「何をやるにも仮説・実験」という生き方をしている私は、予想が外れることもたくさん経験しています。最新号のメールマガジンにわたしの教師時代の失敗談を書いたところ、かなり好評でした。特に、教師をしているとムシ嫌いの子に一週間くらい口を聞いてもらえなかったという話です。今回は、そこに書いた「完全変態」と「不完全変態」について書きましょう。
まず「完全変態」と「不完全変態」って何? という方のために軽く説明します。
不完全変態というのは、卵⇨幼虫⇨成虫 という変態で
完全変態は 卵⇨幼虫⇨さなぎ⇨成虫 という変態です。
「さなぎ」の状態があれば「完全変態」で、「さなぎ」の状態を経ない変態を「不完全変態」といいます。
問題1
完全変態・不完全変態は昆虫の種類によって決まっているのでしょうか?
それとも同じ昆虫でも、時期や場所によって完全変態したり不完全変態したりするのでしょうか?予想
ア 昆虫の種類によって、どの変態をとるか決まっている
イ 同じ昆虫でも完全変態をしたり不完全変態をしたりする
どうしてそう予想しましたか?
お話
昆虫の種類によって「さなぎ」の時期があるかないか、つまり完全変態か不完全変態か決まっています。
チョウ・ガ類、ハチ・アリ類、ハエ・アブ・カ類、コウチュウ類などは完全変態します。
さなぎの状態を経ない昆虫にはカマキリ、トンボ、バッタ、ゴキブリなどが代表的です。
⬇︎教員採用試験・高校入試編⬇︎
教員採用試験や高校入試で「次の昆虫の中から完全変態するものを選べ」という様な問題がいろいろな県で出題されています。
そこには必ずにといってよいほど「セミ」という選択肢が含まれています。セミの抜け殻を見たことがある人たちもたくさんいて「セミはさなぎの状態を経る⇨完全変態する」という様に考えて間違ってしまうことになります。動かずじっとしていて、中で大きな形状の変化が生まれている状態が「さなぎ」のイメージです。セミは一見さなぎのような時期がある様に見えますが、それは「さなぎ」とはみなしていません。中間的な状況なのでしょう。
問題2
さなぎのある完全変態と、さなぎのない不完全変態は、「進化」という目で見た場合、どちらが、より新しい変態の仕方なのでしょう?進化して、よりシンプルな変態になっていったのでしょうか。逆に、進化して〈さなぎ〉の状態を経るようになったのでしょうか?
古い変態の仕方と、進化した新しい進化の変態の仕方ということで選んでみてください。
ア より古いのは「卵⇨幼虫⇨成虫」
イ より古いのは「卵⇨幼虫⇨さなぎ⇨成虫」
ウ その他どうしてそう予想しましたか?
昆虫の進化の過程で〈さなぎ〉はどういう意味を持つのでしょう。
古い時代に〈さなぎ〉の状態をもっていて、それが進化していくうちに、そういう状態をもたいな昆虫たちが出てきたのでしょうか?
それとも、もともとは〈さなぎ〉という段階はなく、進化の過程で、それが出てきたのでしょうか?
という問題です。
予想して、次の記事をたのしみにお待ちください!