自由研究として利用できる題材を紹介します。
科学的な見方考え方のたのしいさも味わってもらえたらと思います。
はじまりは、月に一度オープンする「たのしい教育Cafe」でのかるい実験からはじまりました。
お読みください。
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「大日本炭酸倶楽部」という組織があります。
たのしい教育研究所所長の私きゆなが主宰しています。
「炭酸」を呑んで「あれは美味しい」とか「A社の炭酸よりB社の炭酸の刺激が強いよね」という様に、情報交換している単純な組織です。
定例会も総会も年会費もありませんから、かなり怪しい組織といえばそうですけど、けっこう盛り上がっています。
基本的には味のついている炭酸ではなく、H2O(水)とCO2(二酸化炭素)のみの炭酸を対象としています。
大の大人がこんな単純なことを議論できるのかというので不思議に思う方たちもいますけど、けっこう真剣に語り盛り上がります。
数年前、A小学校に勤務している時に立ち上げてしばらくは2名でたのしくやっていたのですけど、もう今は20名近くになりました。
さて、今年の春の「たのしい教育Cafe」で10分くらい時間のゆとりが出たので、わたしが
「実は大日本炭酸倶楽部というのがあってですね。会長の私が今おおすすめの炭酸があるんですよ。これが強くて気に入りです。炭酸もかなりの強さです。味をしてみませんか」
といって届いたばかりのVOXという商品を紹介しました。
「たのしい教育Cafe」に参加するのは学校教育に関わる先生たちがほとんどです。すでに二十人近くの方たちが、まさに所狭しと研究所で、たのしい教育の実践編を学んでいます。
大日本炭酸倶楽部という名称を聞くのがはじめての人がほとんどでしたけど、みんな笑いながら、わたしの話を聞き、VOXの強い炭酸度を味わっていました。
「大日本炭酸倶楽部はかなり怪しい倶楽部でして、各自の評価でが〈これが強い〉とか〈あれは弱い〉とか言ってるんですけど、いつか〈たのしい授業〉にもなるだろうと思ってあたためているアイディアがあるんです。
まず質問です。水と二酸化炭素のみでできた炭酸があるんですけど、これは〈酸性・中性・アルカリ性〉のうちどちらでしょう?」
みなさんはどう思いますか?
一つ選んでください。
水(H2O)と二酸化炭素(CO2)でできた炭酸水は?
ア.酸性
イ.中性
ウ.アルカリ性
エ.どちらでもないどうしてそう予想しましたか?
学校の先生たちの中にも科学は苦手ですという人はたくさんいます。そして、その知らない、分からない、苦手だという人たちが、どんどんたのしい授業を進化させてくれています。
今回も、わたしのその質問に「そういえば、どっちなんだろう」というのでいろいろ意見を出してくれました。
・そもそも名前に「酸」とついているから「酸性」なんじゃない
・ふつうの水に二酸化炭素が入っただけで酸性とかアルカリ性になるの? 梅干しとか、そういうのが酸性になるんじゃない?
・学校で「炭酸は酸性」って習ったよ。とても弱い酸性なんじゃない?
しばらくして、webで実験結果を見てもらおうとすると、参加者のK先生(大日本炭酸倶楽部会員)が「ph試験紙持ってますよ」といってPh試験紙を出してくれました。
phの値は「7」が中性です。
それより小さい数値が「酸性」。
大きな数値は「アルカリ性」です。
このph試験紙は3つのカラーを合わせて判断するタイプで、小中学校で普通に使う試験紙より正確に判断できます。
実験してみましょう。
みんなで「ph5かな、ph6かな」と言いながら判断しているところですけど、いずれにしても「炭酸水は7以下」で、明らかに「酸性」を示しています。
御覧ください。
さて、問題はここからです。
「炭酸水は酸性をしめす」という結果のあと
酸性度で炭酸水の強さを計ることができないかなという話もあってですね。でもまあそれはまあ今後のおたのしみとして…」
と話すと、もりあがった参加者が、研究所の他の炭酸水とくらべてみましょうよという提案があがりました。
みなさんは、どう思いますか?
飲んでみて「炭酸が強い」と感じる程、炭酸水は酸性度も強いのでしょうか?
ア.酸性度が強い
イ.特に違いはない
ウ.酸性度が弱い
どうしてそう予想しましたか?
つづく