ヨシタケシンスケを沖縄へ 不思議な癒し(いやし)としての作品集

 前に書いた「ヨシタケシンスケを沖縄に」の反響もよく、すぐにいろいろな質問が来ました。
 早急に強い働きかけをする、というわけではなく、〈チャンスがあれば〉という事で行きたいので、〈長いスパンの楽しみ〉として、また〈当たるかもしれない宝くじ〉的なたのしみとしてお待ちください。今回は、ヨシタケシンスケの作品の持つ浄化作用について少し書きたいと思います。

 絵に解説を加えるのもどうかと思いますし、それの効能について語るのも変だと思うのですけど、一人の熱心な読者で、教育実践家でカウンセラーのちょっとした感想だという程度でみてください。

 日常の一コマや頭に浮かんだささいな事を「これはスケッチに値する」と感じてペンをとるのがヨシタケシンスケのすごさであることは前回書いたつもりです。それは〈他を持ってかえがたい〉どころか〈世界に類を見ない才能〉だと思います。

 そういうささいな一コマに目を見張る発想もたくさん転がっているのですけど、同時に〈癒し/いやし〉にもつながる作用があります。笑いが癒しにつながる、という意味でもそうかもしれませんが、笑いでなくても、心の奥深くで自分を肯定できたり、子どもの頃の感覚を取り戻したりできるからでしょう。

 前回のヨシタケシンスケスケッチ集 デリカシー体操 からいくつか紹介させていただきます。この中のどれかが、みなさんの心のどこかに安らぎを感じさせてくれるかもしれません。

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 前回の記事を読んで「さっそく本屋さんに注文しました」という方達が何人もいました。うれしいことです。
 こちらからも購入できます ➡︎ ヨシタケシンスケ スケッチ集 デリカシー体操

たのしさいっぱい
たのしい教育研究所です

たのしい宇宙教育 地球外生命体を探るミッション エウロパについての最新情報 from NASA. と雑誌ナショナル・ジオグラフィック

 地球外生命体の可能性を探るミッション 木星の衛星エウロパについて、NASAが先週発表を行いました。「いよいよ見つかったか」と思った人たちもいたかもしれませんが、それはありえないことでした。まだエウロパに衛星が行っていない段階の発表ですから。

 発表の内容は「エウロパから水が約200km(沖縄島をタテに2つ分)ほど吹き上がっている」というものでした。

http://www.nasa.gov/press-release/nasa-s-hubble-spots-possible-water-plumes-erupting-on-jupiters-moon-europa

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原文を見てみましょう。

Astronomers using NASA’s Hubble Space Telescope have imaged what may be water vapor plumes erupting off the surface of Jupiter’s moon Europa. This finding bolsters other Hubble observations suggesting the icy moon erupts with high altitude water vapor plumes.

軽く訳してみます。

Nasaのハッブル宇宙望遠鏡は木星の月エウロパから水蒸気らしいものが吹き上がっている姿を捉えた。この発見は、これまでのハッブル宇宙望遠鏡の観測結果から予測されてきたエウロパの高温度の水蒸気噴出の予測をさらに裏付けるものである。

 

 以前、このサイトに「地球の海底にある熱水噴出口」の話を書きました。そこが地球の生命の起源ではないかと考えられているという話です。エウロパにも同じものがある可能性が高いので、わたし自身の予想は「地球外生命体がエウロパで発見される」です。みなさんはどうでしょう。予想しておくと、外れていても賢くなりますから、ぜひ予想してみることをお勧めします。

 その発表を見てから探したのは、私がコレクションしている「ナショナル・ジオグラフィック誌」です。お勧めの雑誌で、わたしはクラスを持っていた時にも、理科を担当していた時にも欠かさずその雑誌を置いていました。

 ナショナル・ジオグラフィク誌(ナショジオ)2014年6月号の特集が「生命は地球の外にも存在するのか?」
 可能性が最も高い星エウロパのことが書かれています。

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 エウロパに探査機を送り込んで直接調査を行うというミッションをNASAが正式に発表したのは昨年2015年3月。順調にいけば2025年までには探査機を打ち上げて2030年代初頭にエウロパに到着することになります。あと14年。待ち遠しくてなりません。
 NASAの動画はとてもカッコよくてプレゼンテーションの勉強にもなります。英語ですが動画をつけておきます。意味はわからなくても映像や画像を見るだけでも価値があると思います。3分ほどですから見てみませんか。

宇宙教育もたのしさいっぱい
「たのしい教育研究所」です

 

 

子ども主義とは何か? 板倉聖宣語る

 板倉聖宣の発想法は仮説実験授業を生み出した人物だけあって、刺激に満ちています。
 毎週発行している「たのしい教育メールマガジン=教師は辞めても たのしい教育&映画はやめられない!」にもほぼ毎回、板倉聖宣の発想法を載せています。貴重な板倉聖宣の資料は、講演などで板倉聖宣が語ったままを文字起こししているものが多いので、読みにくいところが多々あります。また話し言葉というのは整理しないと脈絡がずれてしまうことも多いのです。そこで私が前後を入れ替えたり、言葉を補ったりするなど、構成し直してまとめています。おかげさまでとても好評です。
 メルマガの内容は刺激が大きすぎるので、そのまま掲載するのは控えて、そのうちのわずかな部分を今回の様に、公式サイトにも掲載しています。
 今回は〈子ども主義〉について、お届けします。

〈子ども主義〉とは何か。
 文学は教育に関わることが多いですね。ですからボクもある程度読んでいます。
 文学というものは元もと読者主義です。〈強制的に読ませる〉というわけにはいかない。〈読んでもらわないといけない〉のです。ですから〈読者主義〉です。
 思想や内容で「右だ」「左だ」という様に主義主張を分類して考える前に〈文学はもともと読者主義〉なんだということです。

 今、本が売れなくてあわてているでしょ。
 みんなインターネットを見ていて、本なんか読まなくなってきた。
 出版業界はあわててるのね。
 ある意味で、インターネットの方が、本よりさらに読者主義だからです。相手が読んでくれないといけないという点では徹底している。
 どこかの偉ぶった作家が書いている本より、友だちが書いている方が説得力があったりする。でもそんなときに「やっぱり友だちよりもあの作家の方がいい」と思えたら、本当にその作家は価値があるでしょ。
 インターネット社会になると「文学者が書いたつまらない話より、どこのだれだか知らないけどインターネットにあった小説の方がいい」となるにちがいないのです。
 それはどうしてか?
 作家というのは、読者に対してすぐに偉くなってしまって読者主義でなくなっていくからです。
 偉いから高飛車になって「今の読者はダメになった」と言ったりする人も出てくる。それは、とんでもない話です。
 読者に直接語りかける、読者主義でないといけないのです。

 ぼくが科学読物がわりあい好きなのは、科学読み物が子どもに直接働きかけているところです。ですからほとんど全ての科学読み物は〈子ども主義〉なんです。
 ところが教育の方は、子ども主義と言えるでしょうか。疑問です。
 教育はいろいろなものを注入するための道具になってしまっているところがないか。「だからつまらなくなってしまう」ということがあるのではないか。そういうことを考えてみるとよいと思うのです。

たのしい教育は単なる技法やテクニックではありません。
子ども達の笑顔を求め力を伸ばす根本的な改革です。

 たのしいこといっぱいの
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「このあとどうしちゃおう」のヨシタケシンスケさんを沖縄に!

 ヨシタケシンスケさんの「このあとどうしちゃおう」などいろいろな作品を、たのしい教育Cafeや、研究所を訪ね来る方達に紹介しています。以前このサイトにも書きましたが、そのページも大人気です。

 ヨシタケシンスケさんの発想法はわたしにとって魅力的です。特に、彼のちょこっとした鉛筆画が大好きです。日常の些細なシーンを魅力的に映し出して見せてくれる技は、世界中でヨシタケさんを凌ぐひとはいないでしょう。周りに人がいる処で読むとつい大笑いしてしまうので困ります。

 先日、最新刊を手に入れました。
「ヨシタケシンスケ スケッチ集 デリカシー体操 」です。

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 わたしにはヨシタケシンスケの作品に笑えない人がいるのがどうしてなのかわからないくらい笑ってしまうのですけど、笑えない人も笑える人も、人間の多様性の素晴らしさです。お互い困ることは何もない。

 次の作品も大笑い。

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 きっと家族の誰かに「いつまでダラダラ、グータラしてるのよ」とでも言われたのでしょう。「地球だって惰性で回ってるんでしょ?」と、実に明確な応えを返す男。かつて居たでしょうか、自分のグータラを地球の回転運動と同格に表現した人物が。ガリレオが聞いたら、上の一枚目の右側の男の人の様な顔になったのかもしれません。

 

 これも笑った。

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 本の帯に「忘れたことすら覚えていない、どうでもいいものたち」と書かれています。そのどうでもいいことに笑える自分は、きっとヨシタケシンスケと思考回路が近いのでしょう。

 彼のこういう発想が何かクリエイティブなものを生み出しているのか? と問う人もいるかもしれません。自信をもって答えましょう。Yesです。日常のどうでもいいという様な出来事に着目できる彼ヨシタケシンスケだから「この後どうしちゃおう」や「りんごかもしれない」がとてもたのしい作品になっているのです。

 以前から頭にあるのですけど、ヨシタケシンスケを沖縄にお招きして、独演やトーク、質問会をしたいなと思っています。
 一度メールで本人とやりとりをしたことがありますが、こういう人物はお金が積まれたから動くということはありません。わたしの処にも時々、まずお金の話から出して、全体が分からないままの仕事の依頼が来ることもあるので、わかります。
 しかし、何かのタイミングで、いつか「行っても良い」ということになるかもしれません。そうなるとまた、たのしさが広がります。

たのしいことがいっぱいの
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