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古典もたのしむ②/季節のたのしみ

 前回の「古典もたのしむ」についてさっそくいろいろな反響が届いています。いずれ間を置いて書こうと思っていたのですけど〈質問〉も来ているので続けて書かせていただきます。

 「季節のたのしさ」を綴って今の私の心を揺さぶってくれた「枕草子」、それは〈清さん〉という女性が1000年も前に書き残してくれたものでした。

 京都の寒い冬、清さんが「いいよね」と語ったものはあったのか、あったとしたらそれは何か?

 ありました、こうです。

冬はつとめて

〈つとめて〉って何でしょう?

 仕事の〈勤めて〉とは違います、「早朝」という意味です。

 冬はやっぱり〈早朝〉がいい。

 と語っているのです。

 かつて私から学んだAさんから、こういう質問が届きました。

 いっきゅう先生〈春はあけぼの〉で〈冬はつとめて〉というと、どっちも朝のことですよね、どっちが早い時間なんでしょう?

「春は〈太陽の光〉が差し込む時がいい」「冬は朝早い時間がよい」と言っているのです、方や〈光〉方や〈時間〉ですから、早い遅いで比較しているわけではありません。

 それにしても寒い冬なのに、その中でも寒さを感じる〈朝方〉がいいんだよ、っていうのはびっくりですね。

 続く言葉をのせておきます。
 どういう意味か、予想してみることをおすすめします。少しだけ言葉をおぎなっておきました。わからないところは自分で調べてみませんか。別にテストではありません、ゆっくり味わうといいですよ。

  冬はつとめて
  雪の降りたるは
  いふべきにもあらず
  霜のいと白きも
  またさらでもいと寒きに
  火など急ぎおこして
  炭もてわたる(渡る)も
  いとつきずきし(似つかわしい)
  昼になりてぬるく
  ゆるびもてゆけば
  火桶の火も白き灰がにちに
  なりてわろ(悪)し 

「今回の古典もたのしく」は〈しみじみ共感できる〉というテーマで書きました。
古典のたのしみはそれだけではありません。こちらが気づかなかった感性を呼び覚ましてもらう時もあります。ものの理(ことわり)を教えてもらえることもあります。

 みなさんからの反響を元に、また古典のたのしみもつづりたいと思っています。

 

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