前回の「古典もたのしむ」についてさっそくいろいろな反響が届いています。いずれ間を置いて書こうと思っていたのですけど〈質問〉も来ているので続けて書かせていただきます。
「季節のたのしさ」を綴って今の私の心を揺さぶってくれた「枕草子」、それは〈清さん〉という女性が1000年も前に書き残してくれたものでした。
京都の寒い冬、清さんが「いいよね」と語ったものはあったのか、あったとしたらそれは何か?
ありました、こうです。
冬はつとめて
〈つとめて〉って何でしょう?
仕事の〈勤めて〉とは違います、「早朝」という意味です。
冬はやっぱり〈早朝〉がいい。
と語っているのです。
かつて私から学んだAさんから、こういう質問が届きました。
いっきゅう先生〈春はあけぼの〉で〈冬はつとめて〉というと、どっちも朝のことですよね、どっちが早い時間なんでしょう?
「春は〈太陽の光〉が差し込む時がいい」「冬は朝早い時間がよい」と言っているのです、方や〈光〉方や〈時間〉ですから、早い遅いで比較しているわけではありません。
それにしても寒い冬なのに、その中でも寒さを感じる〈朝方〉がいいんだよ、っていうのはびっくりですね。
続く言葉をのせておきます。
どういう意味か、予想してみることをおすすめします。少しだけ言葉をおぎなっておきました。わからないところは自分で調べてみませんか。別にテストではありません、ゆっくり味わうといいですよ。
冬はつとめて
雪の降りたるは
いふべきにもあらず
霜のいと白きも
またさらでもいと寒きに
火など急ぎおこして
炭もてわたる(渡る)も
いとつきずきし(似つかわしい)
昼になりてぬるく
ゆるびもてゆけば
火桶の火も白き灰がにちに
なりてわろ(悪)し
「今回の古典もたのしく」は〈しみじみ共感できる〉というテーマで書きました。
古典のたのしみはそれだけではありません。こちらが気づかなかった感性を呼び覚ましてもらう時もあります。ものの理(ことわり)を教えてもらえることもあります。
みなさんからの反響を元に、また古典のたのしみもつづりたいと思っています。
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