前回書いた〈バナナと歩行者死亡事故〉も、たくさんの方の興味関心を引いた様です。わたし喜友名個人が考えていることと〈似たことを考えていた〉という方もいましたし〈考えてもみなかったので興味深い〉という方もいました。どの方も、自らの予想を送ってくださっていました。
自然科学的な事象だけでなく、〈社会的な現象〉も予想を立てて確かめる手法が決定的である、という話としても有効な教材になるとおもっています。
わたしのところに届いた予想を多い順にあげると
ア.歩行者死亡事故は増えている
ウ.歩行者死亡事故数は増えたり減ったりで、特に大きな変化はない
イ.歩行者死亡事故は減っている
です。皆さんの予想はどうでしょう。20年ほどの推移で考えてみてください。
結果を調べる前に、私が書いた〈自動車数そのものの増加も止まっているのではないか〉という予想にとても興味を持ってくれた方がいました。そこで、まずそのことから見ていきましょう。
ここに、1966年から2016年までの自動車保有台数の推移の表があります。〈自動車検査登録情報協会〉というところがあって、乗用車から貨物車、二輪車など、いろいろなデータが乗っています。
https://www.airia.or.jp/publish/statistics/ao1lkc00000000z4-att/01_hoyu_suii.pdf
自動車の合計を見ていると、1966年に〈8,123,096〉台、1986年には〈48,240,555〉台、2000年には〈74,582,612〉台、2016年には〈80,900,730〉台というようにどんどん増えている様にしか見えません。わたしの予想は間違っていた様に思えます。
しかしこういう数字の羅列では見えないこともあります。〈まずはグラフに描いてみる〉ということが不可欠です。どこかがまとめてくれていたらよいのですけど、わたしが探した限りではみつかりませんでしたので、自力で作ってみました。
これです。
いかがでしょうか。
1996年前後から、それまでの伸びの勢いが減り、2000年を越すと〈横ばい〉になってきていることがわかります。
自動車産業は日本の基幹産業です。歩行者の死亡者数を調べている中で〈日本の産業構造の変化〉も見ることができました。この話はまたいずれ、今後の日本の産業構造を見る授業プランとして作成をすすめたいと思っています、お楽しみに。
さて、自動車の数が頭打ちになったからといって、歩行者の交通死亡事故者数が減るにちがいない、と考えるのはどうかな、と疑問に思う方もいると思います。確かにそうです。ただし、自動車数は変わらない、という条件の中で交通事情が良くなった来たり、安全教育が推進されていく中で、歩行者の事故も減っていくのではないか?
さて、どうでしょう。
少し仕事が立て込んでいるので、歩行者の死亡事故数の統計は少し先になるかもしれません。
早く知りたい方は、ぜひ自分でも調べてみてください。
インターネットという革命的ツールは、こういうときにも画期的効果をもたらしてくれます。1日1度のここの「いいね」クリックで〈たのしい教育〉を広げませんか➡︎ いいねクリック=人気ブログ!=