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古典もたのしむ

 たのしい教育研究所(RIDE)の仕事納めは済んだのですけど、後回しにしてきた事務系の仕事はしっかり残っていて、まさに〈残務処理〉の日々です。
 公式サイトはRIDEの日々の活動を中心にお届けしているのですけど、公的な活動は納めたので、それを離れて個人のエッセイ的なものをつづりましょう。
 といってもご心配なく、RIDE代表いっきゅうの人生は〈たのしさ〉の追求がテーマですから、そこから外れることはありません。

 いつかたのしい教育プランにしたいテーマの一つが〈古典〉と呼ばれているジャンルです。この〈古典〉という言葉は早く別なものに変えていく必要があると思います、一般の人たちには「ふるくさいもの、難しいもの」という手垢がついているからです。

 RIDEは批判をする集団ではなくたのしい提案をする組織です。そのためにも「どうして古典が嫌いなのか」を明らかにした上でたのしい提案をする必要があります、その部分から書いていきましょう。

 古典の〈典〉は「重要な書物」というイメージの言葉です。従って〈古くて重要な本〉というのが「古典」という言葉の辞書的な説明です。
 ところが勝手に「これは重要だ」と押し付けられてきた私を含めて多くの人たちにとって、それは困ったことです。
 教育には「押付けるとつまらなくなる」という法則があって、押付けが大きくなると〈つまらなさ〉から〈反感〉へすすんでいきます。

 何しろ古典で使われている言葉そのものが、今は使われてなかったり、今と違うイメージだったりするものですから、「これは大事だ」と押付けられたけれど〈意味不明〉。それが続くとヘトヘトになります。

 多くの国語の先生たちは〈古典のたのしさ〉を伝えるより、〈これは○○何段活用〉という様な文法を、「これなら計算処理的に教えることができる」と感じているからでしょうか、本気で伝えようとするので、もう大変なことになります。
 ガリレオが発見した「ふり子の等時性」の感動的かつ簡単な実験をとりあげて「ふりこのヒモと天井に結びつけた部分の摩擦力の計算」をしている様なものです、ガリレオ自身がそういう授業を見たら嘆き悲しんで研究をやめてしまうのではないかと心配するくらいです。

 古典文法を教えなければ本質を味わえないなんてことはありません、私いっきゅうは古典文法の学習をずっと拒否し続けているのですけど、おそらく国語の先生たちよりずっとその感動を味わっていると思います。

 長くなりそうですから、話をすすめましょう。

 以前も似たことを書いた気がするのですけど、最近の私の定義はこうです。

  いっきゅう辞書「古典」とは

〈時〉の持つ、あるいみ〈残酷〉なまでに荒々しい研磨にも刃にもそぎ落とされることなく、先人が残し守ってきた愛しい書物たち

 古典というのを「たくさんの先人達が今の私たちに残し守ってきた愛しい書物たち」が私の古典のイメージです。私が好きな村上春樹であっても500年後、愛しく読まれるているか怪しいのに、1000年以上読み継がれた語り継がれた愛しいものたちがある。

 たとえば

春は何といっても〈あけがた〉がたまらないよね・・・

と語りかけたエッセイが今もすぐ手元に残っています、枕草子です。

 ものの本には〈執筆1002年〉とあります。でも私は「ほぼ西暦1000年くらい書かれた」と伝える様にしています、覚えやすいでしょう。

 書いた人は「〈清〉少納言」。
 少納言は役職名ですから、名前は〈清〉さん、女性です。
 35~36才の頃執筆したと言われています。

 枕草子を学校で学んだ記憶がありませんか、第一段はこうです。

春はあけぼの。
やうやうしろくなりゆく山ぎは、すこしあかりて、紫だちたる雲のほそくたなびきたる。

春は何といっても夜明けがいいね。
だんだんと白くなっていく山の稜線、少し明るくなって、紫のともった雲が細くのびていくっていうところは何とも言えない。

夏は夜。
月の頃はさらなり、闇もなほ、蛍のおほく飛びちがひたる。
また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くも、をかし。
雨など降るも、をかし。

夏は〈夜〉がいいね。
月が出ていたらさらにいい。
暗闇でも、蛍がたくさん飛び交ってくれる。
たくさんでなくて一つ二つ、かすかに光っていくのも心動かされる。

質問
枕草子には「春は〈明け方〉、夏は〈夜〉がいい」とあります。
では〈秋〉はどういう時がよいと言っていると思いますか?
予想してみてください。

 あなたの予想。

 秋は〈    〉がいいなぁ!

 

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秋は夕暮れ。
夕日のさして、山の端いと近くなりたるに、烏(からす)の、寝所(ねどころ)へ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど、飛び急ぐさへ、あはれなり。
まいて、雁(かり)などのつらねたるが、いと小さく見ゆるは、いとをかし。
日入りはてて、風の音、虫の音など、はた、言ふべきにあらず。

 秋っていえば〈夕暮れ〉がいいね。
 夕日が、光を伸ばしながら山に近づいて行く時、カラスたちは巣に帰ろうと3~4匹、2~3匹と急いでとんでいくところは、心がジーンとなるんだよね。
 雁たちが連なって飛んで、小さくなっていくところを見ていると、さらに心動かされるものだよ。
 日が落ちて、風の音、虫の音なんかがめだってくるのは、言葉にしなくてもいいくらい、いいものだよね。

 どうですか、私がアウトドア派だからか、この清さんという女性が残してくれた文章は、「そうそう、それ良いよね」と深く共感してしまいます。
 1000年も前から、たとえば蛍の飛び交う様に感動していたという文章を綴っていた人がいて、それを1000年もの間、絶やさず残して来た人たちがいる。
 それは感動的なことだと思っています。

 今の私たちと思いを共通できる珠玉の文章たち、古典の中にはそういうものたちがいくつもあります。

 長くなりました、最後にもう一つ予想してみましょう。

 春はあけぼのがいいよね
 夏は夜がいいよ
 秋は何といっても夕暮れだね

 と綴った〈清〉さん。

 冬は何と言っても〈  〉がいい、と言ったでしょうか。
 それとも冬は寒いから、春夏秋で止めておいたのでしょうか。
 執筆したところは京都、冬はとても寒い地です。

 もし冬のたのしさを書いてあったとしたら、何と書いたでしょう。
 書いてなかったとしたら、あなたなら「冬は〈  〉がよいんだよ」と書くでしょうか。

 古典をたのしむのにも〈予想を立てて確かめる〉という過程はとても重要です。

 皆さんの予想を教えてください。

 早く知りたい人は「枕草子 第一段」で検索してみてください、くれぐれも予想を立ててからにしてくださいね。
 その予想は間違っていても、かならず賢くなることができます、たのしさも味わえると思います。

 

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