最近メルマガに〈モラルジレンマ〉の授業について紹介したところ、若い先生たちからいくつも反応が返ってきました。今までの道徳の授業の様に「これが正しい」という〈価値観を伝える時間〉としての道徳ではなく、オープンエンド(終わりが開かれた状態)の授業としての道徳に興味が湧いているようです。
たのしい教育の中では必然的に討論が起こりやすくなります。
モラルジレンマの授業でもたのしく実施していくことができれば討論が起こります。
ところで欧米諸国では〈ディベート/討論〉の授業が重視されていて、それを日本の教育にも導入しようという流れができたのが私が大学に入ったころでした。
友人の一人がディベートの教材化をテーマに研究していたので、なぜか私もその研究に付き合うことになりました。
その後も気になっていたので、いろいろ資料を集めていたのですけど、その一冊に Discover Debate.というA4サイズのペーパーバックがあります。
英語の本です。
Discover.は〈発見〉と訳されるのが普通かもしれませんけど、語源的なイメージからいうと〈覆われているカバーを外して中を明らかにする〉という単語です。ですから〈ディベート について見ていこう〉という様な本です。
中にはディベートの授業に使えるテーマがいろいろ出てきます。
ニューヨークは田舎よりいいんだって言われているんだけど、キミはどう考えるだろう。
賛成かな、反対かな?
ニューヨークという固有名詞は子どもたちになじみがないと思いますから、〈田舎と都会〉というテーマで意見を出し合っていくとよいでしょう。
こういうテーマもあります。
ネコはペットとして犬よりよいよね。
さぁ、キミはその意見に賛成?
賛成だとしたらどうして?
子ども達がこういうテーマで議論・討論していくうちに、ディベートの力が高まっていくことになるそうです。
ディベートに関しては疑問がいろいろあるのでそれ自体を教材化したことはありませんが、皆の前で意見を出すことが苦手な子ども達に〈たのしく語ろう〉というテーマで授業したことがあります。とても盛り上がって、その後の授業にもかなりプラスの影響が出ました。次回のメルマガで紹介したいと思います。たくさんの人たちの〈学ぶ笑顔〉を育てる活動に賛同してくださる方は、このリンクをクリックすることで活動を後押しできます