ガリレオの落下の法則を幼稚園児もみんなたのしむ!/たのしい教育でたくさんの笑顔

 某月某日、〈名護市中央公民館 地域政策部〉の企画で名護市内のA小学校で授業をしていただけないかというお話が届きました。これまでいろいろな地域の教育と関わって来ましたが、市の中央公民館がいろいろな学校で魅力的な授業を企画するというのはあまり耳にしません。名護市の教育にかける基本的な姿勢に賛同し、スケジュールを調整して授業をさせていただく運びとなりました。
 実は、中央公民館の企画の授業も確か4-5回目くらいになるかと思います。
 どうしてこんなに足を運んでいるのか。
 わたし〈いっきゅう〉は名護市にとても大きな恩があるのです。新米の教師の頃、体育系の研究会で、先輩方にたくさんのことを教えていただいた恩です。いつか名護市だけでなく、北部から声が掛かったら、全力でスケジュールを調整して、あの時の恩返しをしよう、そう思っています。

 学校側が作って下さったカラフルな垂れ幕が目立ちます。

 授業は2校時に〈幼稚園児と1~3年生〉、3校時は〈4~6〉年生と分けて実施しました。この下の写真の右の一列が幼稚園の子ども達です。ガリレオの落下の法則をどんどん前のめりになりながら学んでくれました。

 授業の後半は、ガリレオの落下の法則でキーになった〈空気の粒としての存在〉です。その流れで研究所の開発教材〈手乗りブーメラン〉をたのしみました。
 これは高学年の子ども達です。

 ブーメランをとてもたのしんでくれました。研究所の開発した画期的ブーメラン〈手のりブーメラン〉を全員がとてもたのしんでくれました。

 校長先生教頭先生もフットワークが軽く、子ども達と一緒にたのしんでいました。
 名護市のこの小学校(本サイトの基本ルールで固有名詞は控えます)で二度目の授業になります。
 校長・教頭先生をはじめとして、いろいろな先生たちが子ども達の個性に応じてサポートしている姿に、毎回心うたれます。
 外から見ているだけなのですけど、実際に授業を期日を違えて三回持たせて頂いた中で感じていることですから、授業参観や説明を聞いて感じたことより信頼性が高いでしょう。
 わたしも特別支援の免許を持っていますが、もし学校で担当を任されたら、一度学びに行きたいくらいです。

 それからもう一つ、私が先日たまたまテレビのリバイバルで観てとても印象に残っていた〈名護市のある子ども〉がいます。それは、今はもう無い小学校での短いインタビューシーンでした。
 職員室で校長先生と〈名護というと、その子の顔を思い出すんですよ〉と話していたら、たまたまその場にいた先生が、そのテレビに写っていたその子でした。もちろん、収録は10年以上まえですから、しっかり大人になっています。
 うその様な本当の話。
 たまたまその場に居た5人の中に入ってただけでもすごく低い確率な上に、その時偶然に私が〈名護といえば…〉という話題を出す確率も低いでしょう。
 もしかすると目の前の先生方の名札が無意識に私の頭に入っていて、「◯◯といえば、あの時のテレビ」というように、意識の奥の方から、その話題が出た可能性もあります。
 そういう話が出せたのもフレンドリーな校長先生だったからです。そして一旦失礼して準備に行こうとしたのに、スタッフが玄関に入ってきて強引に連れ戻され、二度目の職員室だったこと。まだまだあります。

 けれどいういうことは、数々の動きの中で起こりうることです。
 そもそも、この素晴らしい星に誕生したところから計算すると、起こる全ての出来事が奇跡的な確率なのですね。
 ということで、奇跡的な出会いを記念してスタッフに写真を撮ってもらいました。お互い、いろんな人との出会いをたのしんでいきましょう!

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90%主義の教育を 完全を求めるとだめになる

 メールマガジンの発想法の章で表題の〈90%主義の教育を〉という板倉聖宣の話を紹介したところ大きな反響がありました。少しだけここにも紹介しておきたいと思います。
 わたしが強く影響を受けた発想法・哲学の1つです。

人間に完全を要求してはならない。

たとえば〈かけ算〉をおしえたからといって100題の計算問題全部正しく答えられることを要求してはならない。

 人聞には〈あやまち〉というものがあるものだ。〈気のゆるみ〉というものが許されてしかるべきだ。

 人聞が自由であり、機械や奴隷でないことは〈完全でなくてもよい〉ということを保証されているところに、もっとも典型的にあらわれているのではないかと、このごろつくづく思う。

 100題の計算問題のうち10題以上もまちがえるとしたら、それは彼が〈かけ算〉というものをよく知らないか、その時の肉体的精神的状態が健全でないということの証拠となるだろう。しかし1題や2題まちがえたところでどうだというのだ。それは人間の〈あまりに人間的なまちがい〉とはいえないだろうか。

板倉聖宣1966

 

 ある学校でとても熱心な図書館司書の先生とこういう話になったことがありました。もうすでに退職している頃でしょうか。
 わたしが大学で図書館司書の単位を収めてきたということでだったのか、図書館の担当をさせてもらっていて、司書の先生と話し合いをもつ機会もたくさんあった頃です。
 ある時の話し合いの中でその先生が
「学校の子ども達全員が定期的に図書館に本を借りに来てもらうためにはどうしたらよいだろうか」という話をしました。

 わたしは〈全員〉という言葉が気になってこう話しました。
「野球 命だ、とかいって学校が終わると一目散に部活に飛んでいく子もいていいと思うんですよ。もしかしたらその子はその日々のお陰で甲子園に出て一流の選手になっていくかもしれません。そういう子も全員〈とにかく図書館に来て本を借りて読むように〉という様にすると、そういった子ども達の夢を奪ってしまうことになるかもしれません。
 〈全員〉というのではなくて〈もっと多くの子が〉という様に目標を変えて、キャンペーン機関を実施するという様な方法ならアイディアがあります」

 その先生は深く納得してくれた事を覚えています。

 90%主義というのはそういうことです。
 四捨五入すれば85%もその範疇ですから、わたしは時々〈85%主義〉という様にいうこともあります。

 親も子も教師も完全ではありません。
 そしてその完全でない部分に新たな可能性が見つかるかもしれません。
 わたしの様によく忘れ物をする人間が、忘れ物対策の大発見をするかもしれないのです。忘れ物をしない人間はそもそもそういうことに困っていませんから、そこに知恵を働かせようと思うことも無いのです。

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生きている様なグルクンの絵 たのしい絵画教室

 グルクンの絵はたのしい教育研究所の絵画教室の定番の題材です。これはリーダーの小禄先生の作品です。小禄先生はキミコ方式の公認インストラクターでもあり、独自の絵画指導も得意です。


 これは本物のグルクン。

グルクン(たかさご)は、フエダイ科の魚で、沖縄県の県魚に指定されています。旬は夏で、産卵前の初夏(6月頃)が最も美味しいと言われています。
身は白く、肉質はやわらかで、美味な魚です。
                 美ら島物語より

 小禄先生の描いた作品の方が美味しそうですね。

 描いてあとは、みんなで唐揚げにして味わったりするなど、描いて後のたのしみも希望に応じて組んでいます。


 その対象に合わせていろいろな題材で授業が可能です。
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正座について考える つづき 沖縄〈正座〉考②

 「正座孝」の続きです。未読の方は1つ戻ってから読みはじめてください。「〈正座〉とは〈ただしく座ること〉で、体育座りの正座、椅子に腰掛けての正座などいろいろな正座があるという様に理解してよいのか」というこだわりからスタートしたお話です。

『週刊現代』2016.11.26に「日本人が知らない「正座」にまつわる驚きの歴史」という記事があって興味深い話が載っています。⇒こちら

 日本人が古来より正座していたかというと、それは大間違い。礼儀作法の上で正座が定着したのは、ほんの100年ほど前のことだったという。

そもそも両膝を折って腰を下ろす座り方は、かつて「かしこまる」と呼ばれ、庶民が貴人の前で平伏する際など限られた場面での姿勢であった。時代劇などで見られる、奉行所のお白洲に呼ばれた町人の姿を想像してもらうといいだろう。

 逆に、今では行儀が悪いイメージの強い「あぐら」は、かつて「安座」と呼ばれ、江戸時代以前には大名の正しい座り方として認められていた。正座のイメージがありがちな茶道においても、千利休は、あぐらをかいて茶を点てていたのである。

 

 明治新政府が、国民に等しく修身教育を施すにあたり、外国文化との対比を強調しようと、日本人としてあるべき正しい座り方として正座を選んだという。

さらにこの同時期に起こった二つの事柄が、正座の普及と関係している。

 一つは、「畳」が誰でも使用できるようになったこと。それまで畳は贅沢品とされ、時として厚みや材質、縁の色や柄で身分を表現するのに使われていた。そのため農民や町人は畳を持つことができず、板張りの床での暮らしでは正座が定着するわけもなかった。

もう一つは、「脚気」の解明である。「江戸患い」と呼ばれるほど当時の人々に大流行したこの病気は、足の末梢神経障害を引き起こす。そのため、江戸時代の人々にとって正座は、まさに拷問に等しい姿勢であったのだ。

明治に入ってようやく、脚気が白米を中心とした食生活によるビタミンB1の欠乏であると解明され、治療・予防法が確立される。こうして人々は安心して正座できるようになったのだそうだ。

 

 宗鐵(てい・むねてつ)『正座と日本人』(講談社)にも「日本人の正座は明治以来のもの」と紹介されています。

 いろいろな資料を紐解いても、日本で広く〈正座〉が広まったのは明治になってからといってよいようです。

 たとえば徳川家康のこの絵、あぐら(安座)ですよね。

 それだけではありません。
 いろいろな有名人の座り方を見ても、正座しているようには見えませんね。

 正座は仏教的なものから来たのではないかという予想もあったのですけど、仏像を見るとけっこう自由な座り方をしています。

 〈正座〉という姿勢は古くから特別な時(征夷大将軍にひれ伏す時や参勤交代の時ひれ伏す姿勢/ウィキペディア)には利用されていたけれど、一般に広まる様になったのは明治期、問題2の答えはウの〈明治になってから〉だといってよいでしょう。

 

 では問題1の「正座は正しく座ることだから、いろいろな正座があってよい」についてはどうでしょう? 学校の椅子に腰掛けたままの姿勢を正座と言ってもよいのでしょうか。
 いろいろな考え方があるかもしれませんが、少なくとも明治期から広まった〈正座〉はこうです。


 空手道や柔道、剣道、弓術など伝統的な武道に残る正座ももちろん同じです。

 ですからこれが一般的だといってよいと思うのですがどうでしょうか。
「沖縄で使われている正座はそうではない」とか、ある団体は椅子に座った状態でも正座と言っているという様ないくつかの事例で「正座にはいろいろある」と言って良いとは私には思えません。

 

 ウィキペディアにこうあります。

沖縄方言では、この座り方を「ひざまんちゅー」と呼び、これをヤマトグチ化して「ひざまづき」と言う。

 また沖縄で「正座」という言葉を使う場合は、椅子や地面に腰を下ろしたままで姿勢を正すことを意味する。

 椅子に座った状態を「正座」と呼ぶのは沖縄県だけの様です。出典が無いので少しだけ疑問も残るのですけど、県外の皆さんで、自分のところでも椅子に座った状態で正座というという方がいたらぜひメールをください!

 ということで問題2の「椅子に座った状態で『正座⇒礼』と掛け声をかけている都道府県は?」 沖縄だけだといってよいようです。

 

問題4「沖縄では正座のことを〈ひざまづき〉と表現する人がいます。わたしは子どもの頃バツとして〈きゆな君うしろにいってひざまづき〉と言われていたものですが、もうそういう表現型は残ってないのかもしれません。
 ところで〈ひざまづく〉とは本来どんな姿勢をいうのでしょう?」

 これは写真を見ていただきましょう。膝(ひざ)を地面につけることを〈ひざまづく/膝まづく〉というのです。

 

 ですからこれも沖縄で違う形で使われてしまった言葉の1つだと言ってよいでしょう。

 どこかで誰かが間違って利用してしまい、それがいつの間にか広まっていったのでしょう。昔はそういうことも起こり得たのでしょう。東京から遠く離れ、海が隔てた場所ですから。

 そこで提案なのですけど、「かつて先生たちも間違って伝えてしまいました」と謝るとよいと思うのです。そのうえで、正座とはこういう姿勢をいうのだ、という様に伝えていくのです。教育委員会が間違ったわけではありませんが、沖縄県全体に広く伝えるには教育委員会からというのがよいかもしれません。
 先生たちだって間違うことがある、ということは子ども達も学んでいてよいことの一つだと思っています。

 では授業の号令はどうするか?

 わたしは理科の時間など「いろんなあいさつの仕方があるということで、理科のときにはこうしてもらえませんか」という様に話して
「姿勢を正してください」⇒「礼」
 とか
「姿勢を正しましょう」⇒「よろしくおねがいします」
という様な号令をお願いしていました。

 もちろん学校によっては号令のかけ方を厳しく統一する校長先生もいて、そういう場合はしたがっていましたが、少なくとも「正座というのはこういうことをいうから覚えていてね」というように伝えていました。

 長くなりましたが〈正座について考える〉はいかがだったでしょうか。よろしければ〈いいねクリック〉をお願いします。みなさんも〈たのしい教育〉を一緒に広げましょう➡︎みなさんも〈たのしい教育〉を一緒に広げましょう➡︎ ここをクリックするだけで全国の人気ブログに一票入り、いろんな人が目を通してくれる可能性がたかまります!