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特別支援教室の増加を考える/ギルフォード「精神測定法」

 先日若い先生とお話する機会があって、その先生は特別支援クラスの担任なのですけど、その学校には特別支援学級が10クラス近くあるのだそうです。

 数年前は「このまま増え続けると普通学級より特別支援学級の方が多くなるということにもなりかねない勢いですね」というのが軽いユーモアとして通用していたのに、ユーモアの領域を超えそうな雰囲気だなと心配になります。

 もちろん特別支援教育は大切です、だからこそ私自身が小学校教諭に加えて特別支援の免許をとったわけです。その重要性を十分認識している、そして学校の内実をかなり見て体感してきたからこそ、この増加には憂いを感じてしまいます。

 〈特別支援学級〉に入るには担当の先生同士の話し合いや管理職の命令ではなく、専門家による心理判定が必要になります。

 私いっきゅうは学生時代「ハーターの〈コンピテンス(自己有能感)〉の測定」について研究していたので心理測定に関しても素人ではありません。

 その研究の頃、何度も開いた本の一つが、心理測定の巨人ギルフォードが1936年に著した「精神測定法」です、今も大切に持っています。今から90年くらい前に書かれたといっても、その道を開いていった人の本は簡単に古びることはありません、統計解析についても詳しく書いてくれているので大分お世話になりました。

 その中で特に影響を受けたのが「測定の信頼性・妥当性」についてです。話が長くなるので〈信頼性〉に的を当てて話をさせていただきます。
 検査の信頼性というのは、例えばある検査の測定結果が、その後一定期間置いて後実施しても、ほぼ似た数値として出現するか、ということです。時間を置くとバラバラな数値を示す心理テストは信頼性が低いのです。
 信頼性の高い検査を作るにはどうすればよいか、それは心理検査を作る人たちの大きなテーマです。

 そしてそうやって完成した心理検査は信頼性が高いものだといってよいでしょう。

 ところが信頼性については、もう一つ大切なハードルを越える必要があります。

 これは何度か書いてきましたが、私は中学の初めに担当した英語の先生の授業で、英語というものが大嫌いになりました。中学高校と英語の勉強をやる気がほぼ0でしたから、当然すごく低い点数でした。
 高校の頃、ある定期テストで、私の友人のTくんが英語の先生に反発してテストの解答を拒否したことがありました。その先生は〈名前をかけば15点〉とかいう不思議な加点があったのでTくんは15点、なんと私の方が上でした、友人に対してとても申し訳ない気がした想い出の一つです。

 Tくんは秀才型で英語も得意です、つまり私より段違いに力をもっています。なのにテストの結果では私が上、そのテストによって、私の英語の力はTくんより上だと順位づけられたのです、おかしくないですか?

 英語のテストは英語の力を測定するものだというわけですから、その意味でTくんの英語力を測定する信頼性はとても低いということになります。

 そういうことは特別支援学級の子ども達が心理測定を受ける際にも起こらないのか?

 心理テストなど受ける気がない、教師に言われるから鉛筆をもった。
「これに続く図形は何?」とかいわれても、そもそも考えようとする気がないので
「どれかに丸をつけてください」と促されるままに適当に丸をつけていることもあるでしょう。

 いくらい信頼性の高いテストだといっても、受ける本人の姿勢によって、ぜんぜん信頼できない数値がでるわけです。

 そうやって判定された数値によって「この子は特別支援学級該当児」だとみなされていくことは、実際に起こっているでしょう。

 特別支援クラスに所属している子ども達の中には、担任の先生との、あるいは担任の先生との授業との不適応であることが少なくありません。

 もちろん人間同士ですから、そういうことは起こるでしょう。

 そういう子ども達にとっての解決策は、子ども達にとって魅力ある教育を提供することだと思うのですけどどうでしょうか。

 教育本来の魅力を伝えられる教師が増えて行く、そういうことが教育の未来を拓く、そして実は社会の未来を拓くことであると思います。
 それは子ども達の笑顔が広がることとイコールでなくてはいけません。

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