大成功「たのしいグッジョブin沖縄市」その②

沖縄市での「いっきゅうハカセの たのしいグッジョブ in 沖縄市」の続きです。

私のいつものことで、「これよりこの流れだな」というアイディアがどんどん湧き出て止まりません。結果、寸前まで授業に手を入れていて、周りのスタッフに大いに助けられました。

この写真は、早めに集まってくれた方たち向けに、最近できた授業プラン
「ブーメランの秘密ってたのしすぎ」
のさわり、研究所開発の「手のりブーメラン」が戻ってくるところを、私が指差して解説しているシーンです。

たいてい、講座のスタートの前に私がスペシャル授業をしています。
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スタッフの梓さんの新鮮な進行で笑顔のオープニング。
講座の中身は練りに練った三本立て!

1本目が「協力ってたのしい!」です。
スクリーンショット 2014-11-24 17.58.53 そのお話の中に、研究所大人気教材の「パズリン」で子どもも大人も大盛り上がり。
スクリーンショット 2014-11-24 18.04.32 今回はいつもの流れに加えて中級編で
「力を合わせるっていうのは、言葉では簡単だけど、みんなで本気でとりかからないと難しいのだよ!」
ということを伝えたくて、新ルールを加えてみました。
文章だけで伝えるのは難しいので割愛して、そのときの子どもたちの達成感たっぷりの笑顔をごらんください。周りでもとてももりあがっている様子が見えると思います。 スクリーンショット 2014-11-24 18.05.09他にも
「どんぐりむらのぱんやさん」
の読み聞かせからスタートして「では、みんなも新商品開発してみよう!」という内容で盛り上がったり、
「自分の良いところ、相手のいいところに、どうして簡単に気づかないのか」というテーマもあり、
どれもみんなの笑顔に包まれた、あっという間の時間でした。

ところで、「大成功」とタイトルに掲げましたが、
「この写真を見てもらえば分かります」
ということで書いたのではありません。
参加者の多くが不満を持っていても、いいところの写真だけ載せれば、「みんな喜んでいました」と脚色するのは簡単なのです。
そして実は、そういう評価の仕方は巷にとても多いことが気になってもいます。

それから数名の方の声を載せて、大成功でした、と結論づけるのも同じように、とても簡単です。

しかし、たのしい教育研究所は、そういう評価をすることはありません。
全員の方の評価を基準に判断します。

今回の「たのしさ度」の五段階評価では
「とてもたのしかった」「たのしかった」で100パーセントでした。
細かく分析している時間がなくこのサイトを綴っているのですけど、「5 とてもたのしかった」が大多数を占めています。

感想を読むと「将来の自分の夢の仕事につながる講座」として、とても満足してくれた様子が分かります。
名前を伏せて保護者の方と子どもの数点を掲載します。

スクリーンショット 2014-11-24 18.22.02 スクリーンショット 2014-11-24 18.22.34 スクリーンショット 2014-11-24 18.23.29 スクリーンショット 2014-11-24 18.24.40 たのしい教育研究所に講座を依頼してくれた、沖縄市・海邦銀行・ファイブアローズの「地域づくり協議会」、そして「国土交通省」への感謝も込め、その恩に答えることができたと思っています。

以上を今回の講座の報告とさせてください。

以下、個人的な思いを少しだけ・・・
わたしが個人的にウルウルときた感想文があります。
これです。

スクリーンショット 2014-11-24 18.51.56 私はずいぶん前から、自分のことを言われるよりも自分の周りの人たちをよく言われることがとても嬉しいのです。
それが直接出てきて、グッと来ました。

その①で書いた、小禄さんの「折り染め横幕」だけではなく、音響を担当してくれた人、わたしが気づかないところを見て一緒に進行してくれた人、読み語りを してくれた人、教材を分けてください、と伝えてくるたくさん人たちにニコニコ対応してくれた人、受付から会計処理までがんばった人、お疲れ様会のために食 事の準備までしてくれた人、椅子並べから机拭き、片づけ後のモップがけまで丁寧にやってくれた人、カメラ係から事前準備に関わるまで、たくさんのスタッフ が動いてくれました。
そして、スタッフ全員の目標が「参加してくれる方たちの笑顔をたくさん生み出そう」でした。
そうやって動き回っている「スタッフの笑顔がすてきだった」という言葉は、何度読んでも感動してしまいます。
うれしくてなりません。

沖縄という小さな島で「たのしい教育研究所」という看板を掲げてスタートしたのが二年半前のこと。
その活動は、当初のわたしの予想を超えて、とてもたくさんの方たちに支持してもらうことができました。
今でも、やりたいことが次々溢れ出てとまりません。

10年ほど前に教育誌に「何もなかったけど夢はいっぱい」という私のレポートが掲載されました。
30年前、沖縄で「たのしい授業のサークル」がスタートしたときのことです。
もうそれからずいぶん長い年月が流れたのに、私の感覚はそのときのままです。
幸せな人生だと思います。

これを読んでくださる方が、研究所の活動をさらに応援してくださることを期待しています。
                             いっきゅう筆

大成功「たのしいグッジョブin沖縄市」その①

rp_ffd588bdc702a97676d95e78089050d6-150x15011.png「いっきゅうハカセの たのしいグッジョブin沖縄市」が終わりました。
スタッフで片付けや食事を終えて、祭りの後の様相の研究所で、参加した皆さんの感想を読みながら感動のひとときを味わっています。

たのしい教育研究所は「沖縄市」に第三研究所を構えているにもかかわらず、各地を飛び回りっぱなしで、沖縄市での教育事業は実施したことがありませんでした…灯台下暗しです。

スクリーンショット 2014-11-24 17.21.39   気になりながらも、要請が届く場所を飛び回るだけで手一杯…

そういうところに今回、
《国土交通省》の支援で
「沖縄市」と
「海邦銀行」
それに市民交流センターの母体である社団法人「ファイブ・アローズ」が手を組んで、たのしい教育研究所に授業の依頼が来ました。
これだけの組織がそろっての要請に、かねてからの「沖縄市でもたのしい教育の普及を」という思いが重なって、
「全力投球させていただきます」
ということとなりました。

沖縄県や沖縄市教育委員会、沖縄市グッジョブ協議会の後援もいただき、この企画も太さを増していきました。

沖縄市で活動している方たちへのリサーチの中から
◯こういう形の教育イベントは少ない
◯参加人数は40人集まるかどうかだと思う・・・50人来たら大成功でしょう
という情報が得られ、さてどういう形で盛り上げようかという企画・教材作り会がなんども重ねられていきました。
その中で内容・タイトルが「いっきゅうハカセの たのしいグッジョブ in 沖縄市」と決まり、準備も着々とすすみます。

そうやって迎えた今日。
会場の準備に入ったスタッフは、前日に張ってくれた、スタッフの小禄さんの手作り「折り染め横幕」に迎えられ、とても感動。

会場からみると、青空に文字が浮き出て見えます。スクリーンショット 2014-11-24 16.51.01 受付が始まると 約100名 の参加となりました。
事前の問い合わせも相次いで、会場の関係でお断りしなくてはならない方たちも出たほどの賑わいでした。

けっこう広い会場を押さえたのですけど、こんなにいっぱいに広がりました。
ご覧ください。
スクリーンショット 2014-11-24 16.49.53 つづく

板倉聖宣とブルーナー/仮説実験授業とは何か? 発見学習とは何か?

 ブルーナーと板倉聖宣はとても近い関係にある、ということが前から意識していることの一つです。

教員採用試験問題に「ブルーナー」はとてもよく出題されます。
板倉聖宣も出題されることがあります。

 先ごろ、教員採用試験を受験する先生たちへのワークショップを開催した時のこと、「ブルーナー」について掘り下げて調べてみると、やはり仮説実験授業との関わりも見えてきました。

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仮説実験授業と発見学習/ブルーナーと板倉聖宣

 ブルーナーは教育史によくでる人物ですからすでに故人かと思っている人もおおいかもしれません。しかしまだご存命です。
 第一次世界大戦の翌年、1915年生まれですから、現在100歳です。
 すばらしい。
 アメリカの education.com をみると「1915-」とあります。つまり「まだご存命だ!」ということです。英語のサイトですが少しのせてみましょう。※飛ばしていただいてもかまいません

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ブルーナーと板倉聖宣、発見学習と仮説実験授業

http://www.education.com/reference/article/bruner-jerome-seymour-1915-/

 ブルーナーは
学習者に科学上の発見と同様の思考をたどらせることにより、科学上の概念を、学習者に自ら発見させることで、知識を獲得させる」という考えを元にした《発見学習》を提唱した人物です。

 本稿のタイトルの一つ「仮説実験授業」とは何でしょう?
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 板倉聖宣の「仮説実験授業のABC」にはこうあります。
「 仮説実験授業とは(中略)、科学上の最も基本的な概念や原理・原則を教えるということを意図した授業である」2004年版 p23
 仮説実験授業が生み出した最も大切な財産である「授業書」はまさに「科学上の発見と同様の思考」をたどりながら展開されていきます。

 私が数年前に「板倉聖宣哲学入門」を書いたとき、板倉がスプートニク・ショック後のアメリカの「科学の現代化運動」にかなり触発され、それが仮説実験授業の提唱にも大きく影響を与えていた事に触れようか迷いつつ、紙面の関係で割愛しました。

 たとえば 板倉聖宣著「科学と仮説」1971季節社 251pにはこうあります。

 すぐにPSSCがたいへん意欲的であることに注目し、その基本的な考え方に賛意を表すようになった…(中略)…私は「物理教育を革命する教科書−アメリカのPSSC運動」という表題でおおいにPSSCを支持する論文を作った

 ここでブルーナーと板倉聖宣の接点が生じます。
 なぜか?

 ブルーナーこそ板倉が賛意を表し、支持する論文を作ったと語る「PSSC運動」の中核にいた人物です。たとえば滋賀大学の鈴木真理子が、こう簡潔にまとめています。

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「1957年のソ連によるスプートニック発射のニュースはアメリカ社会に衝撃を与える。このような中、心理学者 ブルーナーの著した「教育の過程」(Bruner,1960)がアメリカの教育に転換をもたらす。
「教育の過程」は、1959 年に全米科学アカデミーによって召集されたウッズホール会議の内容を、議長であったブルーナーが認知論の視点でまとめたものである。
 これより以降、ブルーナーはPSSC物理を始めとする教育カリキュラムの改編や普及に貢献する。1956年から着手されたPSSC物理の作業は、一流の科学者と学校教師等による高等学校物理カリキュラムの再編成であった。カリキュラムにおいて教科の学問性が周辺的に扱われていた当時、PSSCは物理学者のように物理を学ぶカリキュラムとして登場する。

 このような動きは、他の自然科学分野や数学分野に波及した。

 

 板倉聖宣は、アメリカの教育に転換をもたらしたブルーナーと、PSSC物理のテキストに大きく触発され、仮説実験授業を提唱する事になったという仮説を本格的にたどりたい。

 今のところ時間がみつからずにまとめることができなのですけど、来年、時間の整理整頓がついてきたら、ぜひまとめようと思っています。
 まずはブルーナーの「教育の過程」を入手して読むところからはじめようと思います。

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いっきゅう筆

「たのしい教育はやめられない」メルマガ第129号 できました!

喜友名先生が毎週全力で書いているメルマガ「教師は辞めても 映画&たのしい教育はやめられない」の第129号ができあがりました。
今回も内容充実です。
「たのしい教育の発想法」では、板倉先生が沖縄に来て下さった時の教育講演会での話がスタートします。
スクリーンショットでご覧ください。

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スクリーンショット 2014-11-21 10.23.49  スクリーンショット 2014-11-21 10.24.45 応援費として月800円(年9600円まとめ)を送ってくださることで毎週新鮮な内容を購読できます。充実した雑誌一つを毎月購入する気持ちで、明るい未来の教育界への投資ということで考えていただければ幸いです。
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