双子葉植物と単子葉植物/ジャガイモは単子葉植物? ①

 先日〈たのしい教育研究所〉に学びに来ているA先生から「ジャガイモは単子葉植物ですか双子葉植物ですか」という質問がありました。
「え、丸い葉っぱを見たら双子葉植物だと分かるよね!」と話したのですけど・・・

植物の葉の特徴

 

単子葉植物は一枚のとがり気味の葉が出て来て葉は縦に平行の模様、双子葉植物の葉は丸くて網目状の模様

双子葉植物      単子葉植物

ジャガイモの葉は左側のグループ

 

ジャガイモの葉はこうです。

 

 ところが質問したA先生によると「あの根っこは単子葉植物の特徴じゃないですか?」とのこと。

 単子葉植物の根っこの特徴と双子葉植物の根っこの特徴はこうです。

土の中の根っこの特徴

 

双子葉植物       単子葉植物

①主根   ②側根   ③ひげ根

 

 ジャガイモはこんな根っこをしています。

 たしかに・・・
 私もふと立ち止まって考えました。
 こういった様にいろいろな人たちが自分の考えを交わしていくと〈たのしく賢く〉進んでいけるのです。そして科学はこういう形で自由に考えを交わす中で発展していったのです。だからこそ〈科学は民主的な世の中で発展し民主的な世の中を守り育てていく〉のです。

 さてみなさんは、ジャガイモは単子葉植物だと思いますか、それとも双子葉植物だと思いますか?

予想 ジャガイモは
  ア.単子葉植物
  イ.双子葉植物
  ウ.両方の特徴を持つ中間の植物
  エ.その他

 

どうしてそう予想しました か?

 

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予想してからね

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 わたしの予想は「〈ウ その中間の植物〉だとおもしろいなぁ」と思いつつも「双子葉植物」ということでイに一票です。

 私いっきゅうがよく語ることですけど生物は〈図鑑に従って生きている〉わけではありません。進化の過程で、その中間の生物や、その分類を超えた生物はたくさん見つかります。
 双子葉植物であっても根っこが単子葉植物的な〈ひげ根〉の形状をしている植物があっても不思議とはいえません。

 ジャガイモの根の様子をもう少しみていきましょう。

 どうも〈主根・側根〉の形状ではなく〈ひげ根〉の様な広がり方に見えますね。

 Web上でもいろいろ調べてみましたが〈じゃがいもは地下にある茎:地下茎〉であって〈根では無い〉という説明ばかりが目につきます。
 まるで〈じゃがいもには根っこが無い〉と言っているかの様です。

 そんなバカな話はありません。
 根っこが水を吸収して葉っぱに送らなくては光合成は起こりません。じゃがいもに蓄えられているデンプンができないのです。

 そういうところも以前書いた〈頭打ちのネット情報⇨こちら〉という話と重なります。誰かの情報の焼き回しばかりがめぐって、よく読むとどれを見ても同じことしか書かれていないというわけです。

 わたしがたくさんの事を学んできた板倉聖宣の著書に絵本「じゃがいもの花と実」があります。植物についての見方・考え方をたくさん教えてもらった一冊です。
 久しぶりにその絵本を手に取りました。

 板倉聖宣ならきっとこのことに触れてくれているに違いない・・・

 しかし残念ながらタイトル通り「花と実」に関することが中心で、じゃがいもの根っこはどうなっているのか、についての疑問の答えを探すことはできませんでした。

ジャガイモの花と実 (オリジナル入門シリーズ)

 

 こういう時にはしっかり予想を立ててみていかなくてはいけません。
 まず予想変更して予想を立ててみました。

 じゃがいもにも根っこがある。
 双子葉植物なら〈主根・側根〉という作りになっているのではないか。

 

 じゃがいもの地下のつくりをもう少ししっかりみていくことにしましょう。

続く

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決まり・規則・ルールを作れば世の中は良くなるという考え方について考える/たのしい教育の規則・決まり

 教師をしていた頃学んだ発想法・哲学の一つが〈規則・ルール〉を増やすことで、違反も増えていく、正しいと思うことでも、それを規則にしてしまうと、意図したことと違う問題、反作用的なものまで起こってしまう、ということです。
 以前にも少し似たことを書いた気がしますけど、最近、ある先生のスーパーバイズで取り上げたことなので、ここでも紹介しましょう。

 学校にはたくさんの規則、生徒指導の担当であった私自身ですら覚えきれないほどの規則があります。
 中には〈古すぎる〉というものまで残されています。


 たとえば「ハンカチは白の無地(模様がない)」という規則があります。その規則に一体どういう意味があるのか?
 無理に考えれば〈マンガ的なものは教育的にマイナスである〉ということに端を発していたのでしょう。

 ところでハンカチ一つにそういうルールを設定する学校は、必然的に靴下も、シャツも、鉛筆も、筆箱も、下敷きもそうなっていくことになります。

「書き方を〈学校に持ってくるものは全て無地〉と決めれば済むではないか」と思う人もいるかもしれませんが、表記の仕方の問題ではないのです。
 たとえば子どもの鉛筆からはじまって持ち物全部をチェックするのは現実的に不可能でしょう。

 信じられないかもしれませんが、私の教師のスタートだった30年近く前は、体育の着替えの時などを利用して、子どもの肌着に模様が入っていないかチェックして保護者を指導している先生もいました。今ならクビになっていた可能性が高いでしょう。

 そういう持ち物指導が正しいのかどうか分からないということと並行して、世の中はゆっくりではあっても確実に新しい方向に進んでいきます。つまり時間が経っていけばたいていのものは子どもたちの感性が勝つのです。

 今はもうそういうルールは無くなっているでしょうから、それが一つの証です。

 指導が不可能なほど増えていくというだけでなく、そういうことに力を注いでいくと、それだけで勤務時間のかなりの部分を使ってしまい、大切な授業にかける時間と集中力が減ってしまいます。
 しかも子ども達同士が行う生徒指導も増えていきます。「キミ、違反の消しゴム使っているでしょう」という様ないざこざが〈いじめ〉に発展する危険は十分に予測されます。

 仮説実験授業研究会代表・日本科学史学会会長だった故 板倉聖宣が、こういう言葉を残しています。


〈規則ふやせば 違反もふえる〉
 真理をついている言葉だと思います。

 子ども達が〈たのしい〉〈もっと学びたい〉〈体調はよくないけれど、学校に行って先生の授業をうけたい〉という様になることが学校の本分だと思うのですが、どうでしょうか。
 だとしたら、規則を増やしていけば学校は良くなるとかいろいろな規則があるからこそクラスが保たれているという様なことではなく、規則は基本的なものに限定してスリム化する方向ですすめていけたらと考えています。

 私いっきゅうは、本来的に〈決まり、規則〉というのは警察関連の領域、取り締まりに属するもので、教育の本分とは異なると思っています。
 基本的な規則を残して、多くは〈教育〉の力ですすめていく。
 つまり「仲良くしなくてはならない」といる規則ではなく「仲良くするって気持ちがいいね」と感じてもらう様な授業を展開していくということです。

 取り締まりはすぐにできるけれど、教育は時間がかかります。それは、その子の一生ものの宝物を育てていく活動だからです。

 たのしい教育研究所は、取り締まりではなく〈教育〉の力で少しずつ学校や社会を良くしていく力のある先生たちを育てようと考えています。賛同してくれる方が増えていくことで、その活動も加速します。
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たのしく身体を動かす/それぞれの力を伸ばすたのしさ/沖縄市出前児童館の様子

 沖縄市の出前児童館が始まり、研究所が地域の公民館に出て、たくさんの子ども達へたのしい教育を実施しています。たのしい教育研究所のスタッフは全員が教員免許をもった教育のエキスパートです。
 今回はその様子を紹介しましょう。興味のある方はぜひご参加ください。沖縄市以外の方は事前に確認していただければ、参加できる方向で調整させていただきます。※人数によってはお断りすることもありますのでご了承ください

 今回のメニューの一つが〈フロアー・ボルダリング〉です。
 フロアーに広げられたループには三色の色で分けられています。
 

 自分のチームの色のループのみを選びながら手や足を使って移動していきます。

 これがけっこう筋肉を使うんですよ。


 二人組みで手を繋いで移動していくアクティビティもあります。

 終わった人たちはクールダウンでたのしい読み語りでたのしみます。

 後半はたのしいものづくりで〈貝殻ジェル〉づくりもあります。
 ぜいたくな内容を全て無料でたのしんでいただけます。

 今週の金曜日まで実施しています!

・10/15(月)ちばな公民館
・10/16(火)ごや公民館
・10/17(水)のぼりかわ公民館
・10/18(木)ひやごん公民館
・10/19(金)まつもと公民館
  時間 16:00~18:00

詳しくは⇨こちら

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生産性の問題について考える

 たのしい教育メールマガジンには〈ア~ルとたのしい教育〉というミニコーナーがあって、けっこう人気があります。その中から少し紹介するところから話をはじめましょう。

 ある時、必要なプリントを構成してを印刷キーを押して珈琲を注ぎに行ってもどるとア~ルがこのポジショニング。プリンターの中に小さな生き物がいるに違いないと考えている様です。
 

 必然的にこういう表示が出ることもあります。

 スポーツたのCafe用のゲームづくりで、トランプ使ったスポーツゲームをためそうとすると〈また何かおもしろいことするんでしょ〉と参戦します。
 なかなか試すことができません。

 私いっきゅうが机で仕事をしていると、そばに来てみています。そのまま私の机で眠ることも多いので、広い机はア~ルにゆずって、一段下がった狭い机にノートなどを移動して筆記することも多々あります。

 このサイトで最近紹介した球体の色付けの時も〈また何か面白いことしてる〉とばかりに傍にきて、いろいろな素材で遊び回ります。ペンキなどひっくり返すと大変ですから、カバーしたり配置し直したり、結局ア~ルを別な部屋に連れていったりして時間も工夫も必要になります。

 数ヶ月前でしたか、〈生産性の無い人たちに税金を投入するのはどうなのか〉という様な趣旨の発言がニュースになりました。わたしは基本的にテレビもみませんし新聞も読まないので事実誤認があったら「そういう発言があったらとしたら」という意味で読み進めてください。

 〈生産性〉で評価するとしたら、ア~ルはどうなるでしょう。
 自ら教材を作ってくれるわけでもありませんし、印刷の手伝いをしてくれることもありません。
〈ネコの手も借りたい〉という時でも、たのしく走り回って遊んでいます。
 手を貸さないどころか、たとえば印刷するにも手間がかかりますし、教材づくりでも余計に時間がかかります。
 わたしのペーパーワークも窮屈な状態ですすめることも多いので作業効率的に言えばマイナスです。
 その発言の人物が言えば〈無生産的〉かつ〈非生産的〉と切ってすてられるのかもしれません。

 ちなみにア~ルは切られて倒れた役者の格好も得意です。

 閑話休題

 実体を生み出すことも大切なことは間違いありません。だからといって「〈工場〉の様な生産システムがあれば全てよし」というものではないでしょう。

〈物体〉や〈実態〉を生み出すより、ずっと豊かなものを生み出すことがあります。実態が無いために評価が難しいところがあるのですけど、実態がないだけにかけがえのないものだと思います。

 その人が何かを作り出したり修理してくれたりするというのではないけれど、その人がいると優しい気持ちになれる、暖かい気持ちになる、笑顔になる、話しをしていて元気が出るetc. 

 人間というのは、物だけでなく、それを含めた感性や感覚に包まれて生きています。
 一個のパンを食べる時でも、友人がいたら、それを半分にして一緒に食べたい気持ちになるステキな生き物です。実際、一人で全部食べるより、その半分の方が美味しく感じるのは間違いありません。

 その人は〈何かを作り出せる、生み出せるから良い〉という見方は〈作り出せる、生み出せないからだめだ〉という様に判断することになります。

 そういう〈物〉を超えた豊かさや素敵さ、その存在のそのものの尊さを感じていける、寄り添っていける存在でありたいと思っています。
 教師として親としてならなおのこと、その見方・考え方は重要になるでしょう。

 ヤンチャするし、物を倒すし、食いしん坊だし、叱られることもあるア~ルですけど、ア~ルは研究所に来る人たちと一緒に遊んだり、その人を笑わせてくれたり、たのしく元気にさせてくれます。
 教材の買い物をしてくれて、明日届ければ間に合うのに、ア~ルの顔を見にと、学校帰りに寄ってくれる人たちもいます。
 特に用はなくても、ア~ルに会いに研究所に行きたいという人たちも出て来ます。
 生産性という一方向的な視点では切って捨てられていまうかもしれないア~ルは、たのしい教育研究所の欠かせない一員です。

 多くの人たちにそういう見方・考え方をが広がっていれば、生産性の発言は、あえてメディアを賑わすほどのこともなかったのに、と思いつつ、このサイトを綴っています。
 RIDE( ライド:たのしい教育研究所 )は、そういう見方・考え方のできる先生たち、保護者のみなさんを育てていこうと考えています。

 たのしい教育は単なる技法・ノウハウではありません。人生全体に関わるもっと大きな体系です。みなさんの応援クリックがRIDE(ライド)を強くします。この〈いいねライン〉をクリックすることで〈たのしい教育研究所〉への「応援票」が入ります☆いいね☆