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自分の生まれ育った場所が「こんなにも美しい」と感じる時-感動を伝えることをためらわず

 プレゼンテーションの準備で巨大シャボン玉の写真を探しているときのこと、ある写真が目に入り、しばらく目が離せなかった写真があります。

 以前、仕事の流れでたまたま通りがかった場所で、高台から見る海の美しさに心動かされ、脇道に車を停めて、歩きながら撮った写真です。
 長年沖縄に住んで見慣れている〈海〉なのに、見惚れてしまうほどの眺めでした。

 坂道の向こうに見える海の輝きは映画のワンシーンの様です。
 画像加工しているわけではありません、写真より実物の方が遥かに美しい輝きを見せていました。

 最近、友人から「消え去ろうとしていた沖縄の芸能・文化がのすばらしさを伝え、残すために尽力したのは、県外からやってきた美術教師〈鎌倉芳太郎〉という人物だった」という話を聞きました。
 滅びゆく紅型の伝統を守ったのも、「神社にでもしたらよい」という意見を抑えて首里城の再建が実現したのも鎌倉芳太郎の功績、残した写真やノートが決定的だったといいます。

観光でたくさんの人たちが沖縄を訪れます。
きっとこの海の輝きに感動してくれていることでしょう。
そこから「沖縄のすばらしさ」を教えられることもあるでしょう。
けれど暮らしている私たち自身が気付いていたい沖縄のすばらしさです。
そうでないと、かつての紅型の継承者がわずか二人しかおらず、このままだと消えゆく文化の一つだった様に、沖縄の美しい自然も消滅の危機を迎えないとも限りません。

自分が子どもだった頃、この美しさを感じることができていたのでしょうか、私はどうもあやしい気がします。
その分、わたしたちの身近な子どもたちへ、この美しさを伝えたいと思います。

 みなさんが美しいと思うのは、沖縄のどういうところでしょう。
 遠慮せず、かといって押し付けにならない様に、子どもたちに
「この景色どう?
 お母さん、すばらしいと思うのよ」
そういうふうに伝えてみてはどうでしょう。

 これだけの宝物がある沖縄のすばらしさを自分たち自身で感じ、伝えていく、それも〈たのしい教育〉の大切なテーマだと思います。

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