たのしい教育研究応援者向けメルマガ「たのしい教育はやめられない」第123号 できました!

メルマガ「たのしい教育はやめられない」を綴り始めて123週目に入ったのですね。
単純に7日をかけて861日の月日が流れたことになります。
応援して下さる方達の御陰で,ますます充実して行く日々です。

今回の主な内容は
①台風についての問題
②映画「アバウト・タイム」
③どきどきプラン「虫トラップ」
④板倉講演「仮説あっての実験 哲学あっての科学」その1
です。

④の板倉先生の話は,講演の流れでいろいろな表現が出て来るので,同じ様な事を言っていても勉強になります。

たとえば…
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押しつけられるものに対する心情が、小学生だろうと大学生だろうとあるわけです。
 その反発があるのは正しいのです。
 知恵として優等生は反発しないようになるんですが、教育としては〈子どもたちが反発するような心情〉をかきおこしてはならないのです
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 科学というのは実験で決まります。
実験で決まった以上は、立ち会っている人たちは全部認めざるを得ません。
その実験で決まった確かな知識をもとにして、まだわかっていないことまでについて勝手に仮説を立てます。
〈大いなる仮説の体系〉というのが、私の「哲学」の定義です。〈大いなる仮説の休系〉があると、新しいものについて予想が立てられます。だから「科学者は哲学者でなければならない」と私は思います。
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 かつて似た様な内容を何度も読み聞きしている私ですけど,こうやって板倉先生がいろいろな場面で語らる言葉は新鮮な気持ちがします。

 メルマガの幾つかの部分をスクリーン・ショットでお届けします。
興味のある方はお申込みください。
一月800円 年間9600円です。
スクリーンショット 2014-10-10 13.08.34 スクリーンショット 2014-10-10 13.09.03 スクリーンショット 2014-10-10 13.09.20 スクリーンショット 2014-10-10 13.09.40 スクリーンショット 2014-10-10 13.09.52 スクリーンショット 2014-10-10 13.10.03 スクリーンショット 2014-10-10 13.10.17

おすすめ絵本シリーズ 『しもんスタンプでかいてみよう」』エド・エンバリー (偕成社)

しもんスタンプでかいてみよう今日は『しもんスタンプでかいてみよう』エド・エンバリー (偕成社)を紹介します。

芸術の秋…時には絵を描くのもいいですね。
さて、今回は絵がすきなひとはもちろん、
絵のにがてな人でも描くのがたのしくなっちゃう絵本です。

自分の指のしもんで絵が描けてしまうんです。
布やスポンジなどに、えのぐ、ポスターカラー、カラーインクなどを
水でといてしみこませれたものに指をおしてしもんスタンプにします。

画用紙などにぺたぺた押して、それをえんぴつやサインペンなどで
点や腺をくわえるだけで、お花、動物、昆虫、小鳥、のりもの、
その他・・・などいろいろなものに変身していきかわいい絵の世界が
広がっていきます。

世界中におなじしもんの人はふたつとありません。
世界に一枚しかないとくべつな絵を描くのもステキだなと思います。

34ページに「サンタクロースとトナカイ」が載っていますが、
クリスマスカードをしもんスタンプでを手作りするのもいいかもしれませんね。

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写真はエンバリーさん

( by hina )

 

たのしい教育Cafe で 月食観察 ! 

月に一度,次々と魅力的な発表が繰り返される「たのしい教育Cafe」の日です。
偶然にも「月食」の日と重なりました。
ところがあいにくの曇り日。
たのCafeをたのしみながら,時々窓から外を見ては空に広がる雲を恨めしげに眺めていました。

ブーメランの発表をしている時,参加者の一人が
「でたぁ〜」
と一声。

皆で外へ…

K先生が望遠鏡を持って来てくれて,その画像を参加者がiphoneでカシャ!
20:41の月食の様子です。
スクリーンショット 2014-10-08 21.44.40 しばらくするとまた雲に被われて見えなくなりました。
みなさんのところではいかがでしたか?

いっきゅう

NHKテレビドラマ 村岡花子さんの英語

 今回の内容は,一般教養「英語」の学習にもなります。
受験生の皆さんは英語の部分を特に丁寧に読んでみましょう。
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 テレビはほぼ観ないので,NHKの「花子とアン」の中身は知らないのですけど,研究所のメンバーから,とても面白いのだと何度も聞かされていました。
その話の御陰で,ほんの少しだけ内容を知っています。

 さて最近は都会(那覇市)に出る機会が多く,某月某日,話し合いの合間に1時間ほど空いたので,デパートの本屋さんに行きました。
すると催事場で「村岡花子と赤毛のアン展」を開催していました。

 時間はあまりなかったのですけど,もちろん行ってみました。

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本もいろいろあったので,モンゴメリーの原書と村岡花子の訳したものを読み比べておどろきました。

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まず赤毛のアンを書いたモンゴメリーさんの文体が異常に長いのです。

私の英語力のせいもあるだろうけど,子ども達に向けて分かりやすく書いているようにも思えないのです。

始まりからして,この長さですよ。

Chapter I
Mrs. Rachel Lynde is Surprised

Mrs. Rachel Lynde lived just where the Avonlea main road dipped down into a little hollow, fringed with alders and ladies’ eardrops and traversed by a brook that had its source away back in the woods of the old Cuthbert place;it was reputed to be an intricate, headlong brook in its earlier course through those woods, with dark secrets of pool and cascade; but by the time it reached Lynde’s Hollow it was a quiet, well-conducted little stream, for not even a brook could run past Mrs. Rachel Lynde’s door without due regard for decency and decorum; it probably was conscious that Mrs. Rachel was sitting at her window, keeping a sharp eye on everything that passed, from brooks and children up, and that if she noticed anything odd or out of place she would never rest until she had ferreted out the whys and wherefores thereof.

セミコロン( ; )は元々,それで一文というようにも考えられるので,そこまでをワンフレーズだと考えても,でも長いなぁ。

花子さんも,私と同じ事を感じたのだと思います…独自に短くして訳してくれています。
赤毛のアンのヒットには,花子さんの文体が大きく作用していると思います。

モンゴメリー原文
Chapter I 
Mrs. Rachel Lynde is Surprised

Mrs. Rachel Lynde lived just where the Avonlea main road dipped down into a little hollow, fringed with alders and ladies’ eardrops and traversed by a brook that had its source away back in the woods of the old Cuthbert place;

このモンゴメリーさんの文章を,強引に直訳すればこうなったところです。

第一章 レイチェル・リンド夫人の驚き
 レイチェル・リンド夫人は,ちょうどハンの木やレディーズ・イヤー・ドロップの木が茂り,奥の方にある古いカスパート家の森を源とする小川が横切るアヴォンリー街道を降りたところにある小さな窪地のところで暮らしていました。

花子さんはこの固まりを,三つの短い文章に分けてリズミカルに訳しています。

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花子訳
一 レイチェル・リンド夫人の驚き
アヴォンリー街道をだらだらと下っていくと小さなくぼ地に出る。レイチェル・リンド夫人はここに住んでいた。まわりには,はんの木がしげり,ずっと奥のほうのクスパート家の森からながれてくる小川がよこぎっていた。
花子さんのこのセンスは,とても好きです。
たとえば…
「レディーズ・イヤー・ドロップ」という植物がどういうものなのか私もしらないのですけど,花子さんも知らなかったのでしょう。あるいは知ってはいても,日本にはなじみのない植物だったのかもしれませんね,原文にある単語を飛ばしてやくしています。

文章も読みやすいと思いませんか。
あの時代に,みごとな才能だったと思います。