たのしい植物の自由研究〈がじゅまるの花と実〉 つづき

 けんじくんの話を聞いたお父さんの話からつづけましょう。

お父さん
「けんじの予想でいくと、がじゅまる以外にも、花が咲かずに実がなる植物があるということだよね?」

けんじくん
「うん」

お父さん
「桜は?」

けんじくん
「花が咲いて後、実ができていた」

お父さん
「ひまわりは?」

けんじくん
「花の後のところでタネができていた」

そうやっていろいろ考えてみても、花が咲かずに実がなる植物はみつかりませんでした。

お父さん
きのこの様に、花も実もできない植物もあるんだけど、ほとんど全ての植物には花や実(タネ)があるんだよ。
 がじゅまるにもあるんだ。

けんじくん
え?
でもぜんぜん見つからないよ。

お父さん
うん、ほら、これが〈花〉なんだよ。

そういうとお父さんは、実をパカッと割ってみせてくれました。

 普通の花の様には見えないし、まだ形がととのっているわけでもないから、ますます信じられないかもしれないけど、この実の中に、おしべやめしべもあるんだよ。

 けんいちはまだ〈分類〉という勉強をしていないかもしれないけど、ガジュマルは〈クワ科イチジク属〉なんだよ、イチヂクの実が大きいから、それをみてみよう。

 中をみてごらん。

 
 お父さんが「前に教師をしていた時に使っていたものだよ」といって、農協からもらった資料も探してみせてくれました。

「外からいくら探しても〈見つからない花〉というのがあるんだね。

 そうはいっても、カンタンには信じられないかもしれないから、自分で調べてみるといいよ」

 沖縄は今、がじゅまるの季節です。

 みなさんも、がじゅまるをきっかけに、花と実についてたのしく自由研究してみませんか。

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たのしい植物入門「ガジュマルの花と実(タネ)の話」自由研究

 沖縄では、いろいろなところで目にする木、ガジュマル。よその県ではあまりみない植物なので、ガジュマルといえば沖縄をイメージする人も多い様です。

 これは沖縄市役所のそばに生えているガジュマルです。

 話し合いがあって帰る時、その樹に実ができているのが目に入りました。

 この緑の丸くなっているものがガジュマルの実です。

 

 一粒とってみましょう。

小さなビー玉くらいの大きさです。

 ガジュマルの実があるとすると〈花〉もあるはず。

 ところが探してみてもみつかりません・・・

 

これはどうしたことでしょう。

 花が咲かずに実(タネ)がなるということがあるのでしょうか?

 けんたくんは、最近、学校で「花が咲いて後、その子房の部分が大きくなって〈実・タネ〉になる」と習ったところです。


 不思議に思ったけんたくんは、「もしや」と思い、お父さんに聞いてみました。

 するとお父さんは、いつもの様に「けんたの予想は?」

 と聞いてきました。

 お父さんはいつも「予想を立ててものごとをみつめていくことが、とっても大切だよ」といいます。
 だからけんたくんもすぐに〈予想〉を立てていました。

けんたくん
「あのね、ガジュマルというのは特別な木で、花が咲かずに実やタネができるんじゃないかと思う」

お父さん
「どうしてそう思ったの?」

 そう聞くのもいつものことです。 

けんたくん
「だって、世界にはとてもたくさんの植物があるでしょ、そのうちのどれかは、花がさかずに実がするっていうものもあるんじゃないかなと思って」

お父さん
「なるほどなるほど」

さて、これを読んでいる皆さんはどう思いますか?

一つ、予想を立ててみませんか。

 自由に想像を膨らませて調べていくこと、それが自由研究です。

 けんたくんとお父さんの話は、みなさんが予想を立てて後、続けることにしましょう。  

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山田さんの〈ピリ辛きゅうり〉 最新メルマガから

 最新号のメルマガ〈オススメ映画Plus〉の章で「僕らは奇跡でできている」というテレビ番組を紹介しました。
 2年前のフジテレビ系の番組ですけど、とてもよかったです。


 その中で、おてつだいの山田さんがつくる〈ピリ辛きゅうり〉のレシピをのせたところ、さっそく作って食べています、というたよりがとどきました。

 紹介します。

いっきゅう先生へ

メルマガに出ていたピリ辛きゅうりをつくってみました!

作る時、きゅうりをたたくのに躊躇しました💦
なかなか割れず、ハンマー🔨にビニールをかぶせてたたくと数回でこの通り!


きゅうりを手でちぎり、レシピの通りに調味料を入れ、少し揉んでから冷やして食べると美味しいーーーーーーーーーーーーー


きゅうりが安い時に🥒買っておいて山盛り作りたいです!

 メルマガに掲載した「山田さんのピリ辛きゅうり」の作り方を載せておきます。

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弱め言葉の研究(2)「はっきり言葉」も使える様に

 私いっきゅうが〈論文ドクター〉をしながら分類してきた一つに「弱め言葉」があります。面接ワークショップや論文ワークショップでも、実例を取り上げて詳しく説明したことがありますし、以前このサイトにも書いたことがあります。

 最近、RIDE(ライド)に学びに来ているA先生が
「あ、これは弱め言葉でした、いい直します」
という様に言葉を訂正している場面に出会いました。
 自分の発する言葉の感覚だけでなく、思考が一段高いところにのぼったに違いありません。
〈弱め言葉〉の存在を意識していると、考え方も必然的にシャープになっていくからです。

 今回は〈弱め言葉〉と〈はっきり言葉〉について書いてみましょう。

 メルマガは朝一番のメール対応の後に綴ることも多く、今回もそうしています。台風情報も仕入れようとスイッチを入れたTVの情報番組では〈弱め言葉〉を連発している人物がいました。
 コロナ関連で毎日に様に情報番組に出ている有名なお医者さんです。医学的なことに対してコメントを求められ発言をしているのですけど、ほぼ全てのフレースが弱め言葉かと思えるほどでした。
 いくつか拾ってみましょう。

「PDR検査を増やしていくことは必要かなという風に思います」

「個人的には、そこはもう少し強化しておいた方がよいのかなぁという風に考えております」

「抗体検査は、個人的には、いいな、という風には思っております」

普通だ、と思う人もいると思います。
世の中に、こういう表現型が溢れているので、そう考えるのも仕方ないでしょう。

 上の表現の何が弱め言葉か、わかるでしょうか?

 一つ取り出してみましょう。

 本来、専門家の意見としてこう語ることができるフレーズを、この下線部で弱めています。

◯ そこは強化しておいた方がよいと考えております
    ⇩
個人的には、そこはもう少し強化しておいた方がよいのかなぁいう風に考えております

 専門でない人に聞いているわけではなく、あえて専門家を招いてコメントを求めているわけです。見ている私たちも「そのことは専門的に見てどうなのか」という点が気になります。
 それに対して、はっきりとした意見を言わずに、弱めて薄めて微妙なものにしてしまい、頼りない答えを出し続けているのです。

 たとえば「~とは思います」という言葉にも弱め言葉が含まれています。

〈とは〉の〈は〉です。

思います」と「とは思います」の違いを感じ取ることができるのではないかと思うのですけど、どうでしょう。

「~と思います」とはっきり語ることを避けて

「~とは思う部分もありますけどね・・・」という様な表現を無意識に利用しているのです。
「一応そのように考えてはいるんですけど、そうではないこともありますよね・・・」というニュアンスですね。

 弱め言葉そのものが悪いのではありません。

 相手との〈関係の中〉では大切な表現型(ひょうげんけい)です。
 決めつけてしまうのではなく、やわらげて伝えることなしでは、関係の継続は厳しいでしょう。
 例えば私が上で使った表現「~と思うのですけど、どうでしょうか」という書き方は、この場合大切な弱め言葉になります。
 みんながみんなそう気付くわけではありませんし、そうは思わないという方の存在も想定しておかなくてはいけないからです。

 逆に弱め言葉はおかしいという〈場面〉もあります。
 「今は五月ですよね?」と問われた時に、上であげた医師の表現型を借りるとこうなります。

「個人的には、五月かなぁ、という風には考えております」

 どうですか?

 なんかめんどくさいタイプだな、と感じるかもしれません。別の人に聞いてみよう、あるいは別な人に聞けばよかったと感じる人も多いと思います。

 電話で遠方の友人に
「梅雨に入ったね、そっちは雨降ってないの?」と聞いた時に

「私は、雨はふってないという風に思ってはいます」

という答えが返ってきたらどうでしょう。

 初めの朝の放送番組のコメントに戻りましょう。

「抗体検査は今後のために有効なんですよね、◯◯先生」
と問われて
「個人的には、いいな、という風には、思っております」
そういう表現型を連発する人物から重要な指針が得られる気はしませんし、この人ではなく、もっと力のある人に聞きたいという気持ちがしてしまいます。

 もちろん〈わからない〉とか〈不明〉なら「わかりません」でよいのです。
「私はその部分についてはハッキリしたことは申し上げる力がありません」とか「その部分については科学的にもハッキリとしてデータが出ているわけではありません」でもよいのです。
 それも一定レベルの力を持っていないと語れないことです。

 知っている範囲で語ってくれたら、聞いている私たちにはとても参考になります。
 たとえばこういう言い方
「抗体検査は完全ではありませんが、85%以上の確率で正しい数値を示してくれるので、その地域でどれくらいの人たちが抗体をもっているかどうかの尺度になります。するとその地域で医療体制をどの程度整えておくか、人工呼吸器をさらにどれくらい増やしておけばよいか、予測もできる様になりますね」

 弱め言葉は〈そうでない可能性〉を計算に入れて使う表現型です。
 先ほど書いた様に人間関係ではとても有効です。
 しかし弱め言葉が多用されてきたからでしょう、自分の語る言葉の中に〈弱め言葉〉がデフォルト(初期設定)されてしまっている人たちが、とてもたくさんいるようです。

 弱め言葉も使えるし、はっきり言葉も使える、それが教育の目標とも言えるでしょう。

 親や教師が、こういう言葉の感覚を磨いていくと、もっと

「お母さん、あたまっていう漢字はこうだよね」と聞かれた時、
「あ、左側は〈豆〉って書くんだよ、がんばって練習してね(´ー`」とはっきり伝えてあげましょう。

「先生、お母さんが〈太ってきた〉っていうんだけど、ぼく、太っているかなぁ・・・」と聞かれた時に
「みんなの中でみたら、全然太っている様には感じないなぁ。でも、お母さんはもしかしたら、ずっと◯◯くんを見ているから、腕とか、背中とか、細かいところの変化もわかるんじゃないのかな。
 今度〈どこが?〉ってお母さんに聞いてみたら?」
というふうに答えてみてはどうでしょうか。

 面接や論文で「これこれについてはどう思うか?」と問われた時に、はっきり言葉で「私はこう考えております」という様にシャープに答えていける様になると、合格に一歩も二歩も近づきます。

 たのしい教育メールマガジンでも、はっきり言葉の重要性と弱め言葉の重要性を書いておこうと思います。

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