機上からながめた富士山の姿と、その周りのおとなしすぎる様相に「〈三つのプレートがぶつかってできたのが富士山である〉という説明はそぐわないのではないか」と感じたところが前回までの話。みなさんはどう考えたでしょうか。今回はその続きになります。
前回から一気に書いているので、みなさんの意見を読むことはできませんが、私と同じ様に「三つのプレートの力ならもっと複雑な地形、富士山並みの山が近くに生まれていてもよいのではないか」と感じた人もいると思います。
ところで私が日本の中でとくに好きな場所の一つが日本アルプスです。穂高の山並や黒部渓谷など、何度も足を運びたい場所です。
これが穂高の山並です。
富士山と違って、山の周り全体が盛り上がっていることがわかると思います。
穂高は中央アルプスの一つの山です。
黒部は北アルプスに属する山です。好きな映画〈剣岳〉も同じく北アルプスです。広々と壁の様に広がっていて、富士山のポコリと突き出た姿とはかなり違っています。
高い山ができる理由は大きく二つに分けられます。
一つはプレート同士がぶつかり合って盛り上がっていく場合です。
世界一高い山エベレストのでき方がそれです。
もう一つ〈火山の噴火〉によるものがあります。
北米プレートとユーラシアプレートの境目あたりには火山がたくさんあります。その火山の噴火が重なって、日本アルプスの高い山々が形成されたというのが、今の地球の科学の説明です。
では地図上で富士山、穂高、黒部など高い山々を見てみましょう。
前回載せたプレートの図がこれです。
プレートの重なる部分と、高い山々ができている部分は〈北米プレート〉と〈ユーラシアプレート〉の境目あたりと重なることを確認できると思います。
富士山を上空から見ていると、そこだけポツンと盛り上がっていて、プレートの重なりという説明は成り立たないという気もしたのですけど、プレートの重なりの部分に高い山が連なっているところをみると、富士山もプレートの影響を考えるのが順当なのでしょう。
地震もプレートの活動で起こります。
プレートの地下は活動が活発ですから、富士山は、長い年月をかけて噴火が繰り返されていき、今の様な高い山ができたということなのでしょう。
いつか、地球の地殻の動きと高い山の成り立ちについて、授業プランをまとめたいと考えています。おたのしみに! この〈いいねライン〉をクリックすることで〈たのしい教育研究所〉を応援することができます !