.1000年くらい前
エ.1500年くらい前
オ.もっと前

どうしてそう予想しましたか?

予想2
植物にもオス・メスがあることにはじめに気づいたのは
ア.日本人
イ. 中国人
ウ.その他[          ]

 

おはなし

板倉聖宣の「原子論の歴史 上」の50pにこういう文章があります。

彼(アリストテレス)はまず小アジアの沿岸にあるアソスに行きました(48ページの地図を参照のこと)。その地の独裁者はデラトン先生とも親しく、またアリストテレスも個人的に知っていたので、そのつながりを頼りにしたのです。しかし2年後には、その独裁者の地位が危うくなったので、アソスの目の前に浮かぶレスボス島に移りました。その島で彼は、テオフラストス(前370ころ~前285)という面白い男に出会いました。
 テオフラストスは、これまでの哲学者がほとんど研究していなかった植物に興味をもって研究していました。彼は「植動にもオスの木とメスの木に分かれている木があって、メスの木にしか実がならない」ということを発見して「花と実」の研究に道を聞きました。また〈挿し木〉や〈接ぎ木〉を研究して「植物はどの部分も生きているので、どの部分にも芽を出す働きがある」などということを明らかにしました。

 

おそるべし古代ギリシャです。

人類は2300年くらい前、古代ギリシャテオフラストスという人物が、植物のオスメスのことを発見していたのです。

「いや、それ以前にもきっとだれかが発見していたのではないか」と思う人もいるでしょう。

たしかにその可能性はあります。
しかし科学は社会的なものとなってはじめて科学なのです。

誰かがそれを見つけていたにしても、それを誰にも広めず語らず、自分だけの知識として人生を終えていたら、それは「科学」とはいいません。もちろん、それが正しいことなのかどうかを周りの人が確かめることはありませんから、本当にそれが正しいのかどうかということもはっきりしないままであったということも十分予想されます。

さていよいよ今週の土曜日は、たのしい教育体験講座です。
講師の吉田さんは、古代ギリシャの画期的な研究をすすめています。

たのしいものづくりや、私の授業の他に、古代ギリシャ恐るべし、そういう内容をたのしく学ぶことができると思います

沖縄の教育を盛り上げる活動がたのしくてなりません。

たのしい教育研究所は
真剣一本勝負です

 

 

目の前の人たちに感動を伝える それがたのしい教育研究所の活動

前回のケルティク・ウーマンの反響が早くも届いています。

このサイトは教育関係の方だけでなく、アウト・ドア好きの方、本が好きな方などたくさんの人たちが見てくれています。
音楽について書いたのはたしか初めてではないかと思うのですけど、それにもすぐに反響が届くということ、ほんとうにいろいろな方達に興味関心をもっていただいているのだということを実感しています。

そしてそういういろいろな方達から届くメールを、とても大切に読ませていただいています。

今回届いたメールの中で、ある方が、応援の意味を含めて、「You rase me up」について長い文章を書いてくれました。

その方はYou rase me up.は神様のことを歌った歌であるという前提で書いてくれましたが、わたしは原子論者ですからもちろん無神論者です。

ですからYou rase me up.も宗教的な意味では捉えていません。
それはたとえば、死刑を言い渡されてもなお真理を追究する道を選んだガリレオであったり、原子論を広め伝えたエピクロスであったり‥‥
。彼らが私を支えてくれるし励ましてくれる。
まさに Rase me up/あなたが私を支えてくれる のです。

それはまた、過去の人たちだけではなく、一緒にたのしい教育を支えてくれる仲間達であったり、このサイトを読んでくれている方達であったり、ここに書ききれないたくさんの人たちです。

名前も知らない、その方への返事のつもりで今回の文章を綴らせてください。

You rase me up.
で前回はケルティック・ウーマンのバージョンを紹介しましたが、もう一人大好きな人がいます。

Martin Hurkens.です。
素人のオーディション番組で注目された人物です。

日本ではあまり知られていないのではないかと思います。
が、テレビなどを見ないわたしだからそう思っているだけで、実は皆さんは知っている人なのかもしれません。

わたしは彼のこの動画をみるたびに、恥ずかしい話ですけど目頭が熱くなります。

街中でたたずむ彼をみて、何が始まるのだろう、という顔でたたずむ人。
歌う彼の声に、立ち止まって聴く人たち。
一緒に唄う人。
涙を流す人。
帽子にポケットのコインを入れてくれる人。
物憂い目で見つめる人。
体を揺らしながら聞く人。
突然降り出した雪の中で方を寄せて聞く人
ワンちゃんの耳をなでながら聞く人…

わたしがたのしい教育研究所で目指しているのも、これなのだと思うからこそ、何度見ても感動してしまうのでしょう。

興味のある方は下の動画をクリックしてみてください。

 たのしい教育研究所は、このサイトを熱心に読んでくださる、みなさんをはじめとして、いろいろな方達の支えで、予想以上の活動を展開することができました。
 四年前、教師という安定した職を辞して荒野に飛び出した時には、いつかこういう時が来ることを夢見ていた、その夢の日々が今のこの日々です。

 だからこそいつまでも忘れてはいけないと思うのが、「たとえ2人でも3人でもいいから、目の前にいる、その人達に学ぶ感動を与えたい」ということです。

ご覧ください。
Martin Hurkens の周りに人々がいるとはいえ、たかだか40〜50人くらいの人数です。
その人たちの後ろには、立ち止まらず通り過ぎる人たちが殆どです。

そしてマーチンが手にするのは帽子に入るわずかなコインです。

けれど、これを至福の時と言わずして、何を幸せというのでしょう。

 世界の中では小さな日本です。
 その日本の片隅の島である沖縄に「たのしい教育研究所」が生まれました。
 まだまだ知らない人たちが殆どという組織ですけど、この地にたのしい教育研究所が生まれ、学ぶたのしさをゆっくり着実に広めている、それは、もう揺るがない事実です。

 これを幸せと言わずして何をもって幸せというのでしょう。
 お金のためではなく、自分の事を自慢するためでもなく、ただ、「学ぶことの感動」を伝えたい。
 そういうことに全力を尽くせる日々は宝物です。

 そして、今回わたしに応援の便りをくれた方だけでなく、このページを読んでくれる皆さんが、この研究所の大きな支えです。

 心からの感謝を込めて、これからも綴らせていただきます。

たのしい教育研究所がテーマにしているのは
知識や点数ではなく生き方です

この頃の「たのチャン」|気に入りのBGM

たのしい教育研究所の看板娘「たのチャン」のこの頃の様子をお届けします。
ハロウィーンの格好で、研究所に来てくれる人たちを歓迎してくれます。

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ハロウィーンはケルト人のお祭りです。

ケルト人というのは中央アジアからヨーロッパに渡った民族ですから、アングロサクソンよりも、私たちとDNAが近い民族です。

映画 ロード・オブ・ザ・リング もケルト人の文化の影響がみられましたし、世界的に有名なミュージシャン エンヤもケルト人のDNAであることを大切にして作品づくりにいかしています。

ケルティック・ウーマン(Celtic Woman)というグループをご存知でしょうか。
その時々によってメンバーが変わることがあるのですけど、とても美しい声を聞かせてくれます。
わたしの好きな You rise me up. という名曲も唄っています。

 

わたしは夏でも春でも季節に関わらず、よくクリスマスソングを流しているのですけど、ケルティク・ウーマンのクリスマスソング集はその中でもお気に入りのアルバムです。
飛び回ってバイオリンを演奏している女性がいて、これだけは苦手なのですけど、ボーカルはとてもいい

たのチャンの話からBGMまで話が広がってしまいました。

たのしい教育
沖縄の教育
に全力投球の
たのしい教育研究所です

進路相談|高校生達との会話から

いろいろな学校や組織・団体から「キャリア教育」をテーマに授業してほしいという要望が来るので、たくさんの子ども達を前に
「将来の仕事」
をテーマに語る機会はたくさんあります。

今回は、そうい組織的なものではなく、自分の進路について本気で考えている、という高校生数名と直接語り合ったことについて書きたいと思います。

—-

某月某日、高校生たち「進路の事でいろいろ質問したいです」という熱い依頼が届きました。
わたしの研究所のことを知っている大人から紹介されたということです。

いろいろなところをとびまわっているさなか、待ち合わせをして、その高校生達と語り合ってきました。

「宇宙工学に進みたい」
「物理学を学びたい」
「文化人類学を学びたい」
「医学の道に進みたい」

という多様な希望を持つ高校生たちでした。

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「京都大学に入り、物理学を学びたいが、その後どういう道があるのか」という真剣な問い。
「医学にすすんで、新しい医療方法でたくさんの人たちを救いたい」という願い。
「最近、文系から、科学系に進路変更したという中でどのような学んでいけばよいか」という学習に関する問い e.t.c.

そこで私が、問いかけながら語ったことは、

○最近の若者はどのように見られているのか、そして実際はどうなのか
○科学系の大学院を出てマンションの物件紹介という、ほとんど関係のない仕事をしている人達も実際にたくさんいる。そしてキミがそうならないとも限らない。そのために、出てからどうするではなく、君が学ぶことによって実現したい夢を具体的に描いてみよう
○教師を辞めてフリーになったわたし自身の人生について

○周りに反対されて諦めるくらいなら、それは元々成功する可能性はない。だから、反対や困難さは夢を実現できるかどうかの、とてもよい試験紙である

たとえばそういう話です。
2時間弱、ノンストップで語り合いました。

話が盛り上がっていく中で、例に出した一つが「キャリー・マリス」の話でした。

キャリー・マリスはサーフィンをたのしむ日々の中で突然あるのアイディアを思いつき、遺伝子複製技術・バイオテクノロジーに革命をもたらしたという人物です。
ノーベル賞も受賞しています。

「マリス博士の奇想天外な人生」早川書房

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注文できます(クリック)→ マリス博士の奇想天外な人生 (ハヤカワ文庫 NF)

 興味のある方はお読みください。

彼が開発したのがPCR(ポリメラーゼ・チェーン・リアクション)技法です。
遺伝子の複製というは、ものすごく管理された環境下でものすごい機械を使ってやるものだと思うかもしれませんが、PCRは

  • ヒトゲノム(30億塩基対)のような非常に長大なDNA分子の中から、自分の望んだ特定のDNA断片(数百から数千塩基対)だけを選択的に増幅させることができる。しかも極めて微量なDNA溶液で目的を達成できる。
  • 増幅に要する時間が2時間程度と短い。
  • プロセスが単純で、全自動の卓上用装置で増幅できる。
    という革命的な技法です。 興味のある方は→ https://ja.wikipedia.org/wiki/

あるいみハチャメチャな人生の中でノーベル賞を取ってしまうのですから、おもしろい人物です。

いろいろな人生があるなか、選べるのは自分だけ。

語り合った高校生達がノーベル賞を取ってくれることも夢ではないと思っています。

おきなわの教育に全力投球の
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