かねてより伊波善勇先生の功績を讃え、善勇先生が残してくださった植物に関する知識と知恵とをいろいろな方たちに伝えたいと考えていたところ、海洋博記念公園、美ら海水族館等を管理する〈一般財団法人 沖縄美ら島財団〉から、たのしい教育研究所へ貴重な新本の著書の寄贈がありました。
心より感謝し、いろいろな方たちが利用できる様に大切に使わせていただきたいと考えています。
中を開くと、沖縄の〈牧野富太郎〉の名にふさわしい線画がたくさん入っています。
あえて二人の描いた植物を載せてみましょう。
上は伊波善勇先生のハイアワユキセンダングサ(沖縄植物図譜)、下は牧野富太郎が描いたセンダングサ(日本植物図鑑)です。
閲覧したい方は遠慮なくお問い合わせください。
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図鑑を著す程、博識であった伊波善勇先生ですが、学者というより実践家であったというのが、私の印象です。
この写真は研究所のメンバーが善勇先生から植物の水やりの仕方の手ほどきを受けているところです。
どれくらいの範囲で、どれくらいの量かけるか、植物の気持ちになって考えるのだよと、土の湿り具合も確認ながらコーチしてくれました。
水の量は〈土の状態〉でも変わるので、慣れないうちは触って確認するのが基本とのこと。そしてそういうことは「植物の気持ちになればわかるのだ」という話をしてくれました。
水やりに続いて、移植のワークです。30cmくらいの背丈にそだったドングリを移植する場合を想定して教えていただきました。
ドングリに限らず、皆さんは、30cmくらいの苗木を植えるとしたら、どれくらいの穴を掘りますか?
善勇先生がスタッフの一人に「じゃあ、これで掘る穴の大きさを線で描いごらん」と棒をわたしたところです。
その時にスタッフが描いた円の大きさは覚えていませんが、「それくらいでどうする」と叱られたことは覚えています。
これは善勇先生が「これくらいは掘りなさい」とスコップで描いた円です。
私がスコップで掘り始めたところ、善勇先生が
「きゆなくん、深さはどれくらい掘るつもりですか?」
と問いかけるので、立ち止まって考えて
「ドングリの背丈くらい掘ろうかと思います」
「まぁ、それくらいでいいでしょう。
でも上から見ていては深さがわからないから、こうやって棒をあてて、本当に自分が深く掘っているか確認しながら進めないといけないのだよ」
そういう具体的なコーチをしてもらっているシーンです。
ちなみに「メモリがついたスコップだ売れるかもしれませんね」と言った私の話しはスルーされてしまいました。
その時にもっとも強く心に残っているのは「植物は言葉で語ることができない。だから人間が植物の気持ちになって考えてあげることが基本です」という話でした。
この話しは学校や家庭でも、役立つと思うのですが、いかがでしょうかいます。
たのしい教育研究所はたのしい内容をいろいろな方達に伝える組織です。善勇先生に教えていただいたたくさんのことも、少しずつ紹介したいと思っています。
ご期待ください。
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