仮説実験授業のすすめ(1)|6年担当の先生からの質問に答えて

たのしい教育研究所に

「今年はじめて6年生を担当します。理科は専科の先生が受け持ってくれるのですけど、理科以外でも仮説実験授業が可能でしょうか?」

という質問がきました。

いろいろお話をさせていただいてから、具体的に私が提案した授業書がいくつかあります。わたしが教師をしていた時に実際に何十回も授業にかけて、毎回、子ども達からの評価がとても高かった授業です。

何回かに分けてお届けします。

 

☆算数「二倍三倍の世界」

関連単元 6年「拡大図と縮図」

仮説実験授業 二倍三倍の世界

これは私が全国大会で入手した、発表したての古いバージョンです。
新しいバージョンが書籍化されています。
仮説社で入手できます➡︎ こちら

☆ 社会「日本歴史入門」

関連単元 小学校六年生 日本の歴史
奈良の大仏が出てくるあたりから

仮説実験授業 日本歴史入門

これも書籍化されています。
6年生の内容と重なるだけでなく、歴史の見方考え方を学ぶことができる授業書です。
➡︎こちら

つづく

仮説実験授業入門|「あてずっぽう」と「予想」

教育関係の方達だけでなく、広くいろいろな活動をしている方達から「仮説実験授業」についての問い合わせをいただくことがあります。

ある団体をリードしているから仮説実験授業をめぐって
「予想を立てることが重要なことなのですか?」
という質問をいただきました。真剣な質問でしたので、仮説実験授業の流れを元に丁寧にお話させていただきましたが、加えて、このサイトにも書かせていただきたいと思います。

カンに頼ったりすることもある「予想」がどれほど重要なのか、については私も一度考えたことがあって、その時に次の言葉で腑に落ちたことがありました。

「仮説実験授業」を提唱した板倉聖宣は『科学と方法-科学的認識の成立条件 季節社』の中でこう述べています。読みやすく行変えなどして喜友名が手をいれました。

板倉聖宣「科学と方法」科学的認識の成立条件 季節社

 「予想」を問題にしようとすると,次のように言う人々がいる。

「予想などというものは元来アテズッポにすぎないので,それを正しくしようなどというのはナンセンスだ。予想が正しいかどうかは結果が分らなければわかりっこないのだ」
と言うのである。

これはちょっと聞くと一応もっともにきこえる。

予想、が予想であるのは,結果が,本当のところが、分らないからである。

 

しかし,もう少し考えると,この主張の間違いはすぐに明らかになる。

私達はだれでも,経験をつむに従ってだんだんと予想が当るようになることを知っている。

私達が一度その問題・対象の性質をつかんでしまうと,他人からは魔法とさえ思われるように予想が見事に当るようになるものである。

古来, 日食の予言等はいつもこのようにして行なわれた。

これは, 経験をつむにしたがって,その問題・対象のなりゆきの法則性というものをよく理解するようになるからである。つまり,私達の意志とは独立にその問題,対象自体の変化・発展の法則性というものがあるのであって,私達がだんだんとその法則性を認識していくことによって予想がより確かなものとなっていくのである。

自然科学は,元来そのような自然の法則性を発見することによって確かな予想を立てることが出来たのである。

 

そしてそのようなことは,何も自然科学などに限らないであろう。

 

「予想を持って問いかける」ことで、次第に「科学的な認識」が深まってきます。その中で「もしかすると、こういう法則が成り立つのではないか」というようなイメージができてきます。これが「仮説」です。

「仮説」を「実験」で確かめていくことによって、その成否がはっきりとします。その積み重ねによって、人間は『真理』を発見してきました。

前回2月の講座で私が授業した仮説実験授業の授業書「自由電子が見えたなら」は、いろいろな予想を立てていく中で「もしかすると銀ピカ、金ピカのものは電気を通すのではないか?」という仮説をもっていく人たちが増えていきます。そして、驚くことに、その仮説が正しいことを知るのです。

たのしい授業・たのしい教育を確かなものとして提供する仮説実験授業を、学ぶ人たちがふえていく活動も、たのしい教育研究所のテーマです。

小さな島沖縄から「たのしい教育」を世界に発信する
「たのしい教育研究所」です
そしてその活動は、着々と前進しています

メルマガ たのしい教育はやめられない 第198号

私が毎週発行している「たのしい教育&映画はやめられない」が198号となりました。
いよいよ200号間近です。

毎回たっぷりと「たのしい授業」や「発想法」、「おすすめ映画作品」、そして「たのしい教育研究所の今日この頃」を綴っています。

たのしい授業2
「おすすめたのしい授業」は100均の「あいうえお かるた」を利用してもりあがるゲーム「わたしは誰ですか?」の簡単バージョンを紹介しました。

たのしい授業
映画は名作「アダムズ・ファミリー」です。

たのしい映画

「たのしい教育の発想法」では、仮説実験授業研究会代表 板倉聖宣が20年以上前に「科学者として〈霊〉の問題をどう考えるか」について正面から語った内容です。

迫力満点です。

霊の問題を思いの問題として

 

沖縄から世界に「たのしい教育」を発信する
「たのしい教育研究所」です

春の出会いも たのしい授業シリーズ|たのしい講座の様子

前回に引き続き、昨日開催された講座のたのしい様子をおとどけします。

これは、出会いのゲーム「わたしは誰ですか?」で、自分の背中のカードを当ててガッツポーズしている参加者の様子です。
いろいろな人にヒントをもらいなが、背中の自分のカードを当てていくゲームです。
合計3つのゲームで、出会いの春をたのしむ授業を紹介しました。

たのしい授業6
仮説実験授業「空気と水」の一コマです。
仮説実験授業は本格的な科学の授業です。
問題に予想を立てて実験して確かめる、とても好評の授業です。
コップなど身近な道具でたのしめます。

「コップの中に水が入っているのかどうか分からない」という参加者の声に応えて、食紅で色付けした水で再実験しているところです。参加者からの大きな拍手が起こりました。

たのしい授業5
授業書「空気と水」の中に出てくる「スポイト競争」のシーンです。
表面張力にも驚いていました。

たのしい授業7
これは、新しい作り方でスライムをたのしんでいるところです。
アロマの香りもつけて「癒しのスライム」バージョンです。
たのしい授業4 スライムを手にとって、ベターっとなっているところをたのしんでいる様子です。
「きもちいい〜、と感じたら、あなたにも子ども心が残っている証拠です」と話すと、大人の皆さんはドキドキしながら触っていました。ほとんどの皆さんが声をあげながらたのしんでいました。

たのしい授業2

 

これは、あっという間の健康お菓子「きらくカリコリ」づくりの様子です。
美味しさが大好評で、試食コーナーに参加者が押し寄せていました。

たのしい授業3

研究所の小禄さんとお友達の方の手作りの「出会いの春もたのしい教育」という表示も、春を思わせる彩りだと好評でした。

たのしい授業1

「次回の7月の講座が待ち遠しいです」という感想もたくさんいただきました。

次回もたのしい講座を企画します。

ご期待ください!

 

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