星野道夫という文字を見るとツーンと冷たい感じが心臓の左上のあたりに走ります、とても憧れている写真家で文筆家だからでしょう。
以前書いことがあるのですけど、私の愛読書の一つは〈高校国語の教科書〉です。最近、それを数冊差し入れてくれた人がいました。鉛筆やラインマーカーなどが記されているのですけど気になりません。
まず一冊を開くと、左右見開きで星野道夫が撮ったカリブーが川を渡っている写真が目に飛び込んできました。
次のページも星野道夫のグリズリー、そしてホッキョクグマの写真です。
わくわくしながらページを進めると、一番最初の文章が「ジリスの自立」という星野道夫のエッセイでした、私が好きな作品の一つです。
エッセイはこうはじまります。
アラスカのマッキンレー国立公園での話である。
四国ほどの広さがあるこの公園の中に、たった一軒だけ観光客のためのビジターセンターがある。まさに原野の真っただ中の公園の中を一本道が通っているために、毎日たくさんの観光客がこの休憩所で過ごす。
中はウィットをおりこんだエッセイで、私は思わず笑い顔になりました。
文章に添えて星野道夫のマッキンレー山の写真がありました。
私も星野道夫の歩いた道を訪ね、このビジターセンターに行きテントを背負ってこのマッキンレー山に向かってひたすら歩き続けました。
目を閉じて顔を少し上に向けると、今でもその時の眺めが目の前いっぱいに広がります、そしてその時の風の香りも思い出すことができます。
また星野道夫の写真集を開いてみたくなりました。
きっと皆さんにも大切な一冊があることでしょう、子どもの頃読んだ絵本だったり、ものがたりだったり・・・
人間のたのしさや感動を湧き起こす〈本〉は豊かな相棒です。
たのしい教育全力疾走RIDE(たのしい教育研究所)、みなさんの応援が元気の源です。一緒にたのしく賢く明るい未来を育てましょう。このクリックで〈応援〉の一票が入ります!